ZenmuTech(338A)の目標株価は?秘密分散・HAIP共同事業と中間赤字、急騰後の条件を分析

私は短期売買が下手です。原因は、値動きを深追いしてしまうことだと考えています。値動きの大きい銘柄ほど、株価の勢いと会社の稼ぐ力は分けて見る必要があります。ZenmuTechでは、チャートの位置と、下期に必要な売上と利益を別々に数字で確かめました。

ZenmuTech(338A)の株価は2026年9月4日終値で2,696円、答え合わせとして9月18日終値は3,420円です(株探・Yahoo!ファイナンス)。結論として、ストック型収益(継続契約から毎期入る売上)の拡大には期待できますが、会社予想PER(株価収益率)約24倍だけで割安とは言えません。今読むべき理由は、9月1日のHAIPとの共同事業の発表で株価が急騰した一方、中間期は営業赤字で、通期計画の達成が下期の大型案件にかかっているからです。

ZenmuTechは、情報を分散して保護する技術を持つ情報セキュリティ企業です。技術への期待と、現時点で確認できる収益の規模には距離があります。その距離をどの条件で埋められるかを、決算の数字で確かめます。

中間期は営業赤字で、通期予想は純利益が経常利益を上回っています。利益の質と下期の達成条件を確認する必要があります。

目次

ZenmuTechは何を売る会社なのか

事業の中心は秘密分散技術です。情報をそのまま保管せず、復元に必要な分散片に変換して分けて管理します。代表製品のZENMU Virtual Driveは、パソコン上のデータ保護に使われます。普段の業務ではパソコンの処理能力を利用し、盗難や紛失の際には分散片へのアクセスを制御して情報の利用を防ぐ設計です。(出典:会社の製品説明、2026年9月24日時点)

顧客が購入する価値は、技術の名称そのものではありません。業務の使いやすさを保ちつつ、データを持ち出す場面の危険を減らし、運用を管理しやすくすることです。利用者に複雑な手順を要求しすぎると、保護対象外の場所へ保存するなど、運用上の抜け道が生じる可能性があります。製品の評価には、安全性と日常業務へのなじみやすさの両方が必要です。

また、ZENMU Engineでは、秘密分散技術を他社のソフトウェアやサービスに組み込むための開発キット(SDK)を提供しています。自社で最終製品を売るモデルに加え、他社の販売網や利用場面を通じて技術を広げられる余地があります。ただし、採用が決まってから相手側の製品開発・販売が進むまでには時間がかかり得ます。(出典:ZENMU Engineの公式説明、2026年9月24日時点)

投資家は、単独製品の利用契約が増えているのか、技術提供の開発案件が増えているのかを分けて見るとよいでしょう。同じ売上増でも、翌期に残る契約と、その期で完結する仕事では、利益予測の組み立て方が変わります。

秘密分散の強みはどこまで評価できるか

同社の技術は、AONT(全部の分散片がそろわないと元に戻せない変換)を使い、必要な分散片をそろえて復元する仕組みです。単にファイルを前半と後半に切る分割とは異なり、一部の分散片だけから元の情報を読み取られにくくする点が特徴です。技術の構成には暗号処理も使われており、暗号技術をすべて不要にするものと理解するのは適切ではありません。(出典:コア技術の公式解説、2026年9月24日時点)

実際の安全性は、どこへ分散するか、誰が復元できるか、分散片へのアクセス権限をどう管理するかで左右されます。復元後の情報は正当な利用者が閲覧できます。その利用者の権限や端末が不正に使われる問題まで、秘密分散だけで自動的に解決するわけではありません。これは製品の欠点というより、保護する範囲を正しく理解するための区別です。

秘密分散と秘密計算も同じ言葉ではありません。同社が別途展開するQueryAheadは、データを秘匿した状態で計算する秘密計算の用途に関わります。保存・通信の保護が、そのまま全製品で秘匿状態の分析まで可能という意味にはなりません。用途を混同すると、市場規模や売上機会を過大に見積もりやすくなります。(出典:秘密計算ソリューションの説明、2026年9月24日時点)

同じセキュリティ分野でも、攻撃の検知や端末防御に軸足を置く企業とは役割が異なります。FFRIセキュリティの分析記事と読み比べると、予防・検知・情報保護のどの部分で収益を得るかを整理しやすくなります。

中間決算は売上横ばい、営業赤字が拡大

2026年12月期中間決算では、売上高3億563万円、営業損失9,928万円、経常損失7,930万円となりました。前年中間期の営業損失は2,414万円です。売上高が前年同期比0.3%増にとどまるなか、費用の増加が先行しています。上期は期初予想の売上高3.77億円に届かず、会社は主にZVD案件約42百万円の下期へのずれ込みを理由に挙げています。(出典:2026年12月期中間決算短信、中間期の業績予想値と実績値の差異に関するお知らせ、いずれも2026年8月13日時点)

項目2026年中間期の実績投資家が見るポイント
売上高約3.06億円、前年同期比0.3%増継続収益と案件収益を分ける
営業利益約0.99億円の赤字成長投資を吸収できる売上規模
売上総利益率約88.6%販管費増加をどこまで吸収できるか
販売費及び一般管理費約3.70億円採用・販売・研究開発の成果
自己資本比率66.8%財務の余力と赤字期間の長さ

粗利率が高い事業でも、売上が十分に増えなければ固定的な費用を吸収できません。今回の売上総利益は約2.71億円に対し、販管費(販売費及び一般管理費)は約3.70億円です。製品を提供する段階の採算と、会社全体で利益を残せる段階は別だと分かります。

会社は、秘密分散のストック型収益が積み上がった一方、秘密計算のフロー型収益(その期で完結する案件の売上)には前年の案件計上の反動があったと説明しています。売上横ばいだけを見て、継続契約の成長が止まったと決めつけるのは早計です。逆に、ストック収益が増えたから全社の赤字は問題ないと片付けることも避けるべきです。(出典:2026年12月期中間決算短信、2026年8月13日時点)

決算説明資料では、主力のZENMU Virtual Driveの売上が前年同期比32.5%増で、全社売上の84.2%を占めると示されています。全社の横ばいの内側で主力製品は伸びており、減収した案件型の事業が表面の成長率を抑えた構図です。主力の成長率と全社の利益率を一緒に見ると、事業の進展をより正確に評価できます。(出典:2026年12月期中間決算説明資料、2026年8月13日時点)

注目するのは、先行費用の増加が次の売上につながる時期です。販売パートナーとの協業や人材採用は必要な投資ですが、投資の必要性と投資採算の良さは同義ではありません。次回以降の確認点は、粗利益の増加額が販管費の増加額を上回るかどうかです。

通期計画には、下期に大きく利益を稼ぐ必要がある

会社の通期予想は、売上高10.8億円、営業利益1.61億円、経常利益1.8億円、純利益3.02億円です。中間決算時点で予想は据え置かれました。通期の売上成長率は26.8%ですが、中間期の進捗率は約28.3%にとどまります。予想が維持されたことと、達成の難易度が低いことは分けて考える必要があります。(出典:2026年12月期中間決算短信、2026年8月13日時点)

中間実績を差し引くと、下期には売上高約7.74億円、営業利益約2.60億円が必要です。これは下期売上が上期の約2.53倍になり、下期営業利益率が約33.6%になる計算です。高粗利のソフトウェアでは、売上が集中する時期に利益率が跳ね上がることはあり得ます。ただし、その前提となる案件計上や契約の積み上がりが必要です。

通期計画から逆算した項目筆者計算読み方
下期に必要な売上高約7.74億円上期の約2.53倍
下期に必要な営業利益約2.60億円上期の赤字も取り戻す必要
下期に必要な営業利益率約33.6%売上集中による採算改善が前提

この計算は、会社が下期だけの目標として別途発表した数字ではなく、通期予想から中間実績を引いたものです。期末に案件が集中する会社では、単純な進捗率だけで下方修正を予測できません。それでも、必要な売上と利益を数字にしておくと、次の決算が期待に届いたかを判断しやすくなります。

会社は決算説明資料で、成長投資の先行により3Qまでは営業赤字が続き、大型商談が偏る4Qの増収で通期黒字化を目指す計画を示しています。このため、3Qが赤字だったという事実だけを計画未達の兆候とみるのは適切ではありません。確認点は、3Qまでの継続収益の積み上がりと費用が想定に沿っているか、4Qに予定する商談の時期がずれていないかです。最後の四半期への集中が、会社の計画自体に含まれることを踏まえて判断します。(出典:2026年12月期中間決算説明資料、2026年8月13日時点)

HAIPとの共同事業は何を変えるのか

9月1日、同社と医療AIプラットフォーム技術研究組合(HAIP)は、秘密分散プロキシ技術を使うサイバーセキュリティ事業の開始を発表しました。技術は両者が共同開発したもので、事業は同日から共同で始めるとしています。複数の通信経路で分散片を送り、受信側で復元する技術です。PC内の保存だけでなく、施設間のデータ通信へ用途が広がる点に意味があります。(出典:HAIPとの共同事業に関する会社発表、2026年9月1日時点)

医療機関の情報連携は、情報を守るだけではなく、必要な相手が必要な時に使えることも求められる領域です。ここで実運用の経験が蓄積されれば、技術の信頼性を説明する材料や、その後の導入提案に使える事例につながる可能性があります。ただし、これは公表内容を踏まえた将来の可能性であり、売上の確約ではありません。

発表では、優先適用領域や利用場面の検討・実証も今後進めるとされています。事業開始という言葉を、すでに大規模な顧客契約が積み上がり、収益が急増する段階と読み替えることはできません。この発表だけで、具体的な契約単価や年間の利益寄与額を置く根拠は得られません。

投資上の節目は、共同開発や実証の進展から、導入主体、利用範囲、有償契約の継続性が確認できる段階へ進むことです。導入先の数が増えても、個別開発の負担が大きいままなら利益率は上がりにくくなります。共通部分を使い回せる製品として展開できるかが、成長率以上に企業価値を左右する可能性があります。

Macとストレージへの拡大はいつ収益になるのか

8月13日には、秘密分散ストレージとZENMU Virtual Drive for Macの開発開始が公表されました。Windows向けで培った技術を、保存先や端末の異なる環境へ広げる取り組みです。公表段階は開発開始であり、完成した新製品がすでに全面的に売上へ寄与しているという意味ではありません。(出典:新製品の開発開始に関する会社発表、2026年8月13日時点)

成長余地は二つに分けられます。一つは既存顧客への追加提案です。同じ企業の中にWindows、Mac、共有ストレージが混在する場合、保護対象を広げることで取引額が増える可能性があります。もう一つは、従来の製品では対応できなかった利用者への新規販売です。こちらは市場が広がる一方、新しい販売やサポート体制も求められます。

既存技術の横展開という説明だけで、開発費がほとんど不要と考えるのは危険です。異なるOSへの対応や、共有ストレージの利用権限、障害時の復旧など、現場で使うための検証項目は増えます。発売時期、対応範囲、導入しやすさ、利用後の問い合わせ対応まで含めて、製品化の完成度を評価する必要があります。

AIに関連する技術企業を分析する際も、試験導入から継続契約へ進む道筋が大切です。ABEJAの事業と収益化を扱う記事では、技術の有用性が企業の利益に変わるまでの確認点を比較できます。

競争相手は秘密分散企業だけではない

顧客がパソコンの情報保護を検討する場面では、ほかの選択肢もあります。既存の仮想デスクトップ(VDI)を使い続ける、端末の暗号化と管理を強化する、業務をクラウドへ移すといった方法です。ZenmuTechの技術と完全に同じ機能でなくても、同じ予算をめぐる代替案になります。以下は一般的な導入目的の比較で、各方式の優劣を一律に決めるものではありません。

比較対象顧客が重視する目的ZenmuTechが示す必要のある価値
仮想デスクトップなどデータや業務環境の集中管理端末の性能活用と運用負担の改善
暗号化・端末管理端末の保護と既存環境との統合分散管理による追加的な保護効果
クラウド中心の業務設計保存先・権限の集約ローカルや通信を含む保護対象への適合
他社による技術内製自社サービスへの最適化開発期間、品質、保守を含む外部採用の合理性

会社がVDIの置き換えと併用の両方を提案していることは、決算説明資料で確認できます。ただし、すべての顧客で費用が下がり、移行が簡単になると断定はできません。既存システムとの相性、管理者の経験、利用者数によって、最適な構成は変わります。(出典:2026年12月期中間決算説明資料、2026年8月13日時点)

技術の参入障壁を考える際は、特許の存在に加えて、実績、使いやすさ、販売パートナーの理解、運用支援が判断材料になります。優れた技術でも、顧客が使い始めるまでの負担が大きければ営業期間が長くなります。反対に導入後の満足度が高く、他部署へ自然に広がるなら、獲得費用を抑えながら成長できる可能性があります。

財務余力とキャッシュフローをどう読むか

中間期末の現金及び現金同等物は約8.61億円、自己資本比率は66.8%です。営業赤字だけを見て、直ちに資金が尽きる状況だと捉える必要はありません。ただし、現預金の増加をそのまま、現在の製品販売による高い現金創出力と評価することもできません。(出典:2026年12月期中間決算短信、2026年8月13日時点)

営業キャッシュフローは約0.77億円のプラスでしたが、売上債権の減少約3.01億円が大きく寄与しました。過去に計上した売上代金の回収が進んだことは好材料です。一方、同じ規模の回収効果が毎期繰り返されるとは限りません。損益、売掛金、契約負債(前受けした契約代金)を合わせると、売上計上と入金の時期の違いが見えてきます。

前受けした契約代金が売上へ振り替わる場合には、売上が計上されても、その時点で同額の新しい現金が入るわけではありません。継続契約が増える会社では、更新や新規契約による入金がどこまで続くかが確認点です。単一の四半期の現金増減より、複数期を通じた営業収入の厚みが重要です。

また、中間期末の発行済株式数は272万6,000株で、自己株式はありません。株式報酬や新株予約権の行使による株数の変化もあります。企業全体の価値が増えても、株数が増えれば1株当たりの取り分は変わります。そのため、目標株価の計算には最新株数を反映する必要があります。会社の配当予想は無配です。(出典:2026年12月期中間決算短信、2026年8月13日時点)

会社予想PER約24倍だけでは割安と決められない

9月4日終値2,696円を会社予想EPS(1株当たり利益)110.89円で割ると、PERは約24.3倍です。EPSは2026年4月1日の1対2の株式分割を反映しているため、分割前のEPSを現在株価と組み合わせないようにします。(出典:2026年12月期中間決算短信、2026年8月13日時点)

ここで注意したいのは、通期の純利益予想3.02億円が経常利益予想1.8億円を上回る点です。営業利益の成長率12.1%に対して、純利益の成長率は93.7%です。利益段階で伸び方が大きく違う以上、純利益の増加をそのまま本業の収益力の急拡大と捉えることはできません。

中間短信と決算説明資料には、この差の理由は書かれていません。なお、有価証券報告書によると、2025年12月末の税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額は約2.91億円です。(出典:有価証券報告書(第12期)、2026年3月27日時点)会社予想の差額を翌期以降も繰り返す利益として扱う根拠は十分ではありません。そのため、税金費用や特別損益の内訳を確認せずに、EPS110.89円へ高いPERを掛けて強気の価格を作る方法は採りません。会社予想EPSは参考指標として示し、目標株価では売上規模と市場評価の感応度を使います。

中間期末の株式数で概算した時価総額は約73.5億円、通期予想売上高10.8億円に対するPSR(株価売上高倍率)は約6.8倍です。これは企業価値を売上高で割るEV/Salesではなく、株式時価総額を売上高で割る指標です。売上の約6.8倍の評価を支えるには、契約が続くことと、その売上から将来利益を残せることの両方が必要になります。

目標株価は弱気1,174円・基本2,773円・強気4,292円

以下では「想定年商×想定PSR÷272万6,000株」で株価を試算します。株数は中間期末で固定し、その後の希薄化は含めません。PSR4倍・7倍・9倍は、同業平均として実証した適正倍率ではなく、成長と収益化への評価が変わる場合の筆者の仮定です。基本の7倍は、9月4日時点のPSR約6.8倍をほぼ維持する想定です。目標値は円単位で丸めています。

シナリオ想定年商想定PSR試算株価基準株価からの騰落率成立に必要な条件
弱気8.0億円4倍1,174円約−56.5%案件の遅延と費用先行で成長評価が縮小
基本10.8億円7倍2,773円約+2.9%会社売上計画を達成し、黒字化の確度が上昇
強気13.0億円9倍4,292円約+59.2%継続契約と新用途が成長し、高い評価も維持

基本ケースでは会社予想売上を使っても、基準株価からの余地は大きくありません。9月4日時点の株価には、すでに成長の期待が相応に含まれていたと読むべきです。強気ケースは、売上が会社予想を約20%上回るだけでなく、市場の評価倍率も高まる前提です。両方がそろう必要があり、単なる計画達成とは難易度が異なります。

答え合わせとして、9月18日終値の3,420円は基本ケースの2,773円を上回り、強気ケースの4,292円との間にあります(株探、2026年9月18日時点)。下期の決算はまだ出ていないため、株価が業績より先に強気寄りの評価へ動いた段階です。

PSRは赤字企業の比較にも使えますが、赤字が続く事実を消す指標ではありません。売上が増えても開発費や営業費用が同じ割合で増え続けるなら、高い倍率の維持は難しくなります。弱気ケースを大きく取ったのは、業績見通しの低下と評価倍率の縮小が同時に起こり得るためです。各ケースに実現確率を付けた予測ではありません。

チャートは上向きだが、9月4日の上ヒゲに注意

9月4日は終値2,696円、高値2,988円、安値2,494円、出来高209万4,000株でした。直近25営業日の終値から計算した単純移動平均(一定期間の終値の平均)は、5日線2,403円、25日線約2,144円です。株価は両線を上回り、短期の勢いは強い状態です。株価・出来高の時系列

ただし、25日線との乖離(株価が移動平均からどれだけ離れているか)は約25.7%あります。好材料に反応した上昇がすでに進んでおり、ニュースを見てから買えば必ず有利という位置ではありません。高値2,988円から終値まで押し戻された上ヒゲは、上値で利益確定の売りも出たことを示唆します。出来高が大きいことだけで、その売買を長期投資家の買い集めと断定することはできません。

短期では、2,988円付近の高値を再び試すか、2,494円付近や5日線の近辺で売りが落ち着くかを観察する方法があります。これらは過去の価格から置いた確認水準で、将来の支持線として保証されるものではありません。急変時には価格を飛ばして動くこともあるため、指値や逆指値が想定どおりの価格で約定するとは限りません。

答え合わせ(株探、2026年9月18日時点)では、9月7日に一時3,090円と2,988円を上回ったものの、終値は2,620円でした。9月8日は安値2,375円・終値2,390円で、2,494円と5日線をともに下回りました。その後は急反発し、9月11日の終値3,255円で2,988円を終値でも上回りました。9月18日の終値は3,420円です。

中期の投資理由が下期の収益化であれば、数日のチャート改善だけで結論を出す必要はありません。一方、短期売買が目的なら、会社の将来性を理由に損失を長期保有へすり替えないことが大切です。業績を確認する時間軸と、価格変動を取る時間軸を事前に分けておく必要があります。

まとめ:期待は大きいが、株価を支えるのは下期の収益化

ZenmuTechの魅力は、秘密分散技術をPC内の保護から他社製品への組み込み、通信、保存先の拡大へ展開できる可能性です。HAIPとの共同事業や新製品開発は、その用途を広げる材料になります。ただし、商用化の進展と収益の積み上がりは、段階を分けて確認する必要があります。

私は、HAIPの発表後の値動きよりも、下期の決算で契約がどれだけ売上に変わったかを判断の軸に置きます。株価が先に動いた分だけ、その確認の重みは増しています。

現在の課題は、中間期の赤字を取り戻しながら、下期に約7.74億円の売上と約2.60億円の営業利益を確保することです。株価は基本ケースの試算をすでに上回っており、下期の実績で強気ケースの条件を確かめられるかが焦点です。次の決算で優先して確認する項目は、ストック収益、案件計上、販管費の増加率、営業黒字化の進み方です。

企業向けソフトウェアが顧客の業務へ定着する過程を比較するなら、オプティムの事業分析も参考になります。 口座選びを見直す方は、日本株・米国株・NISAの証券サービス比較ガイド(広告を含みます)で、取扱商品とコストの違いをご確認ください。

⚠ 免責事項・データの時点

本記事は公開情報をもとにした情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買や投資を推奨するものではありません。記載した株価・指標等は執筆時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。適正株価や目標株価に類する記述は一定の前提に基づく参考値であり、将来の株価を保証するものではありません。投資の最終判断は、ご自身の責任において行ってください。

この記事は2026年9月5日までの公表情報を使い、株価は2026年9月4日終値2,696円を基準にしています。目標株価は今後6~12カ月を考えるための筆者の条件付き試算です。会社が示した目標や、到達を約束する価格ではありません。本文の公表値は各一次資料(2026年8月13日公表の中間決算短信・決算説明資料、会社発表)により、表示単位に合わせて丸めています。比率・移動平均・シナリオは筆者計算です。答え合わせの株価は2026年9月18日時点(株探・Yahoo!ファイナンス)です。実際の判断には、基準日後の開示、株数の変化、最新株価を反映してください。

2026年9月24日:冒頭の構成、出典の日付、答え合わせ(2026年9月18日時点)を追記し、文章を改訂。業績・株価試算の数値は変更していません。

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