RSIとは?30を割っても株価が下がる理由と、70・50・30の正しい読み方

RSI――30でも下がる理由。計算・相場・売買の条件。AI制作の説明用人物イメージ

RSIは、日本語で「相対力指数」と呼ばれます。「相対」と聞くと、市場全体やほかの銘柄と比べた強さを思い浮かべるかもしれません。実際に比べている相手は、その銘柄自身の過去の値動きです。名前から受ける印象と計算の中身の違いが、読み違いの出発点になります。

「RSIが30を割ったから、そろそろ底だろう」と買ったのに、株価はさらに下がります。反対に、RSIが70を超えたので売った銘柄が、その後も上がり続けることがあります。これは必ずしも指標の故障ではありません。RSIが示すのは、過去の上昇幅と下落幅のバランスであって、将来の反転時刻ではないからです。

RSIを役立てるには、30・70という数字の暗記から一歩進み、計算の仕組み、株価の流れ、どの時間軸で判断するかを一緒に確認する必要があります。同じRSI30でも、横ばいの下限に近い銘柄と、悪材料で安値を更新している銘柄では、検討すべきことが違います。

図と売買例はすべて説明用の架空例です。特定の手法の勝率や利益を示すものではありません。公式資料の参照日は2026年9月19日です。

この記事で押さえること

  • RSI30は「反発確率70%」でも「株価が30%割安」でもありません。
  • Wilder方式では、直近14本より前の値動きも平滑平均に残ります。
  • 70超・30未満は、反転候補にもトレンドの強さの表れにもなります。
  • 購入条件を増やす前に、撤退する価格と取引しない条件を決めます。
目次

1.RSIとは?「強さ」の比較相手は自分自身

RSIはRelative Strength Indexの略で、日本語では相対力指数と呼ばれます。J. Welles Wilder Jr.氏が1978年の著書『New Concepts in Technical Trading Systems』で紹介した指標です。一般には終値の変化を使い、値上がり幅と値下がり幅を平滑化して、0から100の範囲に表します。考案者と基本仕様はTradingViewのRSI公式解説で確認できます。

ここでいう「相対」は、通常のRSIでは、その銘柄自身の上昇と下落を比べるという意味です。TOPIXより強いか、同業他社を上回ったかを直接測っているわけではありません。市場指数との価格比や、複数銘柄の騰落率を順位付けする相対強度とは区別します。

たとえば、二つの銘柄のRSIがともに60でも、片方は市場全体より弱いかもしれません。また、値動きが小さな銘柄も、大きく上下する銘柄も、上昇幅と下落幅の比率が同じなら同じRSIになります。RSIだけでは、値幅の大きさ、企業の割安さ、売買のしやすさまでは判断できません。

確認したいことRSI単独での扱い追加する情報
上昇幅と下落幅の偏り平滑化した比率を確認できる期間・計算方式
明日の反発確率直接は示さない明確なルールと実証検証
株価の割安さ評価していない利益・資産・事業の分析
値幅リスク・売買のしやすさRSIの高さだけでは不明価格変動・出来高・板
市場より強いか通常のRSIの比較対象ではない指数との騰落率や価格比

2.計算式――「上がった日だけの平均」ではありません

まず、今日の終値から前の足の終値を引きます。この変化を、上昇分Uと下落分Dに分けます。前日比がプラスならUにその値を入れ、Dは0です。マイナスならUは0、Dに下落幅の絶対値を入れます。変化が0なら両方0です。下落分にマイナスの符号を残さないことがポイントです。

終値基準・期間nのWilder方式

変化 Δ=今回の終値-前の終値
U=max(Δ, 0)
D=max(-Δ, 0)
G=UのWilder平滑平均、L=DのWilder平滑平均
RS=G÷L
RSI=100-100÷(1+RS)

G+Lが正なら、同じ式を RSI=100×G÷(G+L) と書けます。

初回のGは最初のn個のUを足してnで割り、Lも最初のn個のDを足してnで割ります。上昇した日が5日でも、期間が14なら分母は14です。上昇がなかった日を除いて5で割る計算とは異なります。14個の変化を得るには、起点を含めて15個の終値が必要です。

その後は、G=(前回G×(n-1)+今回U)÷n、L=(前回L×(n-1)+今回D)÷nとして更新します。この初期化と更新方法は、チャート提供会社StockChartsの計算仕様に示されています。

Wilder方式の新しい値への重みは1÷nです。よく使われるEMAの重み2÷(n+1)とは違います。また、毎回直近n本を単純に足し直すRSIとも一致しません。「期間14」と表示されていても、平滑化方式と初期化が異なれば数値は変わります。

3.手計算で理解する――RSI62.5は何を意味する?

仕組みを追いやすくするため、ここだけ期間を5にします。架空の終値を100円、110円、105円、105円、120円、110円とすると、変化は+10円、-5円、0円、+15円、-10円です。上昇分の合計は25円、下落分の合計は15円になります。

終値変化を上昇分と下落分に分ける架空の5期間計算例
図1|初回の計算例。上昇した回数ではなく、上昇幅・下落幅をそれぞれ期間数で割ります。 画像をタップすると拡大できます。

初回G=25÷5=5、L=15÷5=3なので、RSI=100×5÷(5+3)=62.5です。5回の変化のうち上昇したのは2回ですが、RSIは40ではありません。上昇・下落の回数だけでなく、それぞれの値幅を使っているためです。

順番終値(円)変化(円)上昇分U下落分D
起点100―――
1110+10100
2105-505
3105000
4120+15150
5110-10010
計算――合計25 ÷ 5=5合計15 ÷ 5=3

次の終値が115円なら、今回Uは5、Dは0です。G=(5×4+5)÷5=5、L=(3×4+0)÷5=2.4となり、RSIは約67.57になります。さらに翌日も終値115円なら、Gは4、Lは1.92へ小さくなりますが、比率は変わらず、RSIも約67.57のままです。

つまり、Wilder方式では株価が横ばいになっただけで、RSIが自動的に50へ戻るわけではありません。上昇分と下落分が同じ比率で減衰するためです。これは上の更新式から計算できる性質です。実際の画面では丸め方やデータ処理も影響するため、端数まで一致するとは限りません。

例外も押さえます。Gが正でLが0ならRSIは100、Gが0でLが正なら0です。両方0の場合は、比率だけでは値を定義できません。横ばいから始まる銘柄などで0・50・欠損のどれを返すかは実装を確認します。また、一度下落分が平滑平均に入った後は、14本連続上昇したという理由だけで必ず厳密な100になるわけではありません。

4.70・50・30を「確率」ではなくバランスとして読む

計算式を変形すると、RSI50ではGとLが同じ、70ではGがLの約2.33倍、30ではGがLの約0.43倍になります。70だから明日下がる確率が70%、30だから上昇余地が70%という意味ではありません。

よく使われる70超を「買われすぎ」、30未満を「売られすぎ」とする表現は、売買を考える際の慣用的な目安です。企業価値を評価しているわけではないので、買われすぎでも好決算を受けて上昇が続くことがあります。売られすぎでも、収益見通しが悪化していれば下落が続く可能性があります。

50は、平滑化した上昇幅と下落幅が拮抗する位置として使えます。ただし、RSI50だけで「株価が横ばい」「トレンドがない」と断定しません。値動きの順序、直前の急変、長期の方向は一つの比率だけでは分からないからです。50を上回る時間が増えたか、下回った後に戻れないかという推移と、価格の高値・安値を併せて観察します。

5.なぜ30未満でも下がる?相場を三つに分ける

下落が続くと、下落幅の平滑平均Lが上昇幅Gに対して大きい状態になります。この状況をRSIは低い数値で示します。株価が下がるほど指標が低くなることは、計算の自然な結果です。指標が低いという情報だけでは、売り圧力が終わったという新しい情報は得られません。

同じことが上昇にも当てはまります。継続的な買いによって上昇分が優勢なら、RSIは高いまま推移できます。Fidelityの公式解説も、強いトレンドでは買われすぎ・売られすぎの状態が長く続き得ると説明しています。

独立した上昇、横ばい、下落の架空価格とWilder方式RSI14の比較
図2|各段は独立した架空データです。上がり続ける70超、下がり続ける30未満も計算上生じます。 画像をタップすると拡大できます。

図の上段では、RSIが70を超える場面があっても、その後の株価は上昇基調です。下段では30を割る場面があっても、下落が続きます。中段は往復運動の架空例で、上昇・下落の偏りが交互に変わります。いずれも、実データを都合よく選んだ成功例ではなく、計算上起こり得る形を確認するための例です。

環境注目する場面早合点しやすい判断併せて確認すること
上昇基調高いRSIの継続、押しからの回復70超だけで天井扱い安値切り上げ、線の傾き
下落基調低いRSIの継続、戻りの弱さ30未満だけで底扱い安値更新、支持帯の破れ
横ばい上下限付近での偏りの変化従来の帯が必ず続くと考えるレンジ突破、材料、注文価格
環境不明条件が定義できるまで観察都合よく相場区分を変更取引しない選択

実務では、まず価格の安値・高値が切り上がっているか、切り下がっているか、一定の帯で往復しているかを確認します。境界が曖昧なときは無理に分類せず、「環境不明」と記録して見送る選択ができます。後から上昇したチャートだけを見て、当時も明白な上昇相場だったと扱わないことが大切です。

6.レンジシフト――30を待っても来ない相場がある

RSIの動く範囲自体が上や下へ偏る現象を、ここではレンジシフトとして捉えます。上昇局面で押し目のRSIが40~50付近までしか下がらず、そこから持ち直すことがあります。このとき、30を割るまで買い候補にしない条件では、そもそも取引の出番が少なくなります。

Fidelityは上昇局面の目安を40~90、下落局面を10~60とし、上昇時の40~50、下落時の50~60を注目帯として説明しています。同時に、設定やトレンドの強さによって範囲が変わるとしています。出典の相場別レンジの説明は、すべての日本株に当てはまる統計的法則や、その帯で反転する保証ではありません。

活用するなら、たとえば「直近数回の押し目でRSI40前後を維持し、株価の安値も切り上がっている」という二つの観察を組にします。反対に、以前は40で反発していたRSIが30を割り、価格も支持帯を割ったなら、元の相場認識を見直す材料になります。数字を事後的に40から30へ動かして保有を正当化しないようにします。

7.期間は7・14・28のどれがよい?

TradingViewの標準RSIは14本、計算元は終値が初期設定です。ただし、14という数字は最適な利益を保証する値ではありません。比較を始める際の共通の基準として使い、保有期間、判断頻度、検証する市場に合わせて考えます。

同一の架空価格に対する7期間、14期間、28期間のWilder方式RSI
図3|設定比較。計算元の価格と方式は共通で、期間だけを変えています。 画像をタップすると拡大できます。

図は同じ架空の終値で期間だけを変えたものです。期間を短くすると新しい値動きの重みが増え、反応が速くなりやすくなります。長くすると変化は滑らかになる傾向がありますが、転換を判断するまでに時間がかかる可能性があります。速さと収益性は同じではなく、短い設定では費用を伴う売買を増やす場合があります。

短い設定を選ぶ前に、その理由が値動きへの焦りだけになっていないかを確かめる必要があります。

また、日足14と5分足14は観察対象が違います。日足は14取引日の変化を初期計算に使い、5分足は14本の5分足を使います。Wilder方式ではそれ以前の履歴も減衰しながら残るため、「直近70分の情報しか見ていない」と厳密に言い切ることもできません。

最初は一つの時間軸と設定に固定し、変更理由を記録する方が比較しやすくなります。含み損になった後だけ日足から週足へ変えて安心材料を探すと、購入時の根拠と撤退基準がずれます。足の役割の分け方はマルチタイムフレーム分析の記事で整理しています。

8.組み合わせるなら「方向・場所・勢い」を分ける

RSIと別の指標を並べる目的は、賛成票を増やすことではありません。それぞれに違う質問を担当させると、何が不足しているかが明確になります。例として、移動平均線は方向、支持線・抵抗線は価格の場所、RSIは上昇・下落の勢いの変化に使います。

材料主な質問気をつけること
移動平均線・高値安値価格の方向はどちらか並びだけで傾きを省略しない
支持線・抵抗線どこで仮説が崩れるか後から線を引き直さない
RSI上昇・下落の勢いの偏りは変わったか30・70を自動注文にしない
出来高・売買代金・板参加と約定のしやすさはどうか出来高増を買い優勢と即断しない
開示・決算予定価格が飛ぶ材料はあるかチャートだけで窓開けを無視しない

上昇する移動平均線の上で株価が押し、過去の支持帯付近でRSIが持ち直す、という組み合わせなら、「上昇基調の中の調整が一巡した可能性」を検討できます。ただし、支持帯が実際に機能したことや、翌日の約定価格まで保証されるわけではありません。価格の移動平均線の傾きと位置、支持線・抵抗線の否定条件も別々に確認します。

短期・中期・長期の移動平均線が上から順に並ぶパーフェクトオーダーを使う場合も、並びだけでなく各線の傾きと足の確定を確認します。上昇の並びが完成した時点で株価が既に大きく離れていれば、RSIの高さは追い掛け買いの値幅リスクを考える材料になります。押しを待つのか、買い条件を満たしても見送るのかを先に決めます。

RSIとMACDが同時に上を向いても、両方とも主に同じ価格情報から計算されます。独立した二つの証拠がそろったから勝率が倍になる、とは言えません。MACDの仕組みも理解し、役割が重複するなら指標を減らす方が判断を追いやすくなります。

9.買い時・売り時を考える二つのルール例

以下は、条件を曖昧にしないための未検証のルール候補です。有効性を確認した推奨手法ではありません。「RSIが低い」という感想を、後から同じ手順で確認できる条件へ変える例として読んでください。

候補A:横ばい相場の下限で、売られすぎからの復帰を待つ

事前に上限・下限の価格帯を記録し、下降する長期線の下で安値更新を続ける銘柄は対象から外す、と環境を限定します。価格が下限帯に来て、確定日足のRSIが30未満から30以上へ戻り、終値も支持帯内へ戻った場合に、翌日の注文を検討する条件です。

注文には上限価格を設け、翌朝大きく窓を開けて上がったら見送ります。撤退はRSIが再び下がるのを待つだけでなく、支持帯を否定する価格を先に設定します。利確候補はレンジ中央や上限など、購入前に決めた価格帯です。上限までの距離が損切り幅に比べて小さければ、条件が点灯しても取引しない判断ができます。

候補B:上昇基調の押し目で、50付近への回復を見る

価格が上向きの中期線より上にあり、直近の安値切り上げを保っていることを前提にします。調整中にRSIが40~50付近へ下がった後、確定足で50を上回り、価格も事前に決めた小さな戻り高値を超えた場合を候補にします。RSI30まで下がることを必須にしない設計です。

その代わり、安値切り上げが崩れた場合や中期線が下向きになった場合は、押し目という仮説を再検討します。利確はRSI70に達した瞬間だけで決めず、目標価格、直近安値に基づく追随型の撤退、保有期限などから事前に選びます。複数の出口を混ぜる場合も優先順を決め、都合よく切り替えないようにします。

どちらの候補にも「条件がそろった足の終値で必ず買えた」とする問題があります。終値確定後に判断するなら、基本的にはその後に発注できる価格で検証します。場中のRSIを使う設計なら、終値だけの過去データとは別の記録が必要です。

10.RSIでは決められない損切り幅と株数

買いの候補が見つかっても、購入数量はRSIの低さから決めません。RSI20だからRSI30のときの倍を買う、といった数量の増加には別途根拠が必要です。まず、仮説を否定する価格まで下がった場合に、いくら失う設計かを計算します。

100株単位を想定した架空の計算例

購入予定:2,020円/撤退候補:1,980円
価格差:40円/往復費用・滑りの仮置き:1株5円
1株当たりの計画リスク:45円
この取引の損失予算:10,000円
数量候補=10,000÷45を100株単位に切り下げ=200株
計画上の損失額:45円×200株=9,000円
必要な購入代金:2,020円×200株=404,000円

5円は計算用の仮定で、実際の費用見積もりではありません。予算10,000円も万人向けの推奨額ではなく、資金と許容できる損失に応じて決める項目です。数量は損失予算だけでなく、保有資金、他の保有銘柄との偏り、出来高に対して大きすぎないかでも制限します。

逆指値を置いても1,980円で必ず売れるわけではありません。決算や急な悪材料で1,900円に飛んだ場合、200株の価格差損失だけで24,000円になり、仮置きの費用を加える前に予算を超えます。損失予算は保証額ではありません。決算をまたがない、数量を減らす、板が薄い銘柄を避けるなど、価格以外の見送り条件も必要です。

RSIが反発しても、想定した日数以内に価格が上へ進まなければ撤退する、という時間条件も候補です。何日がよいかは保有目的と検証に依存します。購入後に期限を際限なく延ばすより、仮説がいつまで有効かを先に書いておく方が振り返れます。

11.同じRSI14なのに画面の数字が違う理由

複数のアプリで数値がずれたら、まず終値か別の価格か、Wilder方式か単純平均か、日足か分足かを照合します。日足なら市場と取引セッション、分足なら足の区切りも確認します。RSIに追加した平均線の数値を、RSI本体と取り違えていないかも見ます。

初期値を置いた場所も影響します。Wilder方式は以前の平滑平均を引き継ぐため、表示直前の15本だけから計算した結果と、長い履歴から計算した結果は一致しないことがあります。株式分割の前後を未調整価格でつなぐと、経済的な大幅下落がなくても巨大な下落として計算されかねません。配当調整の有無も含め、比較するデータの条件をそろえます。

場中の現在値を使った日足RSIは、終値が確定するまで変化します。一時的に30を超えた画像と、引け後のRSIを混ぜて成功率を集計すると、取引時点に存在した条件を再現できません。「確定足の条件」なのか「場中に一度触れた条件」なのかを、アラート設定から記録まで統一します。

12.検証では「最強の設定」より、条件を変えても壊れないかを見る

期間、30・70の境界、移動平均線、利確・損切りを大量に試せば、過去データに偶然うまく合う組み合わせを見つけやすくなります。これは将来も同じように機能する証拠ではありません。最新という名前の派生指標や複雑な設定でも、検証が不要になるわけではありません。

まずルールを作る期間と、変更せず試す期間を分けます。次に、当時存在した銘柄群を対象にし、今生き残っている好調な銘柄だけに限定しないようにします。注文価格、手数料、スプレッド、滑り、売買停止や約定できない場面を扱い、将来の終値や後から確定した高値・安値を先に使わないことも重要です。これらの検証上の論点はTradingViewのストラテジー公式資料にも整理されています。

比較は勝率だけで終えません。平均利益と平均損失、最大の資産下落、連敗、取引回数、資金が拘束される期間、費用控除後の成績を確認します。たとえば勝率が高くても、ときどき発生する大損で利益が失われる設計かもしれません。本記事の図からこれらの成績を推定することはできません。

過去検証後は、条件と判定時刻を固定して、これから発生するシグナルを記録します。実売買を伴わない観察でも、価格が飛んで買えなかった事例、想定より早く条件が消えた事例、見送った理由を残せます。良い結果の取引だけを後から集めず、不成立の候補も含めることで運用上の難しさが分かります。

13.よくある疑問――ダイバージェンスは買いサイン?

価格が安値を更新したのにRSIの安値が切り上がるなど、価格と指標の動きが逆行する形をダイバージェンスと呼びます。下落の勢いが弱まった可能性を考える材料になりますが、勢いの低下と上昇への転換は同じではありません。安値を更新し続ける中で、逆行が繰り返し現れることもあります。

RSI自体の山・谷の突破を使うフェイラースイングも、単なる30復帰とは条件が異なります。本記事では基本計算と相場別の読み方に範囲を絞ります。名前だけ似たシグナルを一括して成功・失敗と数えず、比較する山・谷と、何本後に確定したと扱うかを別途定義する必要があります。

「RSIが0に近い銘柄だけ探せばよいですか」という疑問にも注意が必要です。売買が少なく価格更新が偏る銘柄、特別な材料で急落している銘柄などが混ざる可能性があります。低い数値は安さの証明ではありません。取引可能性、開示情報、価格の構造を確認してから候補にします。

14.売買前に、この七つを確認する

  1. 計算:Wilder方式か、期間と計算元は何か。
  2. 確定:終値確定後の数値か、形成中の数値か。
  3. 環境:上昇・下落・横ばい・不明のどれか。
  4. 場所:価格は支持帯・抵抗帯からどれほど離れているか。
  5. 注文:条件成立後、いくらまでなら注文するか。
  6. 撤退と数量:仮説を否定する価格、期限、株数、窓開け時の損失を考えたか。
  7. 見送り:決算、流動性、過大な値幅、条件の曖昧さを除外したか。

RSIを読むときは、数字の横に「なぜ今この値なのか」を一行で添えてみてください。「RSI28なので買い」から、「下落基調でRSI28。価格の支持確認がなく見送り」へ変えるだけでも、指標の観察と注文の判断を分けられます。

RSIの数字の横に、理由を一行書き添える方法があります。低いから買うのではなく、なぜ低いのか、価格に何が起きているのかを言葉にしておくためです。

出典・制作方針

基本仕様はTradingView、初期化と平滑計算はStockCharts、相場別の解釈はFidelityの公式資料を本文の対応箇所に示しました。数式から導く説明、計算例、図、売買ルール候補は当ブログで作成しています。図の価格は架空で、投資成果を証明するものではありません。参照日:2026年9月19日。アイキャッチの人物はAIで制作した説明用イメージで、筆者や実在の投資家を示しません。

本記事は一般的な学習・情報提供を目的としており、特定銘柄や売買を推奨するものではありません。将来の価格変動や利益を保証せず、損失が発生する場合があります。投資判断は、ご自身の資金状況とリスクを確認したうえで行ってください。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。記載の数値は、本文中に示した日付時点の決算短信・会社のIR資料などの公開情報に基づきます。最新の情報は各社の開示でご確認ください。

RSI――30でも下がる理由。計算・相場・売買の条件。AI制作の説明用人物イメージ

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