電力と投資の総合連載|第5回
核融合のニュースで伝えられる「成功」は、発電までのどの工程を達成したのでしょうか。実験の成果と、電力を安定供給する事業の完成には距離があります。投資の論点は、発電所が完成する時期と、その途中で生まれる仕事の両方にあります。
株式投資では、もう一つ重要な問いがあります。商用の核融合発電所がまだ普及していなくても、関連する機器・材料企業には売上が生まれるのでしょうか。答えを探るには、発電事業が成立する時期と、その前に研究・実証設備をつくる時期を分ける必要があります。自分の売買は短めのスイングが中心なので、遠い技術の目標と今起きている商売を分けて知りたいと思いました。
本記事は電力連載の第5回として、核融合の仕組み、商用化への課題、ロードマップ、関連銘柄を総合的に検討します。対象は三菱重工業(7011)、フジクラ(5803)、古河電工(5801)、浜松ホトニクス(6965)です。未上場の開発企業は、上場銘柄と混同せず技術・顧客・協業関係の説明に登場させます。
現段階での投資仮説は、核融合による電力販売だけに限りません。発電実証に必要な線材、マグネット、耐熱部品、レーザー、熱・燃料循環の設備には、それより前の需要があります。ただし、研究需要が大きな連結利益へ育つかは別の検証が必要です。
1.核融合と核分裂は、どこが違うのか
現在の原子力発電で使われる核分裂は、重い原子核を分裂させてエネルギーを取り出します。核融合は、軽い原子核を融合させる反応です。どちらも原子核に関わる反応ですが、燃料、反応を維持する条件、装置、安全対策は同じではありません。
核融合では、原子核同士を近づけるために非常に高い温度などの条件が必要です。高温になったプラズマを維持し、十分な反応を起こすことが最初の大きな課題になります。磁場で閉じ込める方法や、レーザーなどで燃料を急激に圧縮する方法があります。[1]
よく検討される燃料の組み合わせが、重水素と三重水素(トリチウム)です。反応で生じたエネルギーを熱として回収し、発電設備へ渡す設計が中心的な選択肢になります。ただし、全ての核融合方式が同じ燃料や発電経路を採用するわけではありません。
ここで「海水がそのまま燃料になる」という説明は不十分です。重水素の資源と、トリチウムの確保は違う課題です。トリチウムは自然界で大量に容易に得られる燃料ではなく、将来の発電所ではリチウムを利用した増殖と回収・再利用が重要になります。[1]
核融合には、核分裂炉と同じ形の連鎖反応を維持する仕組みはありません。一方、トリチウムの管理、中性子による材料の放射化、設備の熱と放射線への対応は必要です。「核分裂と違う」ことを「放射性物質も廃棄物も管理も不要」と置き換えることはできません。
2.核融合から電気を売るまでには、複数の工程がある
反応を起こせば、そのままコンセントから電気が取り出せるわけではありません。代表的な熱利用型の構想では、反応のエネルギーを受け止め、熱を運び、発電機を動かします。同時に、燃料を供給し、使われなかった燃料を回収し、装置を冷却・制御します。
| 部分 | 主な仕事 | 技術上の課題 |
|---|---|---|
| プラズマ・燃料 | 核融合反応を起こして維持する | 温度、密度、閉じ込め、安定性 |
| マグネット・加熱装置 | 閉じ込めや加熱を行う | 強い磁場、効率、制御、耐久性 |
| ブランケット等 | エネルギー回収、燃料増殖など | 中性子、材料、熱輸送、燃料回収 |
| ダイバータ等 | 熱・粒子を排出する | 極めて大きな熱負荷、寿命 |
| 発電・補機 | 熱を電気へ変え施設を動かす | 正味出力、保守、連続運転 |
方式により構成は異なります。上表は代表的な磁場閉じ込め・熱利用型の要素を整理したものです。
機器の一つが高性能でも、全体が長時間動かなければ商用発電にはなりません。強い磁場をつくれても冷却電力が大きい、反応は良好でも熱を受ける部品が頻繁に壊れる、燃料を十分回収できない、といった課題が残り得ます。
投資家にとっては、これらの課題が機器・材料の需要を生む一方、開発期間を延ばす要因にもなる点が重要です。難しい技術を持つ企業だから必ず高利益になるとは限りません。顧客が必要とする性能を、納期と価格を守って供給できるかまで確認します。

3.「エネルギーが増えた」と「発電できた」を分ける
核融合ニュースで最も注意したいのが、入力と出力をどこで測っているかです。燃料へ届いたエネルギー、プラズマへ入れた加熱エネルギー、施設全体が使った電気は違います。
米国LLNLはNIFで、標的へ入射したレーザーエネルギーを上回る核融合エネルギーを得た実験成果を公表しています。[2] これは重要な研究成果です。しかし、レーザーを動かすための電力、冷却、制御などを全て差し引いて電力を外へ売れた、という意味ではありません。
| 表現 | 何を比較するか | そこから直ちに言えないこと |
|---|---|---|
| 標的のエネルギー利得 | 標的へ届いたエネルギーと反応出力 | 施設全体の電力収支が黒字 |
| プラズマの利得 | プラズマ加熱と核融合出力 | 発電所が外部へ送電できる |
| 正味の発電出力 | 発電量から施設内消費を差し引く | 長期に安定・低コスト運転できる |
| 商用発電 | 電力を契約条件で継続供給する | 全ての立地や方式で同じ採算 |
仮に熱として大きな出力を得ても、電気への変換には損失があります。発電所内の加熱、ポンプ、冷凍設備、燃料処理にも電気が必要です。最終的に顧客へ届ける正味出力を評価しなければ、電力供給としての規模は判断できません。
さらに、単発で得た高出力を何度も再現できるか、機器がどれほど持つか、停止時間はどれほどか、という問題があります。実験の最高値を年間の販売電力量へ直接換算することはできません。核融合銘柄を読む際は、成功の範囲を先に確認することが基本です。
4.トカマク、ヘリカル、レーザー:勝ち筋は一つではない
磁場閉じ込めでは、磁場の形やプラズマ電流の扱いによって装置の特徴が変わります。トカマクは代表的な方式で、高温プラズマの閉じ込めを追求します。ヘリカル・ステラレーター系は複雑な外部磁場を使い、異なる設計上の利点と課題を持ちます。
レーザーによる慣性閉じ込めでは、小さな燃料を短時間に圧縮・加熱します。発電へ進むには、強いレーザーを効率よく繰り返し動かし、燃料を供給して正確に照射し、熱を回収する必要があります。[3]
| 方式・領域 | 注目技術 | 企業の機会 | 主な検証課題 |
|---|---|---|---|
| 高磁場の磁場閉じ込め | 高温超電導線材・マグネット | フジクラ、古河電工など | 高磁場での性能、量産、接続、耐久性 |
| 大型実験炉の機器 | 耐熱部品・精密製造 | 三菱重工など | 品質認定、製作、納期、熱負荷 |
| レーザー方式 | 光源・増幅・照射・計測 | 浜松ホトニクスなど | 効率、繰り返し、照射精度、寿命 |
| 発電・燃料循環 | 熱輸送・回収・燃料処理 | 専門開発企業と機器供給網 | 全体の統合運転と採算 |
全方式で同じ部品が使われるわけではありません。ある方式が進展しても、全ての「核融合関連株」が同じ恩恵を受けるとは限りません。どの方式の、どの顧客に、何を供給しているかを特定する必要があります。どの方式が進むかで会社の出番も変わるなら、関連というラベルより供給するものを知る方が大事に思えます。
また、線材やレーザーは核融合以外にも用途があります。核融合の期待で株価が動いても、足元の業績は別の市場に左右される場合があります。テーマと実際の利益構成を分けて分析します。
5.三菱重工:実験炉向け受注という具体的な根拠
三菱重工は2025年9月18日、ITER向けダイバータの外側垂直ターゲット20基を量子科学技術研究開発機構から追加受注したと発表しました。[4] これは核融合との関係を示す具体的な機器受注です。
ダイバータは、熱と粒子の排出に関わる重要な部位です。高い熱負荷へ耐える材料と接合、精密な製作、品質確認が必要になります。受注実績があることは、単に将来参入したいと表明する段階とは異なります。
筆者の投資仮説は、難度の高い機器で得た製造経験が、追加受注や将来の装置供給に生きることです。一方、実験炉の受注額と、商用発電所が多数建つ市場規模は同じではありません。今回の発表で確認できない契約利益率や全社EPSへの寄与を、任意に設定することはしません。この経験が別の仕事にも選ばれる理由になるか。そこまで見えると、技術への期待と商売の期待がつながりそうです。
三菱重工は幅広い事業を持ちます。核融合部品の受注があっても、連結の利益成長を説明するには、他事業も含めた規模を考える必要があります。小さな成長分野を、全社の主力利益と同じ重さで評価すると過大な期待になります。
反証条件は、工程の遅延、品質対応による追加費用、次の受注の停滞、開発予算の変更です。特殊機器は参入障壁がある一方、量産品と違って仕様変更や検証負担が大きくなる場合があります。受注の存在から、すぐ高利益と結論づけないことが大切です。
6.フジクラ:超電導線材の増産は、発電より前に動く
フジクラは2026年2月9日、高温超電導線材の増産に向けた56億円の追加設備投資を公表しました。既存の拡張計画に追加する投資であり、需要を見込んで供給能力を増やす段階にあります。[5]
「高温超電導」の高温は、従来の超電導材料との比較です。常温で冷却なしに運転するという意味ではありません。線材を使うマグネットの性能は、温度、磁場、流せる電流、機械的な力、接続などの条件で評価します。
同社は2025年9月のCFSへの出資発表で、同社向けの高温超電導線材の納入にも言及しています。[6] 出資関係だけでなく供給実績の説明がある点は重要です。ただし、出資額や持分の経済価値と、製品を売って得る利益は分けます。
フジクラの上昇仮説は、研究炉・実証炉向け需要が拡大し、長尺で高品質な線材を安定生産する能力が収益につながることです。高磁場化や装置の開発が進めば材料の需要機会がありますが、採用仕様が変わる可能性も残ります。
| 確認する材料 | EPSにつながる条件 |
|---|---|
| 増産設備の完成 | 顧客需要に合うタイミングで稼働する |
| 生産能力 | 良品率と歩留まりを伴う実出荷が増える |
| 供給契約 | 単発納入から継続発注へ進む |
| 売価と費用 | 設備・材料・品質保証の負担を吸収する |
設備投資が発表されたことだけで売上や利益が確定するわけではありません。反証は、顧客の資金調達難、装置開発の延期、増産後の稼働率不足、競争激化です。また、フジクラ全体を評価する際には、情報通信など他事業の業績と現在の株価に織り込まれた期待も確認します。
7.古河電工:供給技術と協業を、確定受注から区別する
古河電工は低温・高温の超電導技術を扱い、核融合実験炉向け線材の開発・製造実績を説明しています。[7] 高温超電導では、米国子会社SuperPowerも関わっています。
2026年6月15日には、トカマクエナジーと英国における高温超電導線材の能力向上の可能性を探る協業を発表しました。[8] ここで大切なのは、協業の検討・推進という現在地です。完成した新工場や確定した量産契約として扱いません。
同発表に登場する相手企業の契約やプロジェクトを、古河電工自身の受注高へ読み替えることもできません。企業間の関係があることと、契約の金額が自社売上になることは別です。
筆者の上昇仮説は、線材の技術と供給経験が、開発企業の装置拡大に合わせた需要を取り込むことです。反証は、協業が具体的な設備・契約へ進まないこと、価格や性能で競合に劣ること、開発日程の後ろ倒しです。
古河電工には光通信、電力、冷却など他の成長分野もあります。核融合はその一部として評価し、全社の利益成長を核融合だけに帰属させません。別の連載で扱った水冷設備への投資と、超電導への投資を同じ売上計画に混ぜないことも必要です。
8.浜松ホトニクス:レーザーの実験成果を、発電の成功と混同しない
浜松ホトニクスはレーザーフュージョンの研究を公開しています。公式ページでは、2025年の連続ターゲット照射の成果や、繰り返しレーザー出力の開発について案内しています。[3]
ここでの照射成功は、発電所が電気を外へ供給したという意味ではありません。レーザーを繰り返し動かし、適切な場所へ当てる技術は商用化に必要な一部ですが、核融合反応の利得、熱回収、燃料製造と供給、施設全体の電力収支などは別の課題です。
同社の投資仮説は、核融合向けの研究開発を通じてレーザーや光学・計測技術を高め、装置供給や他用途への展開につなげることです。ただし、研究成果と受注は違います。顧客の採用、契約金額、量産可能性が示されるほど、利益への距離を測りやすくなります。
反証は、必要な出力・繰り返し・効率・耐久性の同時達成が遅れること、開発費が膨らむこと、顧客の事業化が進まないことです。核融合関連の発表があっても、同社の短期EPSが大きく増えると即断しません。
四つの銘柄を比べると、三菱重工は具体的な機器受注、フジクラは線材供給と増産投資、古河電工は供給技術と協業、浜松ホトニクスはレーザー研究という違いがあります。この証拠の種類の違いが、投資仮説の確度を考える出発点になります。
9.未上場企業への出資は、上場企業の大幅増益を意味するか
京都フュージョニアリングは、核融合プラントを支える技術開発企業です。2026年8月の発表では、株式調達と融資・与信枠を組み合わせた資金確保を説明しています。[9] 株式で得た資金と借入枠は同じものではなく、全額を売上や利益と扱うことはできません。
こうした企業に出資する上場企業を探すことは、関連性を知る入り口になります。しかし、少額の出資だけでは、その上場企業の利益が大きく増える根拠にはなりません。持分比率、投資簿価、会計処理、追加出資、製品供給の契約、共同事業の条件が必要です。
一方、出資と事業上の供給が組み合わさる場合には、資本関係から得る将来価値と、現在の機器売上という二つの経路があり得ます。この場合も重複評価を避けます。同じ将来利益を出資価値と製品利益の両方に無条件で加えることはできません。
本記事では、未上場企業そのものを一般の上場株と同じように購入できる銘柄として紹介しません。上場企業についても、「出資先が核融合だから」という理由だけで候補を増やさず、確認できる技術・供給・契約を優先します。
10.ロードマップ:2030年代の発電実証は、商用普及の確約ではない
日本政府は2030年代の発電実証を目指す方向を示しています。[10] これは政策目標です。実証で何を確認するか、実施主体、場所、資金、安全・制度、必要技術を具体化する必要があります。
ITERの公式工程では研究運転開始が2034年、重水素・三重水素運転の開始が2039年と示されています。また、ITER自体は発電して電力を売る装置ではありません。[11] この日程と、民間企業の別方式・別装置の目標を同じ工程表としてつなぐことはできません。
| 時間軸 | 確認する到達点 | 投資家が分けること |
|---|---|---|
| 足元~2020年代後半 | 研究設備、部品受注、線材増産、要素試験 | 供給企業の売上と発電実現は別 |
| 2030年代 | 日本の発電実証目標、各開発計画の進捗 | 目標年と実際の達成を区別 |
| ITERの現行工程 | 2034年研究運転、2039年D-T運転開始予定 | ITERは商用発電所ではない |
| 商用展開段階 | 正味発電、燃料循環、耐久性、経済性 | 一回の実証と継続的な電力販売は別 |
政府の検討資料でも、発電実証から商用化へつなぐための技術・運用上の課題が扱われています。[10] 米国DOEもロードマップを公表していますが、ロードマップは課題を解く計画であり、解決済みの証明ではありません。[12]
したがって、近い時期の日本の供給力を評価する際、核融合の計画容量を確定した供給として加えることはしません。一方、今から研究・試験設備の発注が出る可能性はあり、機器メーカーの受注機会まで全て遠い将来と決めつけることも適切ではありません。

11.商用化を左右する六つの課題
第一は、施設全体の正味電力収支です。反応の出力だけでなく、加熱・冷却・補機を含む消費を差し引いて外へ供給できる必要があります。第二は、燃料の確保と循環です。特にD-T方式ではトリチウムを増殖・回収し、損失を管理する仕組みが重要になります。
第三は材料の寿命です。強い中性子と熱を受ける部品が長持ちしなければ、交換費と停止時間が増えます。第四は保守です。炉内の部品交換を遠隔で安全・迅速に行えるかが、年間の稼働率に影響します。
第五は建設と運転の費用です。燃料そのものが少なくても、装置が高価で停止が多ければ、販売する電気は高くなります。第六は規制・立地・資金です。長期開発を支える資金、安全の確認、地域との調整が必要です。[1][10][12]
これらは核融合を否定する理由ではありません。投資家が次のニュースで何を確認すべきかを示す項目です。「高出力を達成した」という発表があれば、その成果がどの課題をどれだけ前進させたのかを読みます。解決した課題と、まだ残る課題を分ければ、期待を積み上げる根拠が明確になります。
12.EPS・PER・PBRで核融合関連株を評価する
研究開発中の市場では、将来の売上規模を大きく置けば、どの銘柄も安く見せられてしまいます。実際には、供給シェア、単価、利益率、稼働開始時期、開発費、株式数が必要です。確認できない変数が多いときは、精密な目標株価を装うより、条件を明示したほうが有益です。
受注がある企業では、納入時期と追加費用を確認します。増産する企業では、工場の稼働率と良品の出荷を確認します。研究段階の企業では、実験成果から顧客評価と契約へ進むかを確認します。この順序を飛ばすと、技術の成功をEPSへ二段跳びで結びつけてしまいます。
仮に核融合関連事業の利益が倍になっても、全社利益の小さな部分なら全社EPSの増加は限られます。逆に、将来の新しい収益源として評価倍率が上がることはありますが、その期待が既に株価へ入っているかを確認しなければなりません。
PERは利益成長と評価倍率の両方で動きます。EPSが増えても期待が剥落すれば株価が下がる可能性があります。PBRも、設備や技術の価値を自動的に示しません。新工場が高収益を生むか、開発費を回収できるか、借入と投資の負担が適切かを併せて見ます。
| シナリオ | 核融合開発の進み方 | 関連企業への影響 |
|---|---|---|
| 弱気 | 実証延期、資金調達難、設備発注の縮小 | 増産負担や開発費が先行し、期待が下がる |
| 中立 | 商用化は長期でも研究・実証投資が継続 | 機器売上は生まれるが全社寄与は段階的 |
| 強気 | 複数案件が進み、量産供給と採算が両立 | 線材・機器の利益拡大がEPSへ波及 |
これは筆者の条件付きシナリオで、確率や適正株価ではありません。「強気」の証拠は、派手な発表の数より、契約、出荷、利益率、現金回収が同じ方向へ進むことです。
まとめ:核融合は、技術と利益の二つの工程表で追う
核融合には大きな可能性がありますが、反応の成功、正味発電、長期安定運転、商用採算は違う段階です。2030年代の目標を、電力不足の解消が確約された日程として扱うことはできません。私には、未来への期待を持ちながら、その間に残る工程も読むことが大切だと感じられます。
一方、三菱重工の機器受注、フジクラの線材供給と増産投資、古河電工の超電導技術と協業、浜松ホトニクスのレーザー研究は、投資家が検証できる具体的な材料です。研究開発を支える供給網には、商用発電より先に事業機会が生まれます。
発電技術がどこまで進んだか。そして、その会社が何を売り、どれだけ利益を残すか。二つの工程表を同時に追うことで、核融合関連株を期待だけでなく、証拠の積み重ねから評価できます。
出典
- [1] ITER公式FAQ(2026年9月27日確認)。燃料、トリチウム増殖、安全、装置の目的。方式に固有の説明を他方式へ一律に適用していない。
- [2] LLNL:Achieving Fusion Ignition(2026年9月27日確認)。標的のエネルギー利得と実験成果。
- [3] 浜松ホトニクス:レーザフュージョン(2026年9月27日確認)。2025年の照射・レーザー開発成果への公式案内。
- [4] 三菱重工:ITER向け外側垂直ターゲット20基受注(2025年9月18日)。
- [5] フジクラ:高温超電導線材の追加増産投資(2026年2月9日)。
- [6] フジクラ:CFSへの出資と線材納入の説明(2025年9月2日)。
- [7] 古河電工:超電導技術の研究開発(2026年9月27日確認)。
- [8] 古河電工・トカマクエナジー:HTS線材の協業(2026年6月15日)。能力向上の可能性を探る段階。
- [9] 京都フュージョニアリング:シリーズDの資金調達(2026年8月24日)。株式調達と融資・与信枠を区別。
- [10] 内閣府:社会実装に向けた検討資料(2026年、検討資料として使用)/内閣府:2030年代の発電実証に関する説明(2026年6月5日)。政策目標であり達成の保証ではない。
- [11] ITER:公式工程と概要(2026年9月27日確認)。2034・2039年は現行計画上の予定。
- [12] 米国DOE:Fusion Science and Technology Roadmap(2026年版)。統合開発の課題。
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