アストロスケールホールディングス(186A)の値動きが、再びとんでもないことになっています。
週末から昨日にかけて米国宇宙株が大きく崩れ、日経平均も大幅安。普通なら、東証グロースの高ボラ宇宙株など真っ先に売られてもおかしくありません。
ところが、アストロスケールは一時1,900円台前半まで売られたあと、2,000円台をあっさり回復。地合いを無視するような強さを見せました。
これは単なる短期リバウンドなのでしょうか。
それとも、市場は6月12日の決算・中期成長戦略・政府の宇宙政策・大型案件の顕在化を、先回りして評価し始めているのでしょうか。
この記事では、いまアストロスケールに見えている材料をすべて拾い上げたうえで、それらが仮に実現した場合の中期ターゲット株価を考えます。
買い煽りはしません。ただし、今回はかなり強気シナリオまで踏み込みます。
なぜなら、この会社は足元のPLだけを見ると説明できない一方で、受注残、パイプライン、政府政策、防衛需要、民間GEO寿命延長サービスを組み合わせると、まったく違う企業価値が見えてくるからです。
1. まず現在のアストロスケールは何を織り込んでいるのか
アストロスケールは、宇宙デブリ除去、衛星の寿命延長、燃料補給、軌道上点検、ランデブ・近傍運用、把持技術などを持つ軌道上サービス企業です。
足元の業績だけを見ると、まだ完全に赤字企業です。
2026年4月期の会社修正予想では、プロジェクト収益113億円、売上収益57億円、営業損失101億円、当期損失69億円という水準です。
つまり、PERでは評価できません。
一方で、この会社の本質は、現在の売上よりも、将来の受注残とサービス化にあります。
2026年1月時点の受注残は、受注済みと受注内定込みで約411億円。契約済みだけでも約255億円あります。
ここに、COSMIC Phase 3、LEXI-P、防衛案件、JAXA宇宙戦略基金、米国宇宙軍案件、スカパーJSATとの協業などが乗ってくるかどうか。
この一点が、今後の企業価値を大きく変えます。
現時点の株価2,000円台前半は、まだ「すべてが実現する」価格ではありません。
しかし、「何かは出るかもしれない」という期待はかなり織り込んでいます。
では、すべてが本当に動いた場合、株価はどこまで行けるのか。
2. 政府の「宇宙産業8兆円」目標は本物か
まず、ここはファクトチェックしておきます。
政府は、日本の宇宙産業市場を2030年代早期に約8兆円へ拡大する目標を掲げています。
正確には、「2030年に8兆円」ではなく、「2030年代早期に、2020年時点約4兆円の市場を約8兆円へ倍増させる」という表現です。
ここは少し注意が必要です。
SNSなどでは「2030年に8兆円」と簡略化されがちですが、政府資料上は「2030年代早期」です。

ただし、方向性としてはかなり明確です。

政府は宇宙産業を、単なる夢物語ではなく、成長産業、経済安全保障、防災、安全保障、通信インフラ、産業基盤として本気で育てにいくつもりです。
宇宙戦略基金も、10年で1兆円規模の支援を目指す枠組みとして動いています。
この中で、アストロスケールがど真ん中にいるかというと、8兆円市場すべてを取りに行く会社ではありません。
ロケットでも、衛星通信サービスでも、衛星データ解析でもありません。
しかし、アストロスケールは、宇宙空間のインフラ維持に関わる会社です。
デブリ除去。
衛星寿命延長。
燃料補給。
軌道上点検。
把持。
ランデブ・近傍運用。
防衛向け宇宙ロジスティクス。
今後、衛星が増えれば増えるほど、宇宙空間は混雑します。
宇宙がインフラ化すればするほど、壊れた衛星、燃料切れの衛星、軌道変更が必要な衛星、監視すべき対象が増えます。
つまり、宇宙市場8兆円という大きな物語の中で、アストロスケールは「宇宙の保守・点検・延命・回収」という、地味だが不可欠な領域を担う可能性があるわけです。
世界的に見ても唯一無二の事業領域にいるのが同社の特徴です。
3. 顕在化している材料を整理する
いまアストロスケールで見えている材料は、大きく8つあります。
1. 既存受注残約411億円
まず土台になるのは受注残です。
受注済みと受注内定込みで約411億円。これは、現在の売上規模から見るとかなり大きいです。
もちろん、411億円すべてが確定的に、すぐに売上計上されるわけではありません。複数年で収益化される案件も多く、未契約ながら内定・後続フェーズとして見込まれているものも含まれます。
それでも、売上57億円規模の会社に対して、400億円超の見えている案件があるという事実は大きいです。
この会社は、単なる夢の宇宙ベンチャーではなく、すでに政府・宇宙機関・防衛機関から案件を取っている会社です。
2. COSMIC Phase 3
次に重要なのが、英国のCOSMIC Phase 3です。
これは英国の能動的デブリ除去ミッションで、金額規模は約120億円候補とされています。
アストロスケールにとって、COSMIC Phase 3は非常に大きいです。
なぜなら、現在の年間プロジェクト収益113億円とほぼ同規模の案件だからです。
もし正式受注すれば、受注残の見え方はかなり変わります。
しかもこれは、単なる単発案件ではありません。英国政府系の宇宙デブリ除去ミッションとして、欧州・英国でのポジションを強める案件です。
この受注が出るかどうかは、短期株価にも中期バリュエーションにも大きく効きます。
3. LEXI-P 顧客B
民間向けで最も重要なのがLEXI-Pです。
LEXIは、静止軌道衛星の寿命延長サービスです。
燃料切れや寿命末期のGEO衛星にドッキングし、運用延長を支援するビジネスです。
会社資料では、顧客Bとの契約について、契約金額や契約期間など主要条件は合意済みとされています。ただし、法的拘束力のある正式契約にはまだ至っていないという段階です。
ここが正式化すると、かなり大きいです。
なぜなら、アストロスケールが「政府補助金・受託開発中心の会社」から、「民間向け軌道上サービス会社」へ一歩進むからです。
LEXIは売上計上タイミングこそ後ろになりますが、評価倍率を押し上げる材料です。
単発開発案件ではなく、将来的に複数機、複数顧客、複数年契約へ展開できる可能性があるからです。
4. LEXI 2号機以降
LEXI-P顧客Bの契約が成立すれば、その次に市場が見るのは、当然ながらLEXI 2号機以降です。
ここで重要なのは、LEXIのターゲット市場が決して小さくないことです。
会社資料によれば、現在稼働しているGEO、つまり静止軌道衛星は世界で約590機あります。そのうち、国・制裁対象・技術的なサービス可否などを考慮したうえで、アストロスケールがLEXIで対象にし得る衛星は相当数存在します。外部記事では、同社がアクセス可能なGEO衛星を約471機と見積もっているとの説明も確認できます。
さらに重要なのは、毎年の退役候補数です。
会社資料では、民間・公的機関が運用するGEO衛星のうち、会社資料では、毎年約20〜30基のGEO衛星が退役すると同社は推定しています。
つまり、LEXIは「たまたま1社が興味を持っている特殊案件」ではありません。
毎年、一定数のGEO衛星が燃料切れや寿命末期を迎える構造的な市場があり、その中からアストロスケールが何機を取れるか、というビジネスです。
会社は、LEXIのサービスフィーについて、1機あたり年間1,000万〜1,500万ドル程度を想定しています。
1ドル150〜160円で換算すれば、1機あたり年間15億〜24億円程度のサービス売上イメージです。
仮に、年間20〜30機の退役候補のうち、アストロスケールがまず年間1機を獲得できるだけでも、年間15億〜24億円規模のサービス収益機会になります。
年間2機なら30億〜48億円。
年間3機なら45億〜72億円。
もちろん、これは売上計上タイミング、契約年数、サービス期間、顧客衛星の状態、ドッキング可否、保険・運用条件によって変わります。
ただし、ここで見るべき本質は、LEXIが「一発限りの開発受託」ではなく、毎年発生する退役候補衛星を対象にした、リピート性のある民間サービス事業になり得るという点です。
GEO衛星の寿命延長には、通信衛星事業者にとって明確な経済合理性があります。
新しい衛星を製造し、打ち上げ、軌道上で運用開始するには、巨額の費用と長い時間がかかります。
一方で、既存衛星の通信ペイロードがまだ健全で、燃料や姿勢制御の問題だけで退役を迫られているなら、数年延命することで、その間のキャッシュフローを維持できます。
特に通信衛星事業者にとって、既存の軌道スロット、顧客契約、サービスエリアを維持できる意味は大きいです。
だからこそ、LEXI-P顧客Bの正式契約は単なる1件の契約ではありません。
それは、アストロスケールが民間GEO衛星の寿命延長市場において、最初の商用実績を作るという意味を持ちます。
そして、その実績ができれば、次に市場はこう考え始めます。
年間20〜30機ある退役候補のうち、アストロスケールは何機を取れるのか。
1機だけなのか。
毎年1〜2機を継続的に取れるのか。
それとも、LEXI 2号機、3号機以降で複数顧客・複数年契約へ展開できるのか。
この見方が生まれると、アストロスケールの評価軸は変わります。
政府案件や補助金案件中心の赤字宇宙ベンチャーではなく、民間衛星事業者向けにリカーリング性のある軌道上サービスを提供する会社として評価され始めるからです。
したがって、LEXI 2号機以降の本当のポイントは、「何機売れるか」だけではありません。
年間20〜30機規模で発生するGEO衛星の退役候補市場に対して、アストロスケールが継続的に入り込めるかどうか。
ここが、同社の民間事業における最大の本命です。
5. 日本防衛省案件
防衛省関連も、非常に重要です。
すでにアストロスケールは、防衛省向けに複数の案件を取っています。宇宙システム実証機、把持機構開発などです。
重要なのは、既存案件そのものよりも、その先です。
防衛省が宇宙空間を安全保障上の重要領域として位置づけるなら、軌道上点検、把持、接近、監視、燃料補給、衛星の延命・保護といった技術は、継続的な需要になり得ます。
アストロスケールは、単なるデブリ除去会社ではなく、宇宙防衛インフラの一部になる可能性があります。
ここが、中長期で一番大きなテーマの一つです。
6. 米国防衛・宇宙軍関連
米国では、APS-R、AFRL、MDA/SHIELD関連などの材料があります。
特に米国宇宙軍やMDA関連は、金額が一気に大きくなる可能性を持っています。
ただし、ここは慎重に見る必要があります。
現時点で確定している案件は、まだ数十億円規模です。
SHIELDなどは候補・枠・シグナルであり、具体的な個別受注が確定したわけではありません。
それでも、米国防衛領域で「軌道上燃料補給」や「宇宙領域認識」が制度化されていけば、アストロスケールの技術ポジションは相当に強くなります。
この領域は、短期の売上よりも、企業価値の倍率を変える材料です。
7. JAXA・宇宙戦略基金
JAXA宇宙戦略基金の採択も重要です。
政府が宇宙戦略基金を通じて、軌道上サービス、燃料補給、宇宙ロジスティクスを支援していくなら、アストロスケールはかなり恩恵を受けやすい位置にいます。
赤字企業にとって、政府系資金の意味は大きいです。
自社負担だけで開発を進めるのではなく、政策資金・補助金・政府案件を使いながら技術開発と受注残を積み上げられますからです。
これは、財務面でも、信用面でも、事業開発面でもプラスです。
8. スカパーJSATとの資本業務提携
最後に、スカパーJSATとの提携です。
スカパーJSATは国内有力の静止衛星事業者です。
GEO衛星を保有・運用する事業者との提携は、LEXIや寿命延長サービスとの親和性が高い。
現時点で、スカパーJSATがLEXI-P顧客Bだと公表されているわけではありません。ここを断定してはいけません。
しかし、戦略的パートナーとしてはかなり自然です。
スカパーJSATとの協業が具体契約に進むなら、民間GEO向けサービスの信頼性は大きく高まります。
4. すべて実現した場合、業績はどうなるか
では、これらがすべて順調に実現した場合、アストロスケールの売上・利益はどうなるのか。
私は、強気実現シナリオでは以下のように見ます。
2027年4月期は、プロジェクト収益140〜165億円、売上収益90〜105億円、営業損失55〜75億円程度。
2028年4月期は、プロジェクト収益200〜260億円、売上収益140〜190億円、営業損失30〜50億円程度。
2029年4月期は、プロジェクト収益320〜420億円、売上収益230〜320億円、営業損益はマイナス10億円からプラス40億円程度。
2030年4月期には、プロジェクト収益450〜650億円、売上収益350〜520億円、営業利益50〜130億円程度まで見える可能性があります。
もちろん、これは強気シナリオです。
COSMIC、LEXI、防衛、米国案件、JAXA、スカパーJSAT、このあたりが複数同時に動く前提です。
ただし、完全な夢物語ではありません。
すでに受注残があり、パイプラインがあり、政府目標があり、防衛需要があり、資金調達も実施済みです。
つまり、材料は空中に浮いているわけではなく、ある程度は地面についています。
5. バリュエーションはPERではなくEV/将来プロジェクト収益で見る
アストロスケールは赤字企業です。
したがって、PERで評価するのは無理があります。
見るべきは、EV/将来プロジェクト収益、EV/売上、EV/受注残、そして黒字化時期です。
高成長・宇宙・防衛・国策テーマとして市場が評価するなら、EV/将来プロジェクト収益15〜22倍程度までは許容される可能性があります。
もちろん高いです。
普通の製造業や受託開発会社ならあり得ない倍率です。
しかし、アストロスケールが「一品一様の赤字開発会社」ではなく、「継続受注型の宇宙インフラ企業」として見られるなら、倍率は跳ねます。
ここが最大の分岐点です。
6. 希薄化は必ず織り込む
ここで必ず考えなければいけないのが希薄化です。
アストロスケールはCB・新株発行を行っています。さらにストックオプションの潜在株式もあります。
ざっくり言えば、完全希薄化後の株式数は約1.59億株程度で見るのが保守的です。
既存発行済株式数に、CB・新株・ストックオプションを加えた概算です。
強気ターゲットを出すときこそ、希薄化を無視してはいけません。
ここを無視すると、株価目標が過大になります。
7. ターゲット株価を計算する
ここからが本題です。
ケース1:現実的強気シナリオ
2029年前後のプロジェクト収益を350億円、EV/プロジェクト収益を18倍とします。
EVは6,300億円。
ネットキャッシュ等を300億円と置くと、株式価値は6,600億円。
完全希薄化後株式数1.59億株で割ると、想定株価は約4,150円です。
つまり、COSMICとLEXIが実現し、防衛案件も一部進展しますが、まだ2030年黒字化までは市場が完全に信じていないケース。
この場合のターゲットは、3,800〜4,500円です。
ケース2:材料フル実現シナリオ
2030年前後のプロジェクト収益を500億円、EV/プロジェクト収益を18倍とします。
EVは9,000億円。
ネットキャッシュ等を300億円と置くと、株式価値は9,300億円。
完全希薄化後株式数1.59億株で割ると、想定株価は約5,850円です。
これが、今回の中心ターゲットです。
COSMIC、LEXI、防衛、米国防衛、JAXA、スカパーJSAT。このあたりの顕在材料がかなり順調に正式化した場合、5,000〜6,500円は理論上十分にあります。
ケース3:政府8兆円追い風込みシナリオ
2030年前後のプロジェクト収益を650億円、EV/プロジェクト収益を18倍とします。
EVは1兆1,700億円。
ネットキャッシュ等を300億円と置くと、株式価値は1兆2,000億円。
完全希薄化後株式数1.59億株で割ると、想定株価は約7,550円です。
このケースでは、アストロスケールが単なる宇宙ベンチャーではなく、日本の軌道上サービス中核企業として見られます。
政府の宇宙産業8兆円目標、JAXA基金、防衛予算、民間GEOサービス、米国宇宙軍案件がすべて追い風になるケースです。
この場合、中期ターゲットは6,500〜8,500円です。
ケース4:超強気シナリオ
2030年前後にプロジェクト収益800億円、営業利益100億円超が見え、海外投資家が「日本発の宇宙インフラ銘柄」として本格的に評価する場合です。
EV/プロジェクト収益18〜20倍なら、株式価値は1兆4,700億〜1兆6,300億円程度。
完全希薄化後株式数1.59億株で割ると、株価は9,200〜10,300円程度です。
これは夢のある上限です。
現時点で基本シナリオに置くのは危険です。
ただし、政府政策と大型受注と黒字化ロードマップがすべて噛み合うなら、理論上は見えます。
8. ターゲットプライスまとめ
今回の結論をまとめると、こうです。
現実的強気シナリオでは、3,800〜4,500円。
顕在材料がフル実現するシナリオでは、5,000〜6,500円。
政府8兆円宇宙市場の追い風を強く織り込むなら、6,500〜8,500円。
超強気では、9,000〜10,000円超。
私の中心ターゲットは、5,800円前後です。
政府8兆円目標まで本格的に織り込むなら、7,500円前後を中期ターゲットとして置きます。
9. 現在株価との比較
現在株価を2,100円前後とすると、5,800円は約2.8倍です。
7,500円なら約3.6倍。
10,000円なら約4.8倍です。
もちろん、これは今すぐの話ではありません。
半年以内のターゲットではなく、2028〜2030年の成長を市場が先取りする中期評価です。
6月12日の決算・中計で、どこまで具体性が出るかが分岐点です。
10. 何が出れば5,000円以上が見えるのか
5,000円以上を正当化するには、以下のうち最低3つは必要です。
1:COSMIC Phase 3の正式受注。
2:LEXI-P顧客Bの正式契約。
3:日本防衛省の追加・継続受注。
4:米国防衛・MDA・宇宙軍関連の追加案件。
5:スカパーJSATとの具体的な商用案件。
6:2027年4月期プロジェクト収益が市場期待を上回ること。
7:2028〜2030年の黒字化ロードマップ。
8:CB・貸株・ストックオプションの需給を吸収する出来高。
9:米国宇宙株の過熱調整が一巡すること。
10:政府8兆円目標や宇宙戦略基金の追加テーマで、同社が明確に恩恵を受けること。
逆に言えば、6月12日の決算で来期予想が保守的で、COSMICもLEXIも防衛も「引き続き協議中」にとどまるなら、5,000円シナリオはかなり遠のきます。
11. 一番怖いリスク
強気シナリオを描くときほど、リスクも書いておく必要があります。
第一に、案件遅延です。
宇宙開発はとにかく遅れます。打ち上げ、試験、顧客確認、政府調達、全部ずれます。
第二に、受注が売上・利益に変わるまで時間がかかること。
COSMICを取っても、LEXIを契約しても、すぐにPLが改善するわけではありません。
第三に、CB・貸株・ストックオプションによる需給の重さ。
株価が上がるほど、転換・行使・利確・ヘッジ売りが意識されます。
第四に、米国宇宙株の過熱調整です。
Planet Labsのように、好決算でも期待値が高すぎれば売られる相場です。アストロも例外ではありません。
第五に、政府8兆円市場の恩恵が、必ずしもアストロに直接落ちるとは限らないこと。
8兆円市場は、通信、衛星データ、ロケット、製造、防災、測位などを含む広い市場です。アストロがその何%を取れるかは、まだ未知数です。
最終結論
アストロスケールは、足元の業績だけ見れば高いです。
しかし、見えている材料がすべて実現するなら、現在の株価2,000円台前半はまだ中期シナリオを十分には織り込んでいないいと思います。
政府は2030年代早期に日本の宇宙産業市場を約8兆円へ拡大する目標を掲げています。
宇宙戦略基金、防衛予算、JAXA案件、民間GEO寿命延長、米国宇宙軍、英国COSMIC。
このすべてが一本の線でつながるなら、アストロスケールは「宇宙ごみ除去のベンチャー」ではなく、「軌道上サービスのインフラ企業」として再評価される可能性があります。
再三になりますが現時点(2026年6月9日時点)での中期ターゲットは以下です。
現実的強気で3,800〜4,500円。
顕在材料フル実現で5,000〜6,500円。
政府8兆円追い風込みで6,500〜8,500円。
超強気では9,000〜10,000円超。
中心値は5,800円前後。
ただし、そこに行くには、6月12日の決算・中計で、物語が数字に変わる必要があります。
COSMICは本当に取れるのか。
LEXI-P顧客Bは正式契約になるのか。
防衛省と米国防衛案件は継続受注化するのか。
来期のプロジェクト収益は市場期待を超えるのか。
2030年に向けた黒字化ロードマップは示されるのか。
ここが勝負です。
いまのアストロスケールは、まだ危ういです。
しかし、かなり面白いです。
まさに、「物語」と「数字」の距離が、最も大きく、最も縮まりうる局面にいる銘柄だと思います。
などなど、壮大な宇宙世紀の幕開けと言う事実を背景に、アストロスケール株は最高に面白い局面にいると思います。
本記事は一次資料(適時開示・決算短信・資金調達資料等)に基づく銘柄研究であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。値動きは事実として解説していますが、将来の株価を保証・予想するものではありません。投資の最終判断は、ご自身の責任でお願いいたします。
※本セクションは広告(PR)を含みます。投資はご自身の判断と責任において行ってください。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄・売買を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。将来の値動きや利益を保証するものではありません。
この銘柄を実際に取引するなら、手数料や取扱商品・ツールを比較して自分に合った証券口座を選びましょう。ネット証券は口座開設・維持費は無料で、少額から始められます。
📄 参考・出典
- 株探(kabutan.jp)――株価・業績・財務データ
- 各社公式サイト・IR資料(決算短信・有価証券報告書)
- 各種報道・公開情報
⚠ 免責事項
本記事は公開情報をもとにした情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買や投資を推奨するものではありません。記載した株価・指標等は執筆時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。適正株価や目標株価に類する記述は一定の前提に基づく参考値であり、将来の株価を保証するものではありません。投資の最終判断は、ご自身の責任において行ってください。

