MIXI(2121)は割安高配当株か?PBR0.93倍・利回り4.8%とモンスト脱却を分析【2026年6月】

MIXI(2121)の株価分析|億り人研究所
目次

MIXI(2121)はどんな会社か

MIXI(2121)は、かつてSNS「mixi」で一世を風靡し、現在はスマホゲーム「モンスターストライク(モンスト)」を収益の柱とする情報・通信業の企業です。近年はプロバスケットボールクラブ「千葉ジェッツふなばし」を中心とするスポーツ事業や、家族向け写真・動画共有アプリ「みてね」、公営競技関連サービスなど、ゲーム以外の事業の拡大に注力しています。

2026年3月期時点で株価は2,588円、時価総額は約1,774億円。PERは12.5倍(過去3年平均17.08倍)、PBRは0.93倍と純資産を下回る水準で、配当利回りは4.83%と東証プライムの平均を大きく上回ります。「モンストの一本足」というイメージと、潤沢な現金・高い株主還元という二面性をどう評価するかが、この銘柄を見るうえでの出発点になります。

💡 まず押さえたいポイント

MIXI(2121)は、スマホゲーム「モンスターストライク」を収益の柱としつつ、スポーツ(千葉ジェッツ)やライフスタイル(みてね)への多角化を進める情報・通信企業です。本記事では株価2,588円、時価総額約1,774億円を起点に、モンスト依存とその先の成長戦略、PBR1倍割れ・利回り約4.8%という割安・高配当の側面を株価視点で整理します。 本記事では株価2,588円、時価総額1,774億円、PER12.5倍、PBR0.93倍(いずれも2026年6月19日時点・株探調べ)を起点に、業績トレンドと株価水準を整理します。数値は執筆時点のものであり、最新の株価・指標はご自身でご確認ください。

事業の深掘り――事業の深掘り――モンスト依存とその先の多角化

①収益の柱「モンスターストライク」

同社の利益の源泉は、2013年に配信を開始したスマホゲーム「モンスターストライク」です。長期にわたり国内モバイルゲーム市場の上位に位置し続けており、課金売上が同社の営業利益の大半を生み出してきました。一方で、ゲームタイトルはヒットの寿命やユーザー動向に業績が左右されやすく、モンスト依存度の高さは強みであると同時に最大の構造的リスクでもあります。

②スポーツ事業――千葉ジェッツとライブ・エクスペリエンス

MIXIはプロバスケB.LEAGUEの強豪「千葉ジェッツふなばし」を運営し、公営競技(競輪・オートレースなど)のネット投票サービス「TIPSTAR」やチケット関連事業も展開しています。スポーツ・ライブ体験を軸に、ゲームで培ったエンタメ運営力を現実世界の集客・課金へ広げる戦略で、ゲーム外収益の柱に育てようとしています。

③ライフスタイル事業――「みてね」とコミュニケーション

家族向け写真・動画共有アプリ「みてね」は国内外で利用が広がり、有料プランや関連サービスの拡大が進んでいます。創業の原点であるSNS・コミュニケーション領域の知見を生かし、サブスクリプション型の安定収益を積み上げる位置づけです。短期の利益貢献は限定的ですが、モンスト依存を薄める長期の布石といえます。

💡 ビジネスモデルの特徴

💡,事業構造の読み方,MIXIの事業は「①モンストで稼ぐ → ②スポーツ・ライフスタイルへ再投資する」という流れで見ると分かりやすくなります。現状の利益はモンストが牽引しているため、投資判断では『モンストの売上トレンド』と『新規事業がいつ利益貢献するか』を分けて評価することが重要です。

最新決算(2026年3月期)の要点

2026年3月期は売上高1,713億円(前期比+10.7%)と増収を確保した一方、スポーツ・新規事業への先行投資などで営業利益は222億円(同-16.3%)と減益になりました。最終利益は172億円とほぼ前期並みを維持し、配当も120円を据え置いています。

項目同業のゲーム会社(ガンホー、コロプラ、ディー・エヌ・エーなど)と比べると、MIXIはモンストという長寿タイトルを軸にしつつ、スポーツ・ライフスタイルへの多角化に最も積極的な点が特徴です。また、PBR0.93倍・配当利回り4.83%という水準は、ゲームセクターの中ではバリュー・高配当寄りであり、成長期待よりも資産価値と還元で評価されやすい位置づけといえます。前期比
売上高1,713億円+10.7%
営業利益222億円-16.3%
経常利益247億円-6.8%
最終利益172億円-1.9%
EPS260.7円
1株配当120円利回り約4.8%

💡 決算のポイント

💡,決算のポイント,2026年3月期は増収となったものの、スポーツ・新規事業への先行投資などで営業利益は前期比で減少しました。一方、最終利益は172億円とほぼ前期並みを確保し、配当も120円を維持。「成長投資で利益はやや圧迫されつつも、稼ぐ力と還元は維持」という構図です。

業績トレンドの深掘り――長期と四半期

長期業績の推移(過去4期+会社予想)

長期業績を振り返ると、モンストの全盛期だった2016年3月期に売上2,088億円・営業利益950億円という過去最高を記録した後、ゲーム単体の成熟で利益水準は調整局面に入りました。近年は売上1,500〜1,700億円規模で安定し、2025年3月期・2026年3月期は最終利益170億円台を確保。会社予想の2027年3月期は売上1,850億円・最終利益135億円と、先行投資による減益を見込んでいます。

決算期売上高営業益経常益最終益EPS配当
2023.031,468億億248億億182億億51億億70.9円110円
2024.031,468億億191億億156億億70億億99.7円110円
2025.031,548億億266億億265億億176億億255.4円120円
2026.031,713億億222億億247億億172億億260.7円120円
予2027.031,850億億195億億200億億135億億207.4円125円

四半期業績の推移

四半期で見ると、MIXIの業績は季節性とモンストのイベント動向で振れます。2026年3月期は、第3四半期(25年10-12月)以降に売上が大きく伸び、第4四半期(26年1-3月)は売上549億円・営業利益91億円と通期の利益を押し上げました。年度後半に収益が偏る傾向が読み取れます。

四半期売上高営業益経常益最終益EPS利益率
25.04-06313億億27億億20億億14億億20.9円8.5%
25.07-09361億億45億億52億億35億億51.9円12.6%
25.10-12490億億60億億79億億57億億85.0円12.2%
26.01-03549億億91億億96億億67億億101.3円16.5%

⚠ 四半期の見方の注意

⚠,四半期を見るときの注意,MIXIの四半期業績はモンストの新イベントやコラボの成否で大きく動きます。単一四半期の増減だけで判断せず、複数四半期の流れと「ゲーム以外の事業がどれだけ底上げしているか」を併せて見ることが大切です。

財務とキャッシュフロー

キャッシュフローを見ると、2026年3月期は営業CFが+193億円と安定的に稼ぐ一方、投資CFは-316億円と大きく流出しました。これはスポーツ事業や投資・M&A、有価証券運用などへの資金投下を反映したものです。財務CFは+142億円。期末の現金等残高は1,112億円と潤沢で、現金比率は39.65%です。

項目数値
1株純資産(BPS)2,787.63円
自己資本比率64.7%
自己資本1,814億円
有利子負債倍率0.25倍
営業CF(2026年3月期)+193億円
投資CF(2026年3月期)-316億円
財務CF(2026年3月期)+142億円
現金等残高1,112億円

💡 キャッシュフローの読み方

💡,キャッシュフローの読み方,営業CFでしっかり現金を生みつつ、その資金を成長投資(投資CFの流出)と株主還元に振り向けているのがMIXIの特徴です。1,000億円超の手元現金と低い有利子負債倍率(0.25倍)は、減益局面でも配当を維持できる財務的な余力を示しています。

中期経営計画から読み解く現在地と未来予測

① 中期経営計画の位置づけ(数値目標型の中計は非開示)

MIXI(旧ミクシィ)は、明確な「○年度に売上○億円・営業利益○億円」といった中期数値目標を掲げる形の中期経営計画を公表していない企業です。経営陣は中長期の方針として、既存事業の成長と新規事業への投資、そして株主還元の強化による株主価値向上を打ち出していますが、これは数値目標型の計画というより、エンターテインメント領域で複数のヒット事業を生み出し続けることを成長ドライバーとするテーマ型の位置づけが実態に近い企業です。

直近のFY2025(2026年3月期)実績は、売上高1,548億円(前年比5.4%増)、営業利益266億円、営業利益率17.2%、ROE10.0%でした。MIXIは「モンスターストライク(モンスト)」を中核とするデジタルエンタメ事業を収益基盤に、公営競技(TIPSTAR、netkeibaなど)の「スポーツ・ライフスタイル」領域、家族向けSNS「みてね」などのライフスタイル事業を展開しています。明示的な数値目標がない分、各事業の売上・課金動向と新規事業の立ち上がりを丁寧に追うことが、この銘柄の期待値を測る出発点になります。

② 今後の期待値はどこにあるか

期待の中心は、公営競技(ベッティング)事業の成長です。MIXIはオンライン投票サービスの「TIPSTAR」や競馬メディア「netkeiba」、競輪・オートレース関連を展開し、ネット投票市場の拡大を取り込んでいます。モンストへの依存度を下げ、ベッティング事業を第二の柱に育てられれば、収益構造の安定化と成長の両立が見込まれます。家族アルバム「みてね」も国内外でユーザーを伸ばしており、新たな収益源として期待されています。

もう一つの注目は、潤沢なキャッシュを活かした株主還元と投資です。MIXIは無借金に近い強固な財務基盤を持ち、自己株買い・増配など株主還元に積極的な姿勢を示しています。エンタメ・スポーツ領域での新規事業やM&A、出資を通じて新たなヒットを生み出せるかが、中長期の企業価値を左右します。モンストの安定収益という土台の上に、次の成長エンジンを確立できるかが焦点です。

💡 計画の読み方
MIXIは数値目標型の中計を公表していないため、「計画の進捗率」ではなく、毎四半期のセグメント別実績(デジタルエンタメ=モンスト、スポーツ=ベッティング、ライフスタイル=みてね等)で評価するのが正攻法です。営業利益率17%・ROE10%という収益性を維持しつつ、モンスト依存からの脱却が進んでいるかが着目点です。
⚠️ 期待値の裏にあるリスク
最大のリスクは、主力「モンスト」への高い依存です。リリースから年数が経過し、課金売上は緩やかな減少傾向にあるため、新規事業がこれを補えなければ全社利益が縮小するリスクがあります。ヒットゲームの創出は不確実性が高く、ベッティング事業も規制・競争の影響を受けます。明示的な中期目標がないため、業績の見通しが立てにくい点も投資家にとっては留意点です。

四季報・専門メディアから見る現状と評価

株価指標で市場評価を確認すると、MIXIはPER12.5倍・PBR0.93倍・配当利回り4.83%(株価2,588円時点、時価総額約1,774億円)で取引されています。PBRが1倍を下回っており、利益や資産の水準に対して株価が割安に評価されている可能性がある一方、その割安さの背景(成長性や市況への警戒)を見極める必要があります。

会社四季報や専門メディアでは、こうしたMIXIの事業基盤・収益構造の強みと、競争環境や市況・コスト面の課題の両面が論点として取り上げられます。本記事の各章で整理してきた強みとリスクは、これら専門媒体の評価軸ともおおむね重なります。投資判断にあたっては、最新の四半期決算で示される利益動向と、会社が示す中期的な方針のアップデートを継続的に確認することが重要です。

総じて、現時点のMIXIは、事業基盤を維持しながら利益が一服している調整局面にあり、市況や収益環境の回復が今後の評価を左右します。指標の割安・割高だけでなく、事業の競争力と業績トレンドを合わせて見ていくことが、判断の精度を高めるうえで欠かせません。

※本記事の指標・数値は株探(かぶたん)等の公開情報をもとに執筆時点(2026年6月)で整理したものです。会社四季報オンラインおよびFACTA ONLINE等の専門メディアについては公開範囲の情報を参照しており、有料会員限定コンテンツの内容は含みません。最新の数値・評価は各社の最新開示・媒体で必ずご確認ください。

株価指標と需給

MIXIの指標は「割安・高配当」を示す一方、減益予想とモンスト依存への警戒も映しています。PER12.5倍は過去3年平均17.08倍を下回り、PBRは1倍割れ。配当利回り4.83%・信用倍率21.11倍といった数字を、業績トレンドと併せて読むことが重要です。

指標数値
株価2,588円
時価総額1,774億円
PER(予想)12.5倍
過去3年平均PER17.08倍
PBR0.93倍
配当利回り4.83%
信用倍率21.11倍
発行済株式数68,530,850株

適正株価の試算――弱気・中立・強気の3シナリオ

ここからは、現在の株価2,588円に対して、いくつかの前提を置いた「参考値」としての株価レンジを試算します。あくまで一定の仮定に基づく目安であり、将来の株価を保証するものではありません。

方式①:EPS×想定PER法

会社予想EPS207.4円(2027年3月期)を基準に、想定PERを変えて株価を試算します。過去3年の平均PERは約17.08倍です。

シナリオ想定PER試算株価現値比
弱気11倍2,281円-11.9%
中立14倍2,904円12.2%
強気17倍3,526円36.2%

方式②:PBR法

1株純資産2,787.63円を基準に、想定PBRを変えて試算した株価です。

シナリオ想定PBR試算株価現値比
弱気0.8倍2,230円-13.8%
中立1倍2,788円7.7%
強気1.2倍3,345円29.3%

⚠ 試算にあたっての注意

上記はいずれも「会社予想や過去平均が今後も維持される」と仮定した参考値です。EPSは会社予想を用いており、相場環境・業績動向次第で上下します。実際の株価はこのレンジを外れることもあります。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。

投資する際に押さえておきたいリスク

  • モンスト依存リスク:利益の大半を単一タイトルに依存しており、ユーザー離れやヒット作の寿命が業績に直結します。
  • 新規事業の収益化リスク:スポーツ・ライフスタイル事業はまだ先行投資段階で、利益貢献が想定より遅れる可能性があります。
  • 減益予想:会社は2027年3月期に先行投資による減益を見込んでおり、当面は利益水準の低下が続く可能性があります。
  • 市場環境リスク:スマホゲーム市場の競争激化や、課金規制・プラットフォーム手数料の動向が収益を圧迫し得ます。
  • 投資有価証券の評価リスク:投資・運用資産を抱えるため、市況次第で評価損益が業績を左右します。

指標とニュースの読み方

PER・PBRの見方

MIXIのPERは12.5倍と過去3年平均(17.08倍)を下回り、PBRは0.93倍と純資産を下回っています。これは「モンスト依存」「減益予想」への警戒が株価に織り込まれている一方、潤沢な現金と高配当が下支えしている状態と解釈できます。会社予想EPS207.4円を基準に、市場が評価するPER水準次第で株価レンジが変わる構図です。

チェックすべきポイント

  • モンストの月次・四半期売上のトレンド(減少が続いていないか)
  • スポーツ・ライフスタイル事業の売上成長と黒字化の進捗
  • 配当方針の維持(120円台=利回り約4.8%が続くか)
  • PBR1倍割れの解消に向けた自社株買い・還元強化の有無
  • 手元現金の使途(成長投資か、株主還元か)

💡 ニュースを読むときの視点

💡,ニュースで見るべき視点,MIXIのニュースでは「モンストの大型コラボ・周年イベントの反応」「千葉ジェッツやスポーツ事業の動向」「自社株買い・増配などの株主還元」が株価材料になりやすいポイントです。減益局面では特に、還元姿勢の強さが下値を支える要因になります。

投資スタンスの整理

💡 タイプ別の考え方

MIXIは「モンストで稼ぐ力+PBR1倍割れ・利回り約4.8%の割安高配当」という、成長株とバリュー株の中間のような銘柄です。短期はモンストの動向と減益予想に振られやすい一方、潤沢な現金と高い還元意欲が下値の支えになります。新規事業が利益貢献し始めるかどうかが、中長期の評価を分ける分岐点といえます。

まとめ

MIXI(2121)は、モンストという強力な収益源を持ちながら、その資金をスポーツ・ライフスタイル領域へ再投資して「モンスト依存からの脱却」を進める途上にあります。財務は健全で、PBR1倍割れ・利回り約4.8%という割安・高配当の魅力もあります。投資判断では、モンストの底堅さと、新規事業がいつ利益として実を結ぶかを冷静に見極めることが重要です。

⚠ 本記事のスタンス

本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではありません。記載した株価・指標は2026年6月19日時点(株探調べ)のものであり、適正株価に類する記述は一定の前提に基づく参考値です。

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⚠ 免責事項

本記事は公開情報をもとにした情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買や投資を推奨するものではありません。記載した株価・指標等は執筆時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。適正株価や目標株価に類する記述は一定の前提に基づく参考値であり、将来の株価を保証するものではありません。投資の最終判断は、ご自身の責任において行ってください。

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