テックファームHD(3625)は割安AI関連株か?減益局面のPER11倍・小型IT株を占う【2026年6月】

テックファームHD(3625)の株価分析|億り人研究所
目次

テックファームホールディングス(3625)はどんな会社か

テックファームホールディングス(3625)は、携帯アプリやシステムの受託開発を主力とするIT企業の持株会社です。AI・5G・IoTを活用した開発や、アジア向けの越境EC支援などを手がけ、生成AIをはじめとするテーマ性も併せ持つ情報・通信セクターの小型株です。

株価は529円前後、時価総額は約40億円と小型の部類に入ります。PERは約11倍、PBRは約1.26倍と、IT受託開発企業としては標準的な水準にあります。直近では2025年6月期に利益が大きく伸びた反動で、2026年6月期は会社計画として減益を見込んでいる点が、株価の重しになっています。

本記事では、テックファームの受託開発を軸とした事業構造、直近決算と業績トレンド(前期の利益急伸と今期の反動減)、小型株ならではの財務とキャッシュフローの特徴、そして適正株価の考え方までを、株探の一次情報をもとに株価視点で整理します。

💡 まず押さえたいポイント

テックファームHDは、AI・5G・IoT関連のシステム受託開発を手がける小型IT株です。前期に利益が急伸した反動で今期は減益計画ですが、財務は健全で手元資金が厚いのが特徴。受託開発の採算と成長テーマの育成、そして小型株特有の業績の振れをどう評価するかが投資判断の焦点です。 本記事では株価529円、時価総額39.8億円、PER11.4倍、PBR1.26倍(いずれも2026年6月19日時点・株探調べ)を起点に、業績トレンドと株価水準を整理します。数値は執筆時点のものであり、最新の株価・指標はご自身でご確認ください。

事業の深掘り――受託開発を軸としたIT事業の構造

モバイルアプリ・システムの受託開発が主力

テックファームの収益の柱は、企業向けのモバイルアプリやシステムの受託開発です。顧客の要望に応じてシステムを設計・構築し、その対価を得るプロジェクト型のビジネスで、技術者の稼働とプロジェクトの採算が業績を左右します。AI・5G・IoTといった先端技術を取り入れた開発に強みを持ち、案件の高度化で付加価値を高めようとしています。

AI・IoT・越境EC支援などの成長テーマ

同社は受託開発にとどまらず、生成AI・IoT活用のソリューションや、アジア向けの越境EC支援といった成長テーマにも取り組んでいます。これらは将来の収益の柱を育てる位置づけで、テーマ性の面で市場の注目を集めやすい一方、収益貢献はまだ発展途上の段階にあります。先端領域への投資と本業の採算のバランスが問われます。

小型のIT受託企業ならではの特性

時価総額約40億円の小型企業であり、大型案件の受注や完了のタイミングによって四半期業績が大きく振れやすいのが特徴です。技術者の確保・育成が成長の制約になりやすく、人材投資の負担と案件単価の動向が利益率を左右します。安定した受託基盤の上に、成長テーマをどれだけ乗せられるかが中期的な評価のポイントです。

💡 ビジネスモデルの特徴

💡,ビジネスモデルの要点,本業はモバイルアプリ・システムの受託開発で、技術者の稼働と案件採算が利益を決めます。AI・IoT・越境ECなどの成長テーマを抱える一方、小型ゆえに業績が四半期で振れやすい点を理解しておく必要があります。

最新決算(2025年6月期)の要点

2025年6月期は、売上高67.0億円(前期比+32%)、経常利益7.6億円、最終利益5.0億円(EPS70.8円)と大幅な増収増益となり、利益が前期から大きく伸びました。一方、2026年6月期の会社計画は売上高72.0億円・経常利益5.8億円・最終利益3.3億円(EPS46.4円)と、増収ながら利益は前期の反動で減益を見込んでいます。前期の高い利益水準が一時的な好調だった可能性を踏まえ、利益の実力を見極める必要があります。

項目オプティムアイエスビー前期比
区分2025年6月期(実績)2026年6月期(会社予想)
売上高67.0億円72.0億円
経常利益7.6億円5.8億円
最終利益5.0億円3.3億円
EPS70.8円46.4円
1株配当8.0円8.0円

💡 決算のポイント

⚠,決算を読むときの注意,2025年6月期は利益が急伸しましたが、2026年6月期は増収でも減益計画です。前期の好調がどこまで継続的なものかを見極めることが重要で、株価指標(PER約11倍)は減益後の予想EPS46.4円を基準に評価するのが妥当です。

業績トレンドの深掘り――長期と四半期

長期業績の推移(過去4期+会社予想)

長期業績を見ると、テックファームは売上を着実に伸ばしつつ、利益面では年度による振れがあります。2024年6月期の経常2.6億円から2025年6月期は7.6億円へ大きく改善しましたが、2026年6月期は5.8億円への減益が計画されています。受託開発の案件構成や採算によって利益が変動しやすい、小型IT企業らしい業績推移です。

決算期売上高営業益経常益最終益EPS配当
2023.0651.3億—億1.7億0.8億11.7円5.0円
2024.0650.7億—億2.6億1.6億22.0円5.0円
2025.0667.0億—億7.6億5.0億70.8円8.0円
予2026.0672.0億—億5.8億3.3億46.4円8.0円

四半期業績の推移

四半期(3ヵ月)ベースでは、案件の進捗によって利益にばらつきが見られます。直近の2026年1-3月期は売上高18.3億円・最終利益1.3億円(EPS17.9円)でした。前年同期(2025年1-3月期)が利益のピークだったため前年同期比では減益となっていますが、足元の売上営業損益率は10%前後を確保しており、本業の採算は維持されています。

四半期売上高営業益経常益最終益EPS利益率
25.04-0617.5億1.0億1.0億1.0億14.3円5.9%
25.07-0916.6億1.3億1.3億0.8億10.9円7.6%
25.10-1216.9億1.8億1.9億1.1億15.9円10.6%
26.01-0318.3億1.9億2.0億1.3億17.9円10.3%

⚠ 四半期の見方の注意

💡,四半期データの見方,受託開発は案件の完了時期で利益が前後します。小型ゆえに四半期の振れが大きいため、単独四半期の増減ではなく、売上営業損益率の水準(足元10%前後)と通期計画への進捗で実力を判断するのがコツです。

財務とキャッシュフロー

キャッシュフローと財務は、小型IT企業として健全です。2025年6月期の営業キャッシュフローは3.3億円のプラスで、本業でしっかり現金を稼いでいます。投資・財務キャッシュフローはともに小幅で、現金等残高は25.5億円と、時価総額約40億円に対して手元資金が厚いのが特徴です。自己資本比率は直近で約60%、有利子負債倍率は0.4倍以下と低く、財務面の不安は小さい企業です。現金比率(総資産に対する現金の割合)が50%超と高く、資産の多くを現金で保有しています。

項目数値
1株純資産(BPS)420円
自己資本比率59.8%
自己資本29.8億円
有利子負債倍率0.37倍
営業CF(2025年6月期)+3.3億円
投資CF(2025年6月期)-0.6億円
財務CF(2025年6月期)-0.4億円
現金等残高25.5億円

💡 キャッシュフローの読み方

💡,財務・CFの読みどころ,自己資本比率約60%・現金比率50%超と、財務は非常に健全で手元資金が厚いのが特徴です。時価総額40億円に対し現金25.5億円を保有しており、財務リスクは小さい一方、その資金をどう成長に活かすかが問われます。

中期経営計画から読み解く現在地と未来予測

① 中期経営計画の数値目標

テックファームホールディングスは、システム開発(SI)を主力とする情報・通信業の中堅企業で、中期経営計画では売上高153億円・営業利益10億円を目指す方針を掲げています。直近のFY2026(2026年6月期)は2026年2月の業績修正で通期売上高72億円・親会社株主に帰属する当期純利益3.3億円を見込んでおり、上期(第2四半期)は売上高33.5億円(前年同期比約5.6%増)と着実な伸びを示しています。中計目標の売上153億円は現状の倍以上にあたり、M&Aを含めた事業拡大を前提とした成長計画です。

同社は「収益性と継続的成長の両立」を経営目標に掲げ、売上高成長率と売上高営業利益率を重視する姿勢を打ち出しています。成長を加速させる手段としてM&Aを積極的に活用する方針で、自社のシステム開発・DX関連の事業領域に親和性の高い企業を取り込みながら、規模と収益力の拡大を図る構図です。過去には2019年6月期に売上高100億円・営業利益7億円を目標とした計画もあり、段階的に目標水準を引き上げてきた経緯があります。

② 今後の期待値はどこにあるか

期待値の中心は、システム開発・DX需要の追い風を受けて中計目標の売上153億円・営業利益10億円にどこまで近づけるかです。企業のデジタル化投資は底堅く、SI・受託開発を主力とする同社にとって受注環境は良好といえます。加えてM&Aによる規模拡大が計画通り進めば、売上の積み上げペースは加速する可能性があります。営業利益率の改善も重視されており、単なる増収ではなく「稼ぐ力」を伴った成長が実現できるかが評価ポイントです。

一方で、グロース市場に上場する中小型のIT企業であるため、業績の振れ幅や株価変動は大きくなりがちです。M&Aは成長の起爆剤になり得る半面、のれんの負担や統合(PMI)の巧拙が利益を左右します。投資家としては、四半期ごとに売上・営業利益が計画ペースで伸びているか、エンジニアの確保・稼働率は健全か、そしてM&A後の収益貢献が想定通り出ているかを確認していくことが重要です。

💡 計画の読み方
中計の数値目標は売上高153億円・営業利益10億円。直近FY2026は売上72億円・純利益3.3億円の見込みで、目標は現状の倍以上という野心的な水準です。M&Aを成長の柱に据えているため、単体の自律成長だけでなく買収による上積みが計画達成の前提。まずは増収と営業利益率の改善が両立できているかを四半期ごとに確認するのが基本です。
⚠️ 期待値の裏にあるリスク
グロース市場の中小型IT銘柄であり、業績・株価の振れ幅が大きい点に注意が必要です。M&A依存の成長戦略は、のれん減損や統合の失敗が利益を圧迫するリスクをはらみます。またSI・受託開発はエンジニアの確保と稼働率に収益が左右されやすく、人件費上昇も逆風になり得ます。売上153億円という高い目標は、買収が想定通り進まなければ未達となる可能性があり、進捗の見極めが欠かせません。

四季報・専門メディアから見る現状と評価

株価指標で市場評価を確認すると、テックファームHDはPER11.4倍・PBR1.26倍・配当利回り1.51%(株価529円時点、時価総額約39.8億円)で取引されています。PBRは1倍を上回るものの過度な割高感はなく、市場は同社の収益力を相応に評価しているとみられます。

会社四季報や専門メディアでは、こうしたテックファームHDの事業基盤・収益構造の強みと、競争環境や市況・コスト面の課題の両面が論点として取り上げられます。本記事の各章で整理してきた強みとリスクは、これら専門媒体の評価軸ともおおむね重なります。投資判断にあたっては、最新の四半期決算で示される利益動向と、会社が示す中期的な方針のアップデートを継続的に確認することが重要です。

総じて、現時点のテックファームHDは、本業の収益力を土台に着実に企業価値を積み上げている局面にあり、株価指標も事業の実態を反映した水準にあると整理できます。指標の割安・割高だけでなく、事業の競争力と業績トレンドを合わせて見ていくことが、判断の精度を高めるうえで欠かせません。

※本記事の指標・数値は株探(かぶたん)等の公開情報をもとに執筆時点(2026年6月)で整理したものです。会社四季報オンラインおよびFACTA ONLINE等の専門メディアについては公開範囲の情報を参照しており、有料会員限定コンテンツの内容は含みません。最新の数値・評価は各社の最新開示・媒体で必ずご確認ください。

株価指標と需給

テックファームの株価指標は、PER約11.4倍(2026年6月期予想EPS46.4円基準)、PBR約1.26倍、配当利回り約1.51%です。IT受託開発企業としては標準的な水準で、極端な割安でも割高でもありません。ただし、今期が減益計画である点が株価の重しとなっており、来期以降に再び利益成長軌道に戻れるかどうかが、指標の見直しにつながる分岐点です。

指標数値
株価529円
時価総額39.8億円
PER(予想)11.4倍
過去3年平均PER—倍
PBR1.26倍
配当利回り1.51%
信用倍率—倍
発行済株式数7,063,400株株

適正株価の試算――弱気・中立・強気の3シナリオ

ここからは、現在の株価529円に対して、いくつかの前提を置いた「参考値」としての株価レンジを試算します。あくまで一定の仮定に基づく目安であり、将来の株価を保証するものではありません。

方式①:EPS×想定PER法

会社予想EPS46.4円(2026年6月期)を基準に、想定PERを変えて株価を試算します。過去3年の平均PERは約—倍です。

シナリオ想定PER試算株価現値比
弱気9倍418円-21.0%
中立11倍510円-3.6%
強気14倍650円22.9%

方式②:PBR法

1株純資産420円を基準に、想定PBRを変えて試算した株価です。

シナリオ想定PBR試算株価現値比
弱気1倍420円-20.6%
中立1.3倍546円3.2%
強気1.6倍672円27.0%

⚠ 試算にあたっての注意

上記はいずれも「会社予想や過去平均が今後も維持される」と仮定した参考値です。EPSは会社予想を用いており、相場環境・業績動向次第で上下します。実際の株価はこのレンジを外れることもあります。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。

投資する際に押さえておきたいリスク

  • 減益リスク:2026年6月期は会社計画で減益を見込んでおり、前期の利益急伸が一時的だった可能性があります。利益水準の継続性が最大の論点です。
  • 受託案件の変動リスク:受託開発はプロジェクトの受注・完了時期で売上・利益が振れます。大型案件の有無が四半期業績を大きく左右します。
  • 人材確保リスク:IT受託は技術者の確保・育成が成長の前提です。人件費の上昇や人材流出は利益率を圧迫する要因になります。
  • 小型株の流動性リスク:時価総額約40億円の小型株であり、出来高が薄い局面では株価の変動が大きくなりやすい点に留意が必要です。
  • 成長テーマの不確実性:AI・IoT・越境ECなどの新規領域はまだ収益貢献が発展途上であり、想定通りに育つとは限りません。

指標とニュースの読み方

PER・PBRの見方

バリュエーションは標準的です。2026年6月期予想EPS46.4円に対し、PER11倍で株価約510円、9倍なら約418円、14倍まで評価されれば約650円という計算になります。PBRは約1.26倍で、手元現金が厚いことを踏まえると資産面からの下値は意識されやすい水準です。利益が再び成長軌道に戻れば、低めのPERが見直される余地があります。

チェックすべきポイント

  • 通期計画への進捗――減益計画に対して実績がどう推移しているか、上振れ・下振れの兆候はないか。
  • 受託開発の採算――売上営業損益率(足元10%前後)が維持・改善できているか。
  • 成長テーマの収益貢献――AI・IoT・越境ECなどの新規領域が利益に寄与し始めているか。
  • 手元資金の活用――厚い現金を成長投資や株主還元にどう使うか、資本効率の改善が見られるか。

💡 ニュースを読むときの視点

💡,ニュースを読むときの視点,テックファームHDは小型株のため、決算と大型案件の動向に株価が大きく反応します。受託開発の採算、AI・IoT関連の新規案件、そして利益が再び成長軌道に戻る兆しがあるかに注目すると、株価の方向性を読み解きやすくなります。

投資スタンスの整理

💡 タイプ別の考え方

テックファームHDへの投資スタンスは、「小型IT受託株のテーマ性と業績の振れ」を理解したうえで臨む姿勢が基本です。財務は健全で手元資金も厚く、AI・IoTなどの成長テーマを抱える点は魅力ですが、今期は減益計画であり、受託開発特有の業績の不安定さがあります。小型株ゆえに株価変動も大きくなりやすいため、案件採算と通期進捗を四半期ごとに確認しながら、無理のない範囲で位置づけるのが現実的です。

まとめ

テックファームHDは、モバイルアプリ・システムの受託開発を主力に、AI・5G・IoTや越境EC支援といった成長テーマを抱える小型IT企業です。2025年6月期に利益が急伸した反動で2026年6月期は減益を計画しており、利益の実力を見極めることが重要です。財務は自己資本比率約60%・現金比率50%超と健全で、手元資金は厚め。受託開発の採算と成長テーマの育成、そして小型株特有の業績の振れをどう評価するかが、この銘柄を見るうえでの要点となります。

⚠ 本記事のスタンス

本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではありません。記載した株価・指標は2026年6月19日時点(株探調べ)のものであり、適正株価に類する記述は一定の前提に基づく参考値です。

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⚠ 免責事項

本記事は公開情報をもとにした情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買や投資を推奨するものではありません。記載した株価・指標等は執筆時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。適正株価や目標株価に類する記述は一定の前提に基づく参考値であり、将来の株価を保証するものではありません。投資の最終判断は、ご自身の責任において行ってください。

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