コロプラ(3668)はどんな会社か
コロプラ(3668)は、スマートフォン黎明期に位置情報ゲーム「コロニーな生活」でブレイクし、その後「白猫プロジェクト」などのヒットで急成長した、日本のモバイルゲームの草分け的存在です。
しかし全盛期から売上高は縮小し、直近では最終赤字が続いています。その一方で、過去に稼いだ潤沢なキャッシュを抱え、時価総額の大半を現預金が占める「資産バリュー株」としての側面が強まっています。
本記事では、株価352円・PBR0.68倍・時価総額459億円(いずれも2026年6月19日終値ベース、株探調べ)という現状を出発点に、最終赤字ゆえにPER×EPSが使えないこの銘柄を、PBR・ネットキャッシュ・黒字化シナリオの観点から整理します。
💡 まず押さえたいポイント
コロプラ(3668)は、位置情報ゲームの草分けとして知られる老舗ゲーム会社です。かつての「白猫プロジェクト」などのヒットで稼いだ潤沢なキャッシュを背景に、現在は時価総額の大半を現預金が占める「資産バリュー株」的な状態にあります。一方で本業のゲーム事業は減収が続き、直近期も最終赤字。本記事では、PER×EPSではなくPBR・ネットキャッシュ・黒字化シナリオを軸に株価水準を整理します。 本記事では株価352円、時価総額459億円、PER-(最終赤字)倍、PBR0.68倍(いずれも2026年6月19日時点・株探調べ)を起点に、業績トレンドと株価水準を整理します。数値は執筆時点のものであり、最新の株価・指標はご自身でご確認ください。
事業の深掘り――コロプラの事業内容――位置ゲーの草分けと厚いキャッシュ
位置情報ゲームの草分けとしての歴史
コロプラの社名は「位置ゲー(位置情報ゲーム)でつくるプラットフォーム」に由来します。GPSを使った「コロニーな生活」で注目を集め、スマホシフトの波に乗って「クイズRPG魔法使いと黒猫のウィズ」「白猫プロジェクト」といったヒットタイトルを生み出しました。
ゲーム事業の現状と多角化
現在もゲーム事業が収益の柱ですが、ヒットタイトルの成熟に伴い売上は緩やかに縮小しています。これに対し、アライアンス(他社IPとの協業)、知的財産(IP)活用、VR/メタバース領域への展開など、ゲーム以外の事業の芽を育てようとしています。
キャッシュリッチな財務体質
コロプラの最大の特徴は、潤沢な現預金と実質無借金の財務です。2025年9月期末で現預金456億円、自己資本689億円、自己資本比率91%。時価総額459億円とほぼ同額の現金を保有しており、ここが「資産バリュー株」と評価される根拠になっています。
💡 ビジネスモデルの特徴
💡,資産バリューの着眼点,時価総額459億円に対し現預金456億円・自己資本689億円。理論上、現金とほぼ同じ値段で会社全体が買える計算になり、本業の価値が「ほぼタダ」で評価されている状態とも読めます。
最新決算(2025年9月期)の要点
2025年9月期は売上高259億円(前期比横ばい)、営業利益は10.0億円と前期の赤字から黒字転換しましたが、持分法損益や評価損などにより最終損益は3.0億円の赤字となりました。2026年9月期の会社予想は本記事執筆時点で未開示です。
💡 決算のポイント
⚠,黒字化はまだ「半分」,2025年9月期は営業利益が黒字転換しましたが、最終損益は赤字のまま。「営業黒字=投資判断OK」ではなく、当期純利益の黒字定着まで見届けることが重要です。
業績トレンドの深掘り――長期と四半期
長期業績の推移(過去4期+会社予想)
売上高は「白猫プロジェクト」全盛期の370億円規模(2021.09期)から、足元では260億円前後まで縮小しています。営業利益は2024.09期に赤字へ転落した後、2025.09期に10億円の黒字へ回復しましたが、最終損益はなお赤字圏にあります。ヒットタイトル依存からの脱却が課題です。
四半期業績の推移
四半期では、2026年1-3月期に営業利益6.2億円・最終利益6.6億円と黒字を確保するなど、四半期ベースでは黒字の四半期も出てきています。新作・既存タイトルの更新やコスト管理の進捗を、四半期ごとに確認していきたい局面です。
⚠ 四半期の見方の注意
💡,四半期では黒字も,2026年1-3月期は営業・最終とも黒字を確保。通期では会社予想が未開示のため、四半期の積み上がりで通期の着地を推測する局面です。
財務とキャッシュフロー
2025年9月期の営業キャッシュフローは26.4億円のプラスで、本業からの資金創出力は維持されています。投資・財務CFはマイナスですが、これは自己株取得・配当などの株主還元と投資によるもので、期末現金は456億円と潤沢です。
💡 キャッシュフローの読み方
💡,本業の資金創出は健在,営業CFは26.4億円のプラス。最終赤字でも本業からの現金は生み出せており、潤沢な手元資金と合わせて財務の安定感は高い水準です。
中期経営計画から読み解く現在地と未来予測
① 中期経営方針の数値目標
コロプラは中長期の成長に向けて、モバイルゲームで「Global Top 20」を目指す中期経営方針を掲げ、その先の目標として連結売上高1,000億円以上・連結営業利益500億円以上を打ち出しています。「白猫プロジェクト」などのヒットタイトルで知られるゲーム会社ですが、近年はエンターテインメント(ゲーム)と投資育成の二軸を経営の柱に据え、適切なリソース配分と分散投資によって事業拡大を図る方針を示しています。
足元の業績は回復基調にあります。2025年9月期は売上高259億円・営業利益10億円を計上し、上場来初の営業赤字となった2024年9月期から黒字転換を果たしました。ただし中期経営方針が掲げる売上1,000億円・営業利益500億円という水準は現状から大きな飛躍を要するもので、ヒットタイトルの創出と投資育成事業の成果が積み上がって初めて視野に入る、長期的な到達目標と位置づけられます。
② 今後の期待値はどこにあるか
期待値の中心は二つあります。一つはモバイルゲーム事業で新たなヒットを生み、「Global Top 20」に向けた収益拡大を実現できるか。もう一つは投資育成事業(スタートアップ投資など)が含み益や売却益を通じて利益に貢献するかです。黒字転換を達成した2025年9月期を起点に、利益成長の持続性をどう高めていくかが当面のテーマになります。手元資金の活用や株主還元の方針も投資家の注目点です。
一方で、ゲーム事業は当たり外れが大きく、既存タイトルの課金が鈍化すれば業績が下押しされます。投資育成事業も市場環境次第で評価損益が振れやすく、安定収益とは言いにくい面があります。投資家としては、主力タイトルの稼働状況、新規タイトルの立ち上がり、投資育成事業の損益貢献、そして売上1,000億円・営業利益500億円という長期目標に向けた進捗を、四半期ごとに丁寧に確認していくことが重要です。
中期経営方針はモバイルゲームで「Global Top 20」を掲げ、連結売上高1,000億円以上・営業利益500億円以上を長期目標とします。直近の2025年9月期は売上259億円・営業利益10億円で黒字転換を達成。目標との差は大きく、ヒットタイトルの創出と投資育成事業の成果が積み上がるかが、長期目標到達のカギになります。
ゲーム事業はヒットの有無で業績が大きく振れ、既存タイトルの課金減少が直接利益に響きます。投資育成事業も相場環境次第で評価損益が変動し、収益の安定性を欠く一因になり得ます。2024年9月期には上場来初の営業赤字を経験しており、黒字転換したとはいえ利益水準はまだ低め。売上1,000億円・営業利益500億円という長期目標との隔たりは大きく、達成には相応のヒット創出が必要です。
四季報・専門メディアから見る現状と評価
株価指標で市場評価を確認すると、コロプラはPBR0.68倍(株価352円時点、時価総額約459億円)で取引されています。PBRが1倍を下回っており、利益や資産の水準に対して株価が割安に評価されている可能性がある一方、その割安さの背景(成長性や市況への警戒)を見極める必要があります。
会社四季報や専門メディアでは、こうしたコロプラの事業基盤・収益構造の強みと、競争環境や市況・コスト面の課題の両面が論点として取り上げられます。本記事の各章で整理してきた強みとリスクは、これら専門媒体の評価軸ともおおむね重なります。投資判断にあたっては、最新の四半期決算で示される利益動向と、会社が示す中期的な方針のアップデートを継続的に確認することが重要です。
総じて、現時点のコロプラは、本業の収益力を土台に着実に企業価値を積み上げている局面にあり、株価指標も事業の実態を反映した水準にあると整理できます。指標の割安・割高だけでなく、事業の競争力と業績トレンドを合わせて見ていくことが、判断の精度を高めるうえで欠かせません。
※本記事の指標・数値は株探(かぶたん)等の公開情報をもとに執筆時点(2026年6月)で整理したものです。会社四季報オンラインおよびFACTA ONLINE等の専門メディアについては公開範囲の情報を参照しており、有料会員限定コンテンツの内容は含みません。最新の数値・評価は各社の最新開示・媒体で必ずご確認ください。
株価指標と需給
PERは最終赤字のため算出されませんが、PBRは0.68倍と解散価値を下回る水準です。自己資本比率は91%、実質無借金で、時価総額459億円に対し現預金が456億円とほぼ拮抗している点が最大の特徴です。
適正株価の試算――弱気・中立・強気の3シナリオ
ここからは、現在の株価352円に対して、いくつかの前提を置いた「参考値」としての株価レンジを試算します。あくまで一定の仮定に基づく目安であり、将来の株価を保証するものではありません。
方式①:EPS×想定PER法
仮に将来本格的な黒字化が定着し想定EPSを30円と置いた場合を参考に、想定PERを変えて株価を試算します。過去3年の平均PERは約-倍です。
方式②:PBR法
1株純資産536.66円円を基準に、想定PBRを変えて試算した株価です。
⚠ 試算にあたっての注意
上記はいずれも「会社予想や過去平均が今後も維持される」と仮定した参考値です。EPSは会社予想を用いており、相場環境・業績動向次第で上下します。実際の株価はこのレンジを外れることもあります。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。
投資する際に押さえておきたいリスク
- ヒットタイトル依存――特定タイトルの売上ピークアウトが業績全体に直結しやすく、減収トレンドが続いています。
- 最終赤字の継続――営業黒字に戻っても、評価損や持分法損益などで最終赤字となる年があり、黒字の定着が確認できていません。
- 新作の不確実性――モバイルゲームはヒットの再現性が低く、新作が当たるかどうかは事前に読みにくい構造的リスクがあります。
- キャッシュの使途――潤沢な現金をどう成長投資・株主還元に振り向けるかが不透明な場合、バリューが株価に反映されにくくなります。
指標とニュースの読み方
PER・PBRの見方
コロプラは最終赤字のため、当ブログの中核である「EPS×PERの3シナリオ目標株価」はそのままでは成立しません。そこで本記事では、PBR・ネットキャッシュ・黒字化シナリオを中心に株価水準を整理します。時価総額459億円に対し現預金456億円・自己資本689億円という財務は、いわゆる「キャッシュリッチ・ディープバリュー」の典型です。
チェックすべきポイント
- 最終損益が黒字に定着するか(営業黒字だけでなく当期純利益のトレンド)
- PBRが解散価値(1倍)に向けて見直されるか、ネットキャッシュ比率の推移
- 自己株取得・増配など株主還元の強化があるか
- 新作・既存タイトル更新や、VR/メタバース・IP事業の進捗
💡 ニュースを読むときの視点
⚠,EPS×PERが使えない銘柄,最終赤字のためPERは算出されません。本記事ではPER×EPSの目標株価ではなく、PBR・ネットキャッシュ・黒字化シナリオで株価水準を整理しています。
投資スタンスの整理
💡 タイプ別の考え方
本業のゲーム事業の収益回復力には不透明感が残るものの、厚いネットキャッシュと実質無借金の財務が下値の安心材料になりやすい銘柄です。バリュー妙味とカタリスト(黒字定着・株主還元・新作)を見極めながら、リスク許容度の範囲で位置づけることが重要です。
まとめ
コロプラは、位置情報ゲームの草分けとして潤沢なキャッシュを築いた一方、本業の収益力低下と最終赤字という課題を抱える「資産バリュー型ゲーム株」です。PER×EPSでは測りにくいぶん、PBR0.68倍・ネットキャッシュ・黒字化の進捗という視点で、自分なりの前提を持って向き合うことが大切です。
⚠ 本記事のスタンス
本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではありません。記載した株価・指標は2026年6月19日時点(株探調べ)のものであり、適正株価に類する記述は一定の前提に基づく参考値です。
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📄 参考・出典
⚠ 免責事項
本記事は公開情報をもとにした情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買や投資を推奨するものではありません。記載した株価・指標等は執筆時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。適正株価や目標株価に類する記述は一定の前提に基づく参考値であり、将来の株価を保証するものではありません。投資の最終判断は、ご自身の責任において行ってください。

