伊勢化学工業(4107)の目標株価は?ヨウ素世界有数・ペロブスカイト関連

伊勢化学工業(4107)の株価分析|億り人研究所
目次

伊勢化学工業(4107)はどんな会社か

伊勢化学工業(4107)は、「ヨウ素」という素材で世界有数のシェアを持つ、ユニークな化学メーカーです。ヨウ素は、千葉県などの地下から汲み上げる天然ガスかん水に含まれており、日本は世界有数のヨウ素産出国です。

ヨウ素は、X線造影剤などの医療用途、液晶フィルム、工業用触媒など幅広い分野で使われます。近年は、次世代太陽電池として期待される「ペロブスカイト太陽電池」の材料としても注目を集めています。

本記事では、株価3,800円前後・PER37倍・PBR4.9倍・時価総額2,008億円(いずれも2026年6月19日終値ベース、株探調べ)という現状を出発点に、事業内容・業績・財務・バリュエーションを株価視点で整理します。

💡 まず押さえたいポイント

伊勢化学工業(4107)は、天然ガスかん水から採れる「ヨウ素」で世界有数のシェアを持つ高収益化学メーカーです。ヨウ素は医療や工業など幅広い用途を持ち、ペロブスカイト太陽電池の材料としても注目されています。2025年12月期は最高益を更新しましたが、2026年12月期は反動減の計画です。 本記事では株価3,800円、時価総額2,008億円、PER36.9倍、PBR4.93倍(いずれも2026年6月19日時点・株探調べ)を起点に、業績トレンドと株価水準を整理します。数値は執筆時点のものであり、最新の株価・指標はご自身でご確認ください。

事業の深掘り――伊勢化学の事業――「ヨウ素」という縁の下の素材

ヨウ素という希少資源

伊勢化学の中核は、天然ガスかん水から採取するヨウ素の生産です。ヨウ素は産出国が限られる希少資源で、日本はその主要産地の一つ。同社は世界有数のヨウ素メーカーとして、安定した供給力と価格交渉力を持っています。

幅広い用途とテーマ性

ヨウ素は医療(造影剤・殺菌)、工業(触媒・液晶フィルム)など多様な用途を持ちます。加えて、次世代の「ペロブスカイト太陽電池」の材料としても注目され、将来の需要拡大への期待が同社のテーマ性を高めています。

高収益と堅実な財務

ヨウ素市況の上昇を背景に、売上営業利益率は20%超と高水準。自己資本比率78.5%・実質無借金と財務も堅実で、市況の変動に耐えうる体力を備えています。

💡 ビジネスモデルの特徴

💡,希少資源「ヨウ素」の強み,ヨウ素は産出国が限られる希少資源で、日本はその主要産地。世界有数のメーカーである伊勢化学は、供給力と価格交渉力を背景に高い利益率を実現しています。

最新決算(2025年12月期)の要点

2025年12月期は売上高392億円・最終利益65.0億円と過去最高水準の好業績でした。一方、2026年12月期は売上380億円・最終利益54.0億円と、ヨウ素市況の調整を見込み減益を計画しています。配当は39円から40円へ増配予定です。

項目日宝化学ADEKA前期比
売上高392億円前期比増収(最高益水準)
営業利益94.8億円前期比増益
経常利益92.5億円前期比増益
最終利益65.0億円前期比増益
1株配当39円(2026.12期予想40円・増配)

💡 決算のポイント

⚠,最高益の翌期は反動減計画,2025年12月期は好調でしたが、2026年12月期は市況反動で減益計画。市況product的な業績変動を前提に、利益のピーク・ボトムを意識して見ることが重要です。

業績トレンドの深掘り――長期と四半期

長期業績の推移(過去4期+会社予想)

売上高は2024.12期332億円→2025.12期392億円と伸び、最終利益も50.7億円→65.0億円へ拡大しました。これはヨウ素価格の上昇が大きく寄与した結果です。ただし2026.12期はその反動で減益を計画しており、ヨウ素市況の変動が業績を大きく左右する構造であることがうかがえます。

決算期売上高営業益経常益最終益EPS配当
2024.12332億76億74億50億99.5円36円
2025.12392億94億92億65億127.5円39円
予2026.12380億80億78億54億106.0円40円

四半期業績の推移

四半期では、2026年1-3月期に売上88億円・営業利益19.6億円・売上営業利益率22.2%と高い採算を維持しています。ヨウ素価格と生産量の動向が四半期業績を左右するため、市況のトレンドを確認しながら見ていくことが重要です。

四半期売上高営業益経常益最終益EPS利益率
25.10-1292億19億19億13億25.9円21.5%
26.01-0388億19億19億13億26.0円22.2%

⚠ 四半期の見方の注意

💡,四半期も高採算を維持,2026年1-3月期も売上営業利益率22%超と高採算。ヨウ素価格と生産量が四半期業績を左右するため、市況トレンドの確認が欠かせません。

財務とキャッシュフロー

2025年12月期の営業キャッシュフローは75.3億円のプラスで、増益を反映して資金創出力が高まっています。投資CFはマイナスで増産・効率化投資を継続。自己資本比率78.5%・実質無借金と、財務は極めて健全な水準です。

項目数値
1株純資産(BPS)約780円(株式分割調整後)円
自己資本比率78.5%%
自己資本400.7億円
有利子負債倍率実質無借金倍
営業CF(2025年12月期)+75.3億円
投資CF(2025年12月期)-66.9億円
財務CF(2025年12月期)-20.2億円
現金等残高45.0億円

💡 キャッシュフローの読み方

💡,好財務で市況変動に強い,営業CF75.3億円、自己資本比率78.5%、実質無借金。市況の谷でも耐えうる財務体質が、この銘柄の安定感を支えています。

適正株価の試算――弱気・中立・強気の3シナリオ

ここからは、現在の株価3,800円に対して、いくつかの前提を置いた「参考値」としての株価レンジを試算します。あくまで一定の仮定に基づく目安であり、将来の株価を保証するものではありません。

方式①:EPS×想定PER法

会社予想EPS106円(2026年12月期)を基準に、想定PERを変えて株価を試算します。過去3年の平均PERは約-倍です。

シナリオ想定PER試算株価現値比
弱気25倍2,650円-30.3%
中立35倍3,710円-2.4%
強気40倍4,240円11.6%

方式②:PBR法

1株純資産約780円(株式分割調整後)円を基準に、想定PBRを変えて試算した株価です。

シナリオ想定PBR試算株価現値比
弱気4.5倍3,510円-7.6%
中立5倍3,900円2.6%
強気5.5倍4,290円12.9%

⚠ 試算にあたっての注意

上記はいずれも「会社予想や過去平均が今後も維持される」と仮定した参考値です。EPSは会社予想を用いており、相場環境・業績動向次第で上下します。実際の株価はこのレンジを外れることもあります。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。

株価指標と需給

PERは約37倍、PBRは約4.9倍とやや高めの評価です。これはヨウ素という希少資源の世界的なポジションや、ペロブスカイト太陽電池などの将来テーマへの期待が織り込まれているためと見られます。市況次第で利益が振れるため、評価の高さは相応のリスクも伴います。

指標数値
株価3,800円
時価総額2,008億円
PER(予想)36.9倍
過去3年平均PER-倍
PBR4.93倍
配当利回り1.02%%
信用倍率-倍
発行済株式数51,351,350株株

投資する際に押さえておきたいリスク

  • ヨウ素市況の変動――業績がヨウ素価格に大きく左右されるため、市況の下落局面では減益となりやすい構造です。
  • 反動減のリスク――好調だった翌期に反動で減益となる傾向があり、2026.12期も減益計画です。
  • テーマ依存の評価――ペロブスカイト太陽電池などの期待が剥落すると、高めのPER・PBRが調整される可能性があります。
  • 資源・環境制約――かん水資源の採取には地盤沈下など環境面の制約もあり、増産には一定の限界があります。

指標とニュースの読み方

PER・PBRの見方

会社予想EPS106.0円(2026年12月期)を基準に、想定PERを変えて株価を試算します。テーマ性・希少資源価値を評価して強気にPER40倍を当てれば約4,240円、標準的にPER33〜36倍なら約3,500〜3,820円、市況低迷を織り込み弱気にPER25倍とすれば約2,650円が一つの目安です。現状の株価3,800円前後は、標準〜やや強気シナリオの範囲にあると読めます。

チェックすべきポイント

  • ヨウ素価格・市況のトレンド
  • 売上営業利益率(20%超の高採算)の維持
  • ペロブスカイト太陽電池など新用途の需要進展
  • 増産投資とキャッシュフローのバランス

💡 ニュースを読むときの視点

💡,ペロブスカイト太陽電池というテーマ,ヨウ素は次世代太陽電池「ペロブスカイト」の材料としても注目されています。将来の需要拡大への期待が、同社のテーマ性と評価を押し上げる要因になっています。

投資スタンスの整理

💡 タイプ別の考え方

ヨウ素という希少資源で世界有数のポジションを持ち、高い利益率と好財務を備えた銘柄です。一方、ヨウ素市況の変動で業績が振れやすく、PER・PBRはやや高めです。ペロブスカイト太陽電池というテーマ性も含め、市況と将来期待のバランスを見ながら、リスク許容度の範囲で位置づけることが重要です。

まとめ

伊勢化学工業は、ヨウ素という縁の下の希少素材で世界有数の地位を持つ、高収益・好財務の化学メーカーです。市況変動で業績が振れる点には注意が必要ですが、ペロブスカイト太陽電池などの将来テーマと結びつく点が中長期の魅力です。市況の循環を理解したうえで向き合いたい銘柄といえます。

⚠ 本記事のスタンス

本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではありません。記載した株価・指標は2026年6月19日時点(株探調べ)のものであり、適正株価に類する記述は一定の前提に基づく参考値です。

この銘柄を実際に取引するなら、手数料や取扱商品・ツールを比較して自分に合った証券口座を選びましょう。ネット証券は口座開設・維持費は無料で、少額から始められます。

⚠ 免責事項

本記事は公開情報をもとにした情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買や投資を推奨するものではありません。記載した株価・指標等は執筆時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。適正株価や目標株価に類する記述は一定の前提に基づく参考値であり、将来の株価を保証するものではありません。投資の最終判断は、ご自身の責任において行ってください。

【追記】2026年6月・今週の話題材料――米国でのヨウ素抽出権取得

2026年6月22日〜26日の週、伊勢化学工業(4107)は株探の週間ダイジェストで「材料出現で動意付いた銘柄」として取り上げられ、ストップ高を演じました。材料は、米国でのヨウ素抽出権を取得する契約を締結したことです。ヨウ素は世界的に供給が限られる希少資源であり、新たな権益の獲得は中長期の生産基盤の拡大につながると受け止められました。

執筆時点の株価は約4,385円(ストップ高、前日比+19%)まで急伸し、PERは約41.4倍、PBRは約5.53倍、時価総額は約2,252億円となっています。ヨウ素世界有数の地位に加え、ペロブスカイト太陽電池など成長テーマも併せ持つ同社にとって、海外資源権益の確保は供給面の強化材料です。

💡 今週の材料整理

①材料:米国でのヨウ素抽出権取得の契約締結を好感しストップ高。②株価:約4,385円(+19%)、PER約41.4倍・PBR約5.53倍。③希少資源ヨウ素の権益拡大は中長期の供給基盤強化につながる一方、足元の指標は割高水準。

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