中国塗料(4617)の実力は?船舶用塗料世界大手と海運市況連動を読み解く【2026年6月】

中国塗料(4617)の株価分析|億り人研究所
目次

中国塗料(4617)はどんな会社か

世界の海を行き交う船――その船底を錆やフジツボの付着から守っているのが、船舶用塗料です。中国塗料(4617)は、この船底防汚塗料などで世界トップクラスのシェアを持つ専門塗料メーカーです。社名の「中国」は中国地方(広島)に由来し、海外企業ではありません。

2026年3月期は売上高1,394億円・最終利益110億円と高い収益水準を維持しています。一方、株探上のPER表記は「-」。これは会社が2027年3月期の利益予想を開示していないためで、海運市況に左右される同社の事業特性とも関係します。

株価3,510円に対しPBRは1.82倍、配当利回りは2.85%。本記事では、海運を足元から支える船舶用塗料という事業の強みと、市況連動という特性を、一次情報をもとに株価視点で整理します。

💡 まず押さえたいポイント

中国塗料(4617)は、船舶用塗料で世界トップクラスのシェアを持つ専門塗料メーカーです。2026年3月期は売上高1,394億円・最終利益110億円と高水準を維持しましたが、会社は2027年3月期の利益予想を未開示としているため、株探上のPER表記は「-」となっています。株価3,510円に対しPBRは1.82倍、配当利回りは2.85%。本記事では、海運市況と連動する船舶用塗料という事業特性と、グローバルな競争力を株価視点で整理します。 本記事では株価3,510円、時価総額1,931億円、PER-倍、PBR1.82倍(いずれも2026年6月19日時点・株探調べ)を起点に、業績トレンドと株価水準を整理します。数値は執筆時点のものであり、最新の株価・指標はご自身でご確認ください。

事業の深掘り――船底を守る――海運を支える船舶用塗料の世界大手

船底防汚塗料――海運インフラを支える基盤事業

中国塗料の主力は、船底に塗ることで生物の付着や腐食を防ぐ「船底防汚塗料」です。フジツボや藻の付着は船の燃費悪化に直結するため、防汚性能の高い塗料は海運会社にとって燃料コスト削減の重要な手段です。同社はこの分野で世界トップクラスのシェアを持ち、新造船向けに加え、定期的なメンテナンス(修繕船)向けの継続需要も収益基盤となっています。

グローバルな販売・製造網

船舶は世界中を移動するため、塗料メーカーには各地での供給・サービス体制が求められます。中国塗料はアジアを中心に世界各地に製造・販売網を展開し、グローバルな海運需要に対応しています。この海外ネットワークが参入障壁となり、新規参入者に対する競争優位の源泉となっています。

工業用塗料・環境対応製品への展開

同社は船舶用に加え、コンテナや橋梁・プラントなど向けの工業用塗料も手がけています。また、環境規制の強化を背景に、燃費改善や環境負荷低減に資する高機能塗料の開発にも注力しています。海運業界の脱炭素ニーズの高まりは、高付加価値な防汚・省燃費塗料への需要を後押しする可能性があります。

💡 ビジネスモデルの特徴

💡,「船底」という地味で堅い需要,船底防汚塗料は、船の燃費に直結する重要な機能材です。新造船だけでなく、数年ごとの定期的な塗り替え(修繕船)需要が継続的に発生するため、海運の規模が維持される限り需要が途切れにくい、ストック性のある事業です。

最新決算(2026年3月期)の要点

2026年3月期は売上高1,394億円(前期比約6%増)、最終利益110億円と、前期(137億円)から減益となりました。船舶用塗料の需要は底堅いものの、為替や原材料費、地域ミックスの影響を受けた形です。会社は2027年3月期について売上高1,500億円とトップラインの増収を見込む一方、利益予想は本記事執筆時点で未開示としており、PERは算出できません。配当は2026年3月期111円から2027年3月期100円計画です。

項目関西ペイント(4613)日本ペイントホールディングス(4612)前期比
売上高1,394億円前期比 約6%増
最終利益110億円前期 137億円から減益
EPS(実績)221.7円2027.3期 利益予想は未開示
配当111円2027.3期は100円計画(利回り約2.9%)

💡 決算のポイント

⚠,「PER-」は赤字ではなく予想未開示,株探でPERが「-」と表示されるのは、中国塗料が赤字だからではなく、2027年3月期の利益予想を会社が開示していないためです。直近実績は最終益110億円の黒字であり、「PER-=危険」と誤解しないことが重要です。

業績トレンドの深掘り――長期と四半期

長期業績の推移(過去4期+会社予想)

中国塗料の業績は、世界の海運市況や新造船・修繕船の需要、為替に左右されつつ、船舶用塗料という専門領域での高いシェアを背景に、おおむね高い利益水準を維持してきました。最終利益は2025年3月期137億円から2026年3月期110億円へ減少しましたが、売上高は着実に増加しています。船舶のメンテナンス需要は景気変動の影響を受けつつも継続的に発生するため、ストック的な需要基盤を持つ点が特徴です。

決算期売上高営業益経常益最終益EPS配当
2025.031,312億154億165億137億276.8円97円
2026.031,394億174億178億110億221.7円111円
予2027.031,500億—億—億—億—円100円

四半期業績の推移

四半期では、2025年7-9月期に最終益34億円と好調だった一方、2026年1-3月期は最終益22億円とやや軟調でした。売上営業損益率は11〜14%台で推移しており、専門塗料ならではの相対的に高い採算性を維持しています。四半期ごとに為替や地域ミックスの影響で利益が上下するため、通期ベースのトレンドで捉えることが重要です。

四半期売上高営業益経常益最終益EPS利益率
25.07-09359億51億48億34億68.2円14.3%
25.10-12334億39億44億29億58.2円11.6%
26.01-03374億45億46億22億44.3円12.1%

⚠ 四半期の見方の注意

💡,高い採算性を維持,売上営業損益率は11〜14%台と、専門塗料ならではの相対的に高い採算性を維持しています。四半期ごとの利益の振れは、為替や地域ミックスの影響によるものです。

財務とキャッシュフロー

2026年3月期の営業キャッシュフローは144億円と、最終利益110億円を上回る水準を確保しています。投資キャッシュフローは+16億円、フリーキャッシュフローは160億円のプラスと、設備負担が軽くキャッシュ創出力が高い構造です。自己資本比率60.6%・有利子負債倍率0.18倍と財務は健全で、手元現金381億円と、海運市況の変動局面でも耐えうる財務基盤を備えています。

項目数値
1株純資産(BPS)1,924.33円円
自己資本比率60.6%
自己資本955億円
有利子負債倍率0.18倍
営業CF(2026年3月期)144億円
投資CF(2026年3月期)+16億円
財務CF(2026年3月期)-103億円
現金等残高381億円

💡 キャッシュフローの読み方

💡,軽い設備負担と厚いキャッシュ,2026年3月期はフリーCF160億円と、最終益を上回るキャッシュを創出しました。設備負担が軽く、自己資本比率60.6%・実質低レバレッジの健全財務が、市況変動への耐久力を支えています。

中期経営計画から読み解く現在地と未来予測

① 中期経営計画の数値目標

中国塗料(CMP)は、船舶用塗料で国内シェア1位、世界でも有数のシェアを持つ塗料メーカーで、海外売上比率が約68%と高いグローバル企業です。中期経営計画は実行期間を2025年度まで、中期を2030年度までと位置づけており、2025年度(2026年3月期)の連結業績目標(改定後)として、売上高1,200億円、営業利益110億円、親会社株主に帰属する当期純利益70億円、ROE10%以上を掲げていました。

実際の足元の業績はこの目標を上回って推移しており、直近では売上高1,393億円、営業利益174億円、ROE12.3%と、計画を大きく超える好調な水準にあります。船舶用塗料の需要回復と価格政策、海外事業の伸長が寄与しており、中期計画の数値目標は前倒しで達成・上振れしている状況です。当初目標から上方に改定された経緯もあり、収益力の底上げが進んでいることがうかがえます。

② 今後の期待値はどこにあるか

期待の中心は、主力の船舶用塗料(防汚塗料)の安定需要と、海外事業の成長です。船底に付着する生物を防ぐ防汚塗料は、世界の海運・造船活動に連動する必需品で、燃費改善・環境規制対応のニーズから高機能品への置き換えも進んでいます。国内シェア1位の地位と、アジアを中心とした海外拠点網を背景に、世界の造船・修繕需要を取り込めることが強みです。

もう一つの注目は、ROE10%超という資本効率の高さと、それを支える収益力です。海外売上比率が高いため、為替が円安に振れる局面では業績の追い風となり、株主還元の余地も広がります。船舶用に加え、工業用・建材用などの高機能塗料分野を伸ばし、市況変動の影響を平準化できれば、安定的な高ROE企業として株価の見直しが期待されます。

💡 計画の読み方
中期計画は「2025年度に売上高1,200億・営業利益110億・ROE10%以上」が目標でしたが、足元の実績(売上1,393億・営業利益174億・ROE12.3%)は目標を上回っています。すでに計画を超過達成しているため、次期計画でどこまで目標を引き上げるか、そして高水準のROEを維持できるかが今後の着目点です。
⚠️ 期待値の裏にあるリスク
最大のリスクは、海運・造船市況と為替の変動です。船舶用塗料は世界の海運活動に連動するため、海運需要が落ち込めば塗料需要も縮小します。海外売上比率が高いため、円高に振れると業績の逆風となります。原料(樹脂・溶剤)価格の上昇や、中国・アジア市場の競争激化も収益を圧迫し得る点に留意が必要です。

四季報・専門メディアから見る現状と評価

株価指標で市場評価を確認すると、中国塗料はPBR1.82倍・配当利回り2.85%(株価3,510円時点、時価総額約1,931億円)で取引されています。PBRは1倍を上回るものの過度な割高感はなく、市場は同社の収益力を相応に評価しているとみられます。

会社四季報や専門メディアでは、こうした中国塗料の事業基盤・収益構造の強みと、競争環境や市況・コスト面の課題の両面が論点として取り上げられます。本記事の各章で整理してきた強みとリスクは、これら専門媒体の評価軸ともおおむね重なります。投資判断にあたっては、最新の四半期決算で示される利益動向と、会社が示す中期的な方針のアップデートを継続的に確認することが重要です。

総じて、現時点の中国塗料は、本業の収益力を土台に着実に企業価値を積み上げている局面にあり、株価指標も事業の実態を反映した水準にあると整理できます。指標の割安・割高だけでなく、事業の競争力と業績トレンドを合わせて見ていくことが、判断の精度を高めるうえで欠かせません。

※本記事の指標・数値は株探(かぶたん)等の公開情報をもとに執筆時点(2026年6月)で整理したものです。会社四季報オンラインおよびFACTA ONLINE等の専門メディアについては公開範囲の情報を参照しており、有料会員限定コンテンツの内容は含みません。最新の数値・評価は各社の最新開示・媒体で必ずご確認ください。

株価指標と需給

株価3,510円に対し、会社が2027年3月期の利益予想を未開示のためPERは「-」表記です。直近実績EPS221.7円で機械的に割り戻すと約15.8倍となります。PBRは1.82倍、配当利回りは2.85%です。世界シェアの高い専門塗料メーカーとして安定した収益力を持つ一方、海運市況と連動する側面があり、市況の方向感が指標の評価に影響します。

指標数値
株価3,510円
時価総額1,931億円
PER(予想)-倍
過去3年平均PER-倍
PBR1.82倍
配当利回り2.85%
信用倍率6.93倍
発行済株式数55,000,000株株

適正株価の試算――弱気・中立・強気の3シナリオ

ここからは、現在の株価3,510円に対して、いくつかの前提を置いた「参考値」としての株価レンジを試算します。あくまで一定の仮定に基づく目安であり、将来の株価を保証するものではありません。

方式①:EPS×想定PER法

会社予想が未開示のため直近実績EPS221.7円(2026年3月期)を便宜的な基準に、想定PERを変えて株価を試算します。過去3年の平均PERは約-倍です。

シナリオ想定PER試算株価現値比
弱気13倍2,882円-17.9%
中立16倍3,547円1.1%
強気19倍4,212円20.0%

方式②:PBR法

1株純資産1,924.33円円を基準に、想定PBRを変えて試算した株価です。

シナリオ想定PBR試算株価現値比
弱気1.5倍2,886円-17.8%
中立1.9倍3,656円4.2%
強気2.3倍4,426円26.1%

⚠ 試算にあたっての注意

上記はいずれも「会社予想や過去平均が今後も維持される」と仮定した参考値です。EPSは会社予想を用いており、相場環境・業績動向次第で上下します。実際の株価はこのレンジを外れることもあります。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。

投資する際に押さえておきたいリスク

  • 世界の海運市況や新造船・修繕船の需要、為替の変動により、利益が上下する市況連動の側面がある点。
  • 会社が2027年3月期の利益予想を未開示としているため、足元の予想ベースの収益力が外部から見えにくい点。
  • 原材料(樹脂・溶剤など)の価格変動が採算を圧迫するリスク。
  • 関西ペイント・日本ペイントなど大手や海外勢との競争、および環境規制対応のコスト負担。

指標とニュースの読み方

PER・PBRの見方

中国塗料は会社予想が未開示のため、本記事ではPERは直近実績EPS221.7円を便宜的に用いた参考値として扱います。船舶用塗料は海運市況や為替に利益が左右されるため、EPS×PERの一点像だけで株価の妥当性を測るのは適切ではありません。むしろ、世界トップクラスのシェアという事業の質、PBR1.82倍・配当利回り2.85%という指標、そして海運市況・新造船需要の方向感という3点を組み合わせて評価するのが現実的です。

チェックすべきポイント

  • 世界の海運市況・新造船受注の動向と、船舶用塗料需要への影響。
  • 会社が2027年3月期の利益予想を開示した際の、利益水準と前期比の方向感。
  • 売上営業損益率(採算性)の推移と、為替・原材料費の影響。
  • PBR1.82倍・配当利回り2.85%という指標と株価水準の関係。
  • 配当(2027.3期は100円計画)の方針と、フリーキャッシュフローの推移。

💡 ニュースを読むときの視点

💡,脱炭素と省燃費塗料,海運業界の脱炭素ニーズの高まりは、燃費改善に資する高機能な防汚・省燃費塗料への需要を後押しする可能性があります。環境対応製品は、中国塗料の付加価値を高める方向の追い風になり得ます。

投資スタンスの整理

💡 タイプ別の考え方

中国塗料は、船舶用塗料という専門領域で世界トップクラスのシェアを持ち、高い採算性と健全な財務を備えた優良企業です。一方で、海運市況や為替に利益が左右される側面があり、会社予想が未開示のため足元の収益力は外から見えにくい状況です。世界シェアという事業の強みと安定した配当を評価しつつ、海運市況・新造船需要の動向と次の業績予想の開示を見守るスタンスが合う銘柄といえます。

まとめ

中国塗料(4617)は、船舶用塗料で世界トップクラスのシェアを持つ専門塗料メーカーです。2026年3月期は売上高1,394億円・最終利益110億円と高水準を維持しつつ、会社は2027年3月期の利益予想を未開示としているためPER表記は「-」となっています。株価3,510円に対しPBR1.82倍・配当利回り2.85%。世界シェアの高さと自己資本比率60.6%の健全財務は同社の強みですが、海運市況や為替に利益が左右される点には注意が必要です。海運・新造船需要の方向感と、次の業績予想の開示が、中期の株価を左右する鍵になります。

⚠ 本記事のスタンス

本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではありません。記載した株価・指標は2026年6月19日時点(株探調べ)のものであり、適正株価に類する記述は一定の前提に基づく参考値です。

この銘柄を実際に取引するなら、手数料や取扱商品・ツールを比較して自分に合った証券口座を選びましょう。ネット証券は口座開設・維持費は無料で、少額から始められます。

⚠ 免責事項

本記事は公開情報をもとにした情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買や投資を推奨するものではありません。記載した株価・指標等は執筆時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。適正株価や目標株価に類する記述は一定の前提に基づく参考値であり、将来の株価を保証するものではありません。投資の最終判断は、ご自身の責任において行ってください。

投資に役立つサービス(PR)

銘柄分析のあとは、手数料の安いネット証券で実際の取引を。

DMM 株ではじめる!株式取引!

プロが今、注目している銘柄もチェックしておきたい方へ。

株歴50年超のプロが今、買うべきと考える銘柄

個別株とは別に、NISAでコツコツ長期積立をしたい方に。

NISA・つみたてNISAなら ひふみ投信
中国塗料(4617)の株価分析|億り人研究所

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
目次