高松コンストラクショングループ(1762)の実力は本物?受注残5,780億円と1Q利益2.7倍を徹底分析

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高松コンストラクショングループ(1762)の2027年3月期第1四半期は、売上高884.5億円、営業利益54.6億円、経常利益53.2億円となり、前年同期比で売上11.9%増、営業利益173.5%増、経常利益185.1%増でした。売上高以上に利益が伸び、営業利益率は前年同期の2.5%から6.2%へ改善しています。

6月末の受注残は5,780億円で前年同期比12%増。四季報オンラインは会社営業利益計画200億円に対し240億円を予想し、純利益150億円、EPS430.8円、配当144~174円を見込みます。本記事では、建築・土木・不動産の収益構造、選別受注、受注残の質、目標株価を分析します。

結論
・1Q営業利益は2.7倍、経常利益は2.9倍で利益率が急改善
・受注残5,780億円は年間売上計画4,000億円の約1.45倍
・建築の選別受注、土木の設計変更、不動産が利益を押し上げる
・四季報は会社計画より営業利益40億円高い240億円を予想
・中心レンジ3,900~4,700円、強気5,200~6,000円。ただし工事採算と人件費が条件
目次

高松コンストラクショングループは何の会社か

高松コンストラクショングループは、賃貸マンション建築に強い高松建設と、土木・インフラ工事を担う青木あすなろ建設を中核とする準大手建設グループです。建築、土木、住宅、リニューアル、不動産、海洋・基礎工事など複数領域を持ちます。

高松建設は土地所有者へ賃貸マンションなどを企画提案し、設計・施工まで一貫して請け負います。青木あすなろ建設は道路、橋梁、鉄道、ダム、河川、地下構造物など公共・民間土木を手掛けます。単一工種への依存が低く、建築と土木の景気差をグループ内で補完できます。

建設会社の売上は受注時ではなく工事進捗に応じて計上されます。そのため受注残が将来売上の土台になります。ただし受注残の金額が大きくても、低採算案件、工期遅延、資材・人件費上昇があれば利益は伸びません。受注量と粗利率を分けて読む必要があります。

2027年3月期1Q決算

項目1Q実績前年同期比
売上高884.5億円+11.9%
営業利益54.6億円+173.5%
経常利益53.2億円+185.1%
営業利益率6.2%前年2.5%から改善

営業利益の伸びが売上を大きく上回っています。受注時採算の改善、工事進捗、設計変更の獲得、不動産収益、原価管理が組み合わさった結果です。全セグメントが増収増益とされ、特定の一件だけに依存した決算ではありません。

通期会社計画は売上高4,000億円、営業利益200億円、経常利益195億円、純利益125億円です。1Q営業利益進捗は約27%、経常利益進捗も約27%。建設業は完成・引き渡しが下期へ偏ることがあるため、4分の1を超えた出足は強いと評価できます。

受注残5,780億円の意味

6月末受注残は5,780億円で前年同期比12%増です。通期売上計画4,000億円の約1.45倍に当たり、単純な売上不足リスクは小さく見えます。受注残は翌期以降にまたがるため全額が今期売上になるわけではありませんが、中期の可視性を高めます。

受注残を見るときは、金額、増加率、消化期間、採算、顧客、工種、価格スライド条項を確認します。資材価格高騰前に受注した固定価格案件が多いと、売上は確保できても粗利が悪化します。新規受注で価格転嫁と選別受注が進み、低採算案件が消化されるほど利益率は改善します。

受注残12%増に対して売上高11.9%増であり、受注ストックを維持しながら工事を消化しています。今後は受注高が売上高を継続して上回るか、受注残の粗利率が上がるかが焦点です。

建築事業:選別受注が利益を変える

建築費は鉄骨、セメント、設備、運送、人件費の上昇で高止まりしています。受注を増やすだけではなく、工事難易度、工期、顧客信用、設計変更余地、資材価格条項を踏まえて採算の良い案件を選ぶことが重要です。

四季報はマンションなどの貢献と選別受注による粗利改善が想定を上回ると評価しています。高松建設の土地活用提案は、単純な請負価格競争ではなく、賃料、入居率、相続・資産運用、建物仕様を含めた企画力が差別化になります。

一方、建築費上昇で事業収支が合わず、土地所有者が計画を延期するリスクがあります。金利上昇は借入返済額と投資利回りへ影響します。賃貸マンションの地域別需給、入居率、建築単価、融資環境を追う必要があります。

土木事業:設計変更と大型案件

土木工事では、着工後に地盤・施工条件が変わり、発注者との協議で設計変更や契約金額の増額が行われることがあります。追加コストを契約へ反映できれば採算を守れますが、協議が遅れると原価だけが先行します。

四季報は土木の設計変更が着実と評価しています。道路、橋梁、鉄道、河川、防災、老朽インフラ更新は国土強靱化と自治体投資の追い風があります。リニア、再開発、防災など大型案件は受注規模が大きい一方、工期が長く原価変動リスクも大きくなります。

公共工事は発注量の安定性が強みですが、入札競争、技術者配置、発注時期で四半期ごとの受注がぶれます。手持ち工事の消化能力を超えて受注すると工期と品質へ悪影響が出るため、受注高だけでなく施工体制を確認します。

不動産事業と高級リノベーション

不動産事業は請負工事と異なり、物件売却や賃貸収益のタイミングで利益が変動します。好採算物件の売却が集中すると四半期利益が押し上がりますが、再現性は個別案件によります。保有在庫、販売計画、評価損、借入金を確認します。

同社は建築費高騰を受け、大型中古住宅を高級リノベーションして再販する事業を始めています。新築価格が上がるほど中古改修の価格優位性が高まります。既存の設計・施工、仕入れ、販売網を活用できれば新たな収益源になります。

ただし高級中古住宅は買い手が限定され、在庫期間が長くなる可能性があります。仕入れ価格、改修費、販売期間、粗利、回転率を開示できるかが事業評価のポイントです。

建設業の人手不足は追い風か逆風か

技能労働者と施工管理技士の不足は業界全体の供給制約です。供給が限られるため受注価格を上げやすい一方、人件費、外注費、工期、受注機会損失が増えます。企業の施工能力と人材確保力で格差が広がります。

青木あすなろ建設は一部現場で夏期閉所などの実証を始め、労働環境改善と担い手確保を進めています。週休二日、遠隔臨場、BIM/CIM、施工自動化、バックオフィス集約が生産性向上の鍵です。

人員数を増やすだけでなく、一人当たり完成工事高、現場利益、残業時間、離職率、資格者数を追います。処遇改善で短期費用が増えても、採用力と施工能力を維持できれば長期価値があります。

会社計画と四季報予想の差

項目会社計画四季報予想
売上高4,000億円4,000億円同額
営業利益200億円240億円+40億円
経常利益195億円235億円+40億円
純利益125億円150億円+25億円
EPS会社計画ベース430.8円四季報独自予想
配当会社計画ベース144~174円増配幅拡大余地

売上予想は同じなのに営業利益が40億円違います。四季報は数量上振れより、建築の選別受注、土木の設計変更、不動産、粗利率改善を評価しています。会社計画営業利益率5.0%に対し、四季報予想は6.0%です。

1Q営業利益率6.2%は四季報の年間6.0%を上回ります。今後も低採算案件の消化と新規案件の採算改善が続けば、240億円は現実味があります。一方、不動産売却や設計変更の計上時期で利益が偏っている場合は単純年率換算できません。

前期最高益から今期へ

2026年3月期は経常利益175億円で前期比64.9%増となり、22期ぶりの最高益でした。今期会社計画195億円は11%増で、2期連続最高益を見込みます。四季報235億円なら最高益の更新幅はさらに大きくなります。

建設会社の利益回復は、過去に受注した低採算案件の完成と、高採算案件への入れ替わりで数年続くことがあります。受注時期から完成まで時間がかかるためです。反対に高採算受注が一巡すると、完成工事総利益率は頭打ちになります。

株価とバリュエーション

2026年8月26日終値は4,045円前後、時価総額は約1,410億円、会社予想ベースPERは約11倍、PBRは約0.96倍、予想配当利回りは3.5%台です。PBR1倍近辺は建設株として極端な割高ではありません。

四季報EPS430.8円を使うとPERは約9.4倍です。配当144円なら利回り約3.6%、174円なら約4.3%。利益上振れと増配が実現すれば下値を支えます。ただし不動産を含む循環性と工事リスクがあるため、高成長テック株のようなPERは想定しにくいです。

EPSとPERの感応度

仮定EPSPER9倍PER11倍PER13倍
359円(会社純利益概算)3,231円3,949円4,667円
430.8円(四季報予想)3,877円4,739円5,600円
459.5円(翌期四季報予想)4,136円5,055円5,974円

会社純利益125億円からのEPS359円は株式数を用いた概算で、厳密な会社予想EPSとは異なります。四季報は翌期も売上4,200億円、営業利益257億円、純利益160億円、EPS459.5円を予想しています。翌期増益が見えればPER11~13倍の評価が可能になります。

目標株価シナリオ

シナリオ想定株価必要条件
弱気3,200~3,700円会社計画未達、人件費・資材高、低採算案件
中立3,900~4,700円会社計画達成、受注残維持、配当継続
強気5,200~6,000円四季報240億円達成、増配、翌期増益
超強気6,500円超利益率7%接近、ROE向上、PBR再評価

現在株価は会社計画をおおむね織り込み、四季報予想を全ては織り込んでいない位置です。5,000円超には、上方修正と増配だけでなく、翌期も利益率を維持できる根拠が必要です。

PBR1倍と資本効率

PBR1倍割れは割安の可能性を示しますが、ROEが資本コストを下回る企業では長期化します。四季報EPS430.8円と株価4,045円、PBR約0.96倍から逆算すると、利益上振れでROEが改善すればPBR1.1~1.3倍へ評価が上がる余地があります。

資本効率を高める手段は、工事利益率、不動産在庫回転、政策保有株、余剰現金、配当、自社株買い、M&Aの規律です。配当だけでなく、成長投資後にフリーキャッシュフローが残るかを確認します。

営業キャッシュフローの注意点

建設業では売上・利益と現金収支が一致しません。工事代金の入金前に材料費と外注費を支払い、未成工事支出金や売掛金が増えることがあります。受注急増局面では利益が伸びても運転資金負担が増えます。

契約資産、未成工事支出金、工事未払金、前受金の動きを見ます。前受金が増えれば資金負担を抑えられますが、顧客条件で変わります。不動産在庫の増加もキャッシュを拘束するため、営業キャッシュフローを年度単位で確認します。

競合比較

準大手・中堅建設では長谷工コーポレーション、戸田建設、五洋建設、東亜建設工業、淺沼組、奥村組などが比較対象です。賃貸マンション企画では大東建託、東建コーポレーション、生和コーポレーションなどとも競合します。

高松CGは賃貸マンション提案と土木をグループ内に持つ点が特徴です。比較では受注残、完成工事総利益率、建築・土木構成、ROE、PBR、配当、政策保有株、技術者数をそろえます。単純なPERだけでは採算の質を比較できません。

次のカタリスト

  1. 11月11日の2Q決算
  2. 営業利益200億円からの上方修正
  3. 受注残5,780億円のさらなる増加
  4. 完成工事総利益率の改善
  5. 高級リノベ事業の販売実績
  6. 国土強靱化・インフラ更新受注
  7. 増配幅拡大と資本政策

主なリスク

  • 資材・労務費の再上昇
  • 固定価格案件の採算悪化
  • 設計変更協議の遅延
  • 建設技術者・技能者不足
  • 金利上昇による賃貸マンション投資減速
  • 不動産在庫の評価損
  • 大型案件の工期遅延・品質事故
  • 公共投資の発注時期ずれ

次回決算チェックリスト

  1. 受注高が売上高を上回ったか
  2. 受注残と粗利率の方向
  3. 営業利益率6%を維持したか
  4. 建築・土木・不動産の利益内訳
  5. 資材・人件費の価格転嫁
  6. 営業キャッシュフローと不動産在庫
  7. 上方修正・増配の有無

短期・中期・長期の判断

短期では決算後の高値、出来高、2Q前の期待を見ます。好決算が続いても上値が重ければ四季報増額を織り込み済みの可能性があります。

中期では営業利益240億円への進捗、受注残の採算、上方修正、増配を確認します。完成工事総利益率が改善を続ければ評価レンジを引き上げます。

長期では人手不足下で施工能力を維持し、DX、選別受注、リノベ、不動産でROEを高められるかを見ます。単年度最高益より利益率の再現性が重要です。

事実と予想を分ける

1Q実績、会社計画、受注残、IRカレンダーは会社開示で確認できる事実です。営業利益240億円、EPS430.8円、配当144~174円は四季報の独自予想です。目標株価レンジは本記事の条件付き試算です。

情報は決算短信・説明資料、四季報、株探、IRBANKの順に照合しました。建設記事では受注残を売上と混同せず、単位、計上期間、採算、工期を確認します。

受注残を売上・利益へ変える3つの条件

受注残は将来売上の候補ですが、利益を保証しません。第一の条件は施工能力です。現場代理人、施工管理技士、協力会社、資材を必要時期に確保できなければ、着工・進捗が遅れます。受注残が増えても売上計上が後ろ倒しになり、追加費用が発生する可能性があります。

第二は契約採算です。資材費・労務費が上昇しても発注者とのスライド条項や設計変更で回収できる案件は利益を守れます。反対に固定価格で変更協議が難しい案件は、受注時に想定した粗利が失われます。新規受注時の採算改善と古い低採算案件の消化を分けて確認します。

第三は顧客の資金と計画継続です。民間建築は融資、金利、賃料、建築費で事業採算が悪化すると延期・縮小されます。公共土木は予算があっても入札・用地・設計の遅れがあります。受注残のキャンセル率、工期変更、契約資産の増加を追います。

利益率改善を分解する

1Q営業利益率が2.5%から6.2%へ上昇した要因は、売上増による固定費吸収、選別受注、低採算工事の減少、設計変更、不動産、原価管理に分けられます。前年が一時的に低かった反動も考慮し、過去数年の同四半期と比較します。

売上高884.5億円で利益率が1ポイント変わると、四半期営業利益は約8.8億円変わります。年間売上4,000億円なら1ポイントで約40億円です。これは会社計画200億円と四季報240億円の差に一致します。つまり予想差は売上ではなく、年間利益率を5%と見るか6%と見るかに集約されます。

2Q以降に6%を維持できるなら四季報予想の確度が高まり、5%へ戻れば会社計画に近づきます。決算説明では完成工事総利益率、販管費率、工種別採算を確認します。不動産売却益が含まれる場合は、建設本体の利益率と分けます。

国土強靱化と建設需要

日本では橋梁、トンネル、上下水道、河川、港湾など高度成長期に整備されたインフラの更新需要が増えています。地震、豪雨、土砂災害への防災・減災投資も継続課題です。土木会社にとって中長期の受注機会になります。

ただし国策テーマだけで利益が増えるわけではありません。発注予算、入札時期、技術者配置、資材、工期、設計変更の回収が必要です。大型補正予算が出ても業界の施工能力が不足すれば、売上より人件費が先に上昇する可能性があります。

高松CGでは青木あすなろ建設の技術力と実績が受注基盤です。国土強靱化を評価するときは、政府予算の見出しではなく同社の受注高、受注残、土木利益率へ実際に表れたかを確認します。

金利上昇が事業へ与える二つの影響

金利上昇は、賃貸マンションの土地所有者にとって借入返済額を増やし、新規建築を抑える逆風です。建築費も高い局面では、想定賃料と利回りが合わず計画延期が起こります。一方、相続対策、都市部の賃貸需要、遊休地活用の必要性は残ります。

同社自身にも不動産在庫と借入の金利負担がかかります。現預金と有利子負債、固定・変動金利比率、在庫回転期間を確認します。土地活用提案で金利上昇後も成立する事業計画を提示できれば、競合との差別化になります。

投資判断で避けたい誤解

  • 受注残5,780億円を今期売上と同一視しない。
  • 1Q利益を単純に4倍して通期予想としない。
  • 不動産売却益を建設の恒常利益と混同しない。
  • PBR1倍割れだけで割安と断定しない。
  • 国策予算がそのまま同社受注になると考えない。
  • 増配予想を会社決定済みと誤認しない。

これらを分ければ、テーマや増益率に過度に反応せず、受注の量、採算、施工能力、資本効率から評価できます。

参考資料

本記事は一般的な情報提供であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。予想・株価シナリオは将来を保証しません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

まとめ

高松コンストラクショングループの1Qは売上11.9%増、営業利益173.5%増、経常利益185.1%増と強い結果でした。受注残5,780億円は売上計画の約1.45倍で、建築の選別受注、土木の設計変更、不動産が利益率を押し上げています。

株価4,000円台は四季報EPS430.8円ならPER9倍台です。2Qで営業利益率6%前後を維持し、会社計画200億円が240億円へ近づけば4,700円から5,600円の再評価余地があります。反対に低採算案件や人件費上昇が表面化すれば3,000円台も想定します。

⚠ 免責事項

本記事は公開情報をもとにした情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買や投資を推奨するものではありません。記載した株価・指標等は執筆時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。適正株価や目標株価に類する記述は一定の前提に基づく参考値であり、将来の株価を保証するものではありません。投資の最終判断は、ご自身の責任において行ってください。

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