激しく急騰する銘柄が年に何回か現れる。2~3倍どころではなく、時として10倍くらいに1か月くらいで跳ね上がる銘柄だ。そういった銘柄を見ると、「ああ・・・あの急騰に上手く乗れれば大きく儲けられたのに・・・」と考える人もいるだろう。しかし、こういった銘柄の中に、なんで上がっているか分からないけど急騰しているケースがある。それは多くの場合で「仕手株」といわれるケースだ。
この記事では「仕手株」について解説していく。?仕手株?という人には是非読んでもらいたい。結論から言うと、仕手株は殆どの人が勝てない。
仕手株とは?
仕手株とは大きな資金を用いて誰か(グループ)の意図によって操作された株のこと。 特に好決算というわけでもなく、これといったニュースや適時開示がないにも関わらず株価が急騰している場合は、その銘柄は仕手株となっている可能性が高い。
仕手株は集団の投資家によって行われるもので、この集団の投資家のことを「仕手筋(してすじ)」と言う。
仕手株は、株価を大きな資金で急騰させ注目を集め、参加者が増えてきた段階で一気に仕手筋が持ち株を処分。その後は焼け野原になるという流れが一般的。つまり、急騰してから参加した一般の参加者は、ほぼ間違いなく全員養分になる。
流れに上手く乗ることができれば小資金&短期間で大きく儲けることが出来るため、一見ハイリスクハイリターンの面白そうなトレードに見える人もいるとは思う。また、リスクは分かっていたとしても、「俺だけは養分にならずに逃げきってやる」と考えて参加したとして、どこまで値が吊り上がるか分からない株価に対して安値で買ってそこそこの利益を取って逃げられる人は極わずかだろう。そもそも、必ず暴落が来ると分かっていて、それがいつなのか全く分からないトレードなんて、精神的な負担が大きすぎるし、それだけ心労をかけて運よく勝てたとしても利益はそれほど大きくない人が殆どだろう。
これらのことから、私は仕手株には参加しないことにしている。
では仕手化する流れを分解してみよう。
仕手化する流れ
仕手化する流れは以下のような流れが一般的だ。
1. 本尊(仕手筋)が仕手化したい株を定める
2. 仕手株の情報を上位の投資家へ伝達
3. 上位の投資家は安い株価でその銘柄を買い集める
※出来高が不自然に増えないよう、株価が不自然に上がらないよう、時間をかけて買い集めるのが特徴
4. 上位の投資家が身近な投資家へ情報を流す
5. 身近な投資家が買い集める
※この時点で上位の投資家と身近な投資家は拾っているので株価も徐々に上昇
6. この株価の変動に気づいた人達も拾い始める
7. 上位の投資家(インフルエンサー)がTwitterで一斉に情報を流す
8. そのツイートを見た人達が買い始める
9. 株価上昇を察知した一般投資家も買い始める
※ここでいう一般投資家をイナゴと呼ぶ
10. 本尊が目標としていた株価に到達後、一気に持ち株を処分
11. デッドキャットバウンス(激しい上下動)を起こしながら、最終的には株価は急騰前水準に下がる
12. 一般投資家は含み損を持っているので、損切りするか、塩漬けにする
運悪く仕手戦で負けた後、再度吹き上がるのではないかと期待する人もいるかもしれないが、同じ銘柄が短期間で何度も仕手化することはまず無いので、塩漬けを選択した一般投資家は含み損を抱えたまま時間だけが過ぎていくことになりがち。
仕手戦で負けた場合は、一刻も早く損切りすることをおススメする。というか、そもそも一般投資家が勝てる戦いでは無いので、初めから参加しないほうが良いと思う。
仕手株になる銘柄の特徴
仕手化する銘柄には傾向がある。
1. 時価総額が低い・・・100億円未満のケースが多い。
2. 板が薄い・・・板が薄いと株価を吊り上げやすい。
3. SNSでの情報が多い(煽り屋がいる)・・・SNS視聴率が高い銘柄には要注意。SNSでゲットした情報は玉石混交なので、必ず調べること。
こういった銘柄が仕手化しやすいと言われている。
仕手戦に急騰前から乗れていたら・・・という事は私もかつては何度も考えたことがある。実際参加したこともある。しかし全部負けた。
株はその会社の業績が良ければ必ず上がっていくもの。だから私の結論としては、仕手株で儲けようとは思わず、好業績銘柄を地道に探して投資していくほうが、資産を増やす近道だと思っている。
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