相場格言集・・・私が一番肝に銘じているのは「銘柄に惚れるな」です!

日本の株式相場の歴史は長い。古くは大阪・堂島の米相場が発祥とされ、ローソク足のテクニカル分析の手法には「坂田五法」と呼ばれる手法もある。

このように長い歴史の中で、たくさんの先人たちが経験の中で培った相場に関する格言がある。この記事では、それら格言の中の主要なものをまとめておく。

目次

頭と尻尾はくれてやれ

投資家の心理としては「最安値で買い、最高値で売りたい」もの。しかし、底値で買って天井で売ることはほんど不可能で失敗しがち。買うときも売るときも上下は少し残したほうがいいという考えを表した格言。

人の行く裏に道あり、花の山

株式市場で利益を得るためには、人とは逆の行動をとらなくてはならないという格言。

投資家は群集心理で同じ方向に動きがちだが、それでは大きな成功は得られない。むしろ他人とは反対のことをやったほうがうまくいく場合が多いという考え。一般的に、総強気のときは相場は天井圏で、総悲観のときは底値圏であることが多い。

押目待ちの押目なし

株を買おうと思うが上がってしまったので、一度下がったところで買おうと押目待ちをするが、相場の勢いが強いときには望みどおりには下がらず、結局高くなってから買うか、あきらめざるを得ないことになるという格言。

落ちてくるナイフはつかむな

このように、株価が急落している時に買ってしまうとどんどん下がって大損してしまうので、株価が目先の底について、そこから下がらない事を確認してから買った方がいいという格言。

監視していた銘柄が、不祥事やリーマンショックのような要因で下がった時にチャンスと思って買ったのだが、買った位置から更にドンドン下がるということが良くあること。これは逆張りしたい投資家心理を考えるとわからなくもない。しかし、230億円の資産を築いた大投資家のCISさんの基本スタンスは順張りだそう。つまり、大きく勝っている投資家でも、逆張りは基本スタンスではないということ。

見切り千両

買った株が値下がりしたときは、居ても立ってもいられない気持ちに襲われ、迷いが出るもの。そこでロスカットすることは、損には違いないがそれによって大損が避けられるのなら、千両の価値があろうという格言。

とにかく相場は生き残ることが第一。そして生き残ってさえいれば、次のチャンスは必ず来る。そのためには、とにかくマッハで損切りすることが重要。

損切りした後、売った位置より高い値段で買いなおすなんてことは、よくあること。

閑散に売りなし

相場が下落し低迷すると商いが減って閑散相場になるが、そのようなときは相場は底値に達していることがある。目先の売りも出尽くしていることから、何か材料があると、きっかけとなり一気に上昇相場に転じることも多いので売らないほうがいいという格言。

特に7月~8月は夏枯れ相場と言われ、閑散相場になるアノマリーがあるため、こういったときは基本的には買う方向で監視するのが良いと思う。そして、損切はマッハで。

相場のことは相場にきけ

相場が思わぬ方向に動き見通しが不透明なときには、相場はあらゆる要因を織り込んで動いていると考え、相場の動きにしたがったほうがよいという格言。

もうはまだなり。まだはもうなり。

市場参加者の多くがもうそろそろ底だろうと思ったときは、まだ下値があるのではないか、反対にまだ下がりそうだと思っているときにはもう底なのかもしれない、という格言。

銘柄に惚れるな

銘柄に惚れこむあまり、客観的な視点を失い、下落を続けても握り続けるような愚かなことはするなという格言。

自分で調べて、その銘柄の成長性や将来性を確信したとしても、所詮株価は需給で決まるもの。業績が上がっていけば株価は必ずその業績に見合ったものに上昇していくものだが、その好業績が顕在化しないうちは株価は上がらない。それに、含み損の期間に銘柄に惚れこむあまりロスカットせずに含み損のまま過ごしていたら、他にチャンスがあった時に乗れないことはもちろん、資産もその期間全く増えない。つまり時間が無駄になる。

大投資家のテスタさんが良く言っていることだが、「含み損」のことを確定させなければ損ではないという考え方は間違いで、含み損の時点で負けているものと肝に銘じ、躊躇せずにロスカットすることのほうがよほど価値があると考える。

ちなみに私はかつて、これで大敗した。私は絶対にもうやらない・・・と常々自分に言い聞かせている。

休むも相場

年中株式取引ばかりしていると、客観的に相場全体が見えなくなり、いつも儲かるとは限らない。焦って取引をしないで、ときには冷静に相場をみることも大切であるという格言。

遠くのものは避けよ

投資対象の銘柄を探すのに自分の知らない業種を買うよりは、身近な生活と関連のある会社や仕事で関係がある会社など、多少とも知識や親近感のある銘柄を選んだほうが、まちがいが少ないということ。自分が理解できない業種の企業は避けたほうがいいという格言。

相場は明日もある

買いたいと思う銘柄に好材料がでると、われ先に飛びつき買いをしがち。材料が本物であるかなど、できるだけよく調べてから翌日買っても決して遅くないという格言。

掉尾の一振(とうびのいっしん)

掉尾の一振とは、年末、12月20日過ぎに相場が高くなるアノマリーのことを示した格言。

新値にはだまってつけ

低迷を続けていた株は、上値に買いのシコリがなく、いったん上がり始めると上昇スピードが速い。上放れるにはそれなりの理由があるので素直に買ってみてはどうかという格言。

特に「年初来高値」、「上場来高値」、「直近高値」など、高値を更新した時は上昇圧力が強いもの。一見高値更新で高くて買えないと思いがちだが、好材料で上がっている場合はその後ドンドン上がっていくケースは珍しくない。

一方でダブルトップ、トリプルトップでそこを頂点として下がるケースもままあるので、見極めは慎重に。

当たり屋につけ

「当たり屋」とは、思惑が当たって、儲けている人のこと。当たり屋は、それだけ研究し運もついているわけですから、真似してついていけば自分もその恩恵にあずかれるのではないかという格言。「勝馬に乗れ」と同義。

三空叩き込み買いに向かえ

酒田五法に基づいた格言。「三空叩き込み」とは、以下のようなローソク足が示現した時の呼び名。

こういったローソク足が示現した時は買い向かえという格言。三空叩き込みが起きるタイミングでは、買い方の投げ(損を承知で手放すこと)と、売り方の追撃売り崩しによって下に叩き込まれた状況であることが多い。そして、そこが大底になる可能性が高いと考えられている。

なお、上記イラストのように四本の陰線で三空(窓)を形成するケース以外にも、何十本かの線で三空(窓)を形成するケースもある。とにかく窓を開けて連続で下落している時は、仕込みのチャンスとなる場合が多い。

三空踏み上げ売りに向かえ

酒田五法による格言。「三空踏み上げ」とは、以下のようなローソク足が示現した時の呼び名。

一空目(1つ目の窓)は新規の強力買い勢力の出現。二空目(2つ目の窓)は売り方の撤退と買い方の買い乗せ。そして、三空目(3つ目の窓)は売り方の踏み(損を承知で買い戻すこと)と遅ればせながらの買い方の成行買いとなれば、ここで大天井を打つという見方。

残るは買い方だけで、買い方同士のつぶし合いの場となるため、逆に売り向かった方が良いという相場戦術のことを指す。

値上がり株より商いの出来る株を買え

新興銘柄や小型株、品薄株はちょっとした需給バランスの変動で大きく値が動く。しかし、値が動いても出来高少ないために売買成立しないとなれば意味がない。従って、大きな値動きをするだけでなく、出来高がともなう銘柄を選んだ方がいいという格言。

山高ければ谷深し

相場は急騰することもあるが、そういった銘柄ほど、その後反転し急落する恐れがあるという格言。

以下のチャートは、コロナ相場で大きく上昇したBASEの年足チャート。10倍以上に上昇し、その後10分の一以下に下落している。

卵は一つのカゴに盛るな

卵は壊れやすいので一つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした場合には、全部の卵が割れてしまうかもしれない。複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、そのうちの一つのカゴを落とし割れて駄目になったとしても、他のカゴの卵は影響を受けずに済む。

卵を銘柄や資産に置き換えて特定の商品だけに投資をするのではなく、複数の商品に投資を行い、リスクを分散させた方がよいという格言。(=分散投資)

他にもまだまだ相場格言はあるが、自分が大事だと思っている20の格言をまとめてみた。

トレードの手法に通ずるもの、相場に対する考え方など、相場格言は示唆に富んだ内容で、相場に向き合う人にはどれも他人事ではない内容ばかりだと思う。

またこれらは、仕事でも当てはまるものがあるのではないだろうか。

相場をそれなりにやっていると、いくつかの言葉はカラダに染み込んでくる。読者には是非参考にして頂きたい。

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