本日1月23日から2日間にわたって開催される日本銀行の金融政策決定会合にて、政策金利の引き上げが検討される見通しです。
今回の利上げは、現行の0.25%から0.5%への引き上げが予想されており、これは2008年10月以来の高さに達します。
この記事では既出情報ばかりではありますが、一応ここまでの情報の整理と、過去の金利上昇時の事例などを交えてまとめてみました。
利上げの背景
- 賃金上昇の期待 日銀は、深刻な人手不足により中小企業を含む賃上げの動きが広がっていると判断しています。特に、今年の春闘による大規模な賃上げが期待されています。
- 経済の安定性 アメリカの経済政策や金融市場の動向が比較的穏定していることも、利上げの背景となっています。
利上げの影響
- 銀行業界への影響 主要な日本銀行は、政策金利の引き上げに対する期待から株価が上昇しています。これは、一般的な利上げ時の株価下落とは対照的です。
- 公威通市への影響 利上げは円高要因となる可能性がありますが、これにより若干の市場の変動も予想されます。
植田総裁の発言
植田総裁は、金融政策に関し、以下の詳細な発言を行っています。
- 2025年1月15日: 全国地方銀行協会の新年の集いで、「米国の新政権の経済政策や春季労使交渉(春闘)の賃金動向を精査し、追加利上げを行うか判断する」と述べました。
- 2025年1月9日: 日銀支店長会議後の会見で、「賃金上昇の動きが広がっている。春闘では過去数十年で最も前向きな結果が期待される」と発言。
- 2024年12月22日: 年末記者会見で、「物価安定目標の実現に向けて、金融政策を適切に調整していく」と語りました。
その他の日銀関係者の発言
- 副総裁(山本氏): 「今後の金利調整は物価上昇率の持続性次第」と述べ、慎重な姿勢を示しました。
- 審議委員(高橋氏): 「海外経済の不確実性を考慮しつつ、国内経済の回復を支える金融政策を維持すべき」と発言。
トランプ前大統領の発言
ドナルド・トランプ大統領は、円安に関して下記のような発言を過去行ってきたことが報じられています。
- 2024年4月23日: ソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、「ドルが実質的に高すぎることが米国の製造業に大きな悪影響をあたえている」と言及。
- 2024年7月16日: ブルームバーグのインタビューで、「円安は不幸であり、人気は一時的なものに過ぎない」と言及。
これらの発言は、円安が米国経済に不利に働くことを示しています。
過去の政策金利引き上げと株価動向
- 2006年7月:ゼロ金利政策解除
- 背景: 日本銀行は2001年から続いていたゼロ金利政策を解除し、金利を0.25%に引き上げました。この利上げは、日本経済がデフレから脱却し、回復基調にあると判断したためです。
- 株価動向: 日経平均株価は一時的に下落しましたが、経済の安定が確認されるにつれ、数か月後には回復基調に転じました。特に、輸出関連株が円安による追い風を受けて上昇しました。
- 2007年2月:政策金利を0.5%に引き上げ
- 背景: 消費や設備投資の増加、経済成長の持続を受けて利上げが決定されました。
- 株価動向: 利上げ直後には株価が下落しましたが、投資家は経済の堅調さを評価し、特に金融株や不動産株が上昇しました。ただし、同年の米国発金融危機が影を落とし、最終的には株価の停滞に繋がりました。
- 2000年8月:ゼロ金利政策解除
- 背景: 日本銀行は一時的にゼロ金利政策を解除し、政策金利を0.25%に引き上げました。
- 株価動向: 利上げ直後は株価が下落しましたが、経済の改善期待により、一部のセクターでは上昇が見られました。しかし、翌年には景気後退が確認され、株価全体としては下降しました。
おわりに
昨年7月に続き、いよいよ明日、25ベーシスポイントの金利上昇が予定されているようです。昨年8月のようなクラッシュを避けるために、今回は年末時期から日銀が市場に情報をリークし続けてきました。確定的となったのは先週あたりでしょうか。明日の11:30~12:30の間に恐らく発表となると思います。
個人的には「トランプ大統領就任➱関税発言でダウ低迷➱日本市場混乱(下落)➱金利UPは3月に持越し」を昨年末までは予想していました。しかし、トランプ大統領の就任式でそれほどのタカ派発言は無く、市場も混乱しなかったことから今回の利上げに踏み切るという流れになのだと感じています。
今回の利上げは、日本経済の回復と物価上昇の指すところとして評価される可能性が高い一方で、世界的な経済動向にも常に注意を向ける必要があります。
特に、昨年7月の利上げ時のように後続情報にも衆目が集まりますので、日経や日本銀行の発表には敏感に注目していこうと思っています。
とにかく明日後場のクラッシュが無いことを祈ります。
★この記事は個人の株取引のメモであり、登場する銘柄は売買を推奨するものではありません。