実に3か月ぶりの記事更新です。
この間約3か月間。三井E&Sをずーっと、しかもかなりの玉数を握りっぱなしにしてたわけで、正直どこまで下がるのかも分からず毎日吐いてましたが、3週間前の木曜日の板の動きで「トレ転したかも」と思い、その後も値動き的には底が固まってきたかなと感じている今日この頃です。
そして昨日一昨日は久しぶりの大幅上昇。依然視聴率は高く、ちょっと安心しているわけです。
さて今後三井E&Sは今後どうなるのでしょうか?
※有難い読者の方からのご指摘により一部修正しました。思い込みって怖い(汗)
ターゲットプライスは7,000円?
まずは以下のチャートを見てみます。三井E&Sの過去12年分くらいの月足チャートです。
直近最高値は2007年8月9日の7,370円です。果たしてこの高値を超えることはあり得るのでしょうか?
紐解くために直近の業績を見てみると以下になります。
今期予想は現時点でEPS347円。今後上方修正が入る場合は400円台。あるいはそれ以上ということも十分あり得ます。何しろこの数値にはまだアメリカ港湾クレーンの売上見込が入っていません。一方で三井海洋開発の株式売却益は既に含まれています。
ちなみに三井海洋開発の株式譲渡益は5/22会社発表の資料によれば200億円。つまりEPS上のインパクトは約200円です。
差引すると、アメリカ案件抜きで今期は約147円のEPSがあるということになります。
一方過去10年の平均PER(ヒストリカルPER)は22.7(株探参照)。となると147円×22.7=3,336.9円が現時点の業績予測から考えられる、可能性として最も高い株価と考えることが出来ると思います。
しかしここにはアメリカクレーンの話は乗ってないわけです。
※過去最高値は1990年5月10,197円
過去記事でも書きましたが、年間平均6000億円のうち1/3(2000億円)でも三井に回ってくれば、営業利益率6%の実績から約100億円くらいの当期利益が上積みされる可能性はあるわけです。そうなるとEPSインパクトは100円。
これくらい状況が変わってくるわけです。
現状はPER10で考えるとEPS通りの株価とも言えますが、何度も言ってしまいますけどアメリカクレーンの内容が全く入っていない状況です。
上方修正の可能性は・・・
サラリーマン社長(全くディスっているわけではありません。単なる事実です。)あるあるで、上方修正を後から出すケースは三井E&Sに限らず良くある話です。打ち上げ花火を大きく上げておいてあとで下方修正するのは株価的にも対金融機関的にも全くメリットがないからです。特に老舗大型企業のサラリーマン社長であればこの傾向は顕著でしょう。三井E&Sもご多分に漏れずその傾向にあると考えています。
となると今後8月決算前、あるいは11月決算前に上方修正が出る可能性はあるわけですが、現時点ではアメリカ港湾クレーンの着地予想が全く出ていないことから、どこかのタイミングでは必ず出るはずと考えています。
6月の株主総会情報によれば、社長が「上期中にある程度の見込みを出せると思う」との発言があった模様。となると、早ければ8月決算もしくは、9末までのどこかで何らかの情報が出る可能性があると考えます。
以前の記事でも書きましたが、5年で3兆円を港湾整備に使うとホワイトハウスから発表があったわけで、今はその予算調整をアメリカ議会で行っているところだと思います(予算教書~予算審議)。
果たして毎年6,000億円規模の投資を行う話になるのか?はたまた、最初に2兆円くらいの投資を一気に行う事になるのか?三井E&Sに落ちてくる予算はどれくらいの規模になるのか?などなど分からないことだらけですが、いずれにせよゼロ回答はあり得ないわけで、今期以降少なくとも5年間は三井E&Sにとって大きな事業案件になると考えます。
ちなみに米国議会予算編成~決定の流れはこんな感じです。
アメリカの新年度は10月からスタートですので、今はまさに予算調整の最中だと思います。そして夏のバカンスを経て最終局面を迎え、最後の微調整が8月後半から9月頭に行われるという流れだと思います。ゆえに上期中にある程度の見込みを発表できるという発言に繋がっているわけですね。
「ある程度」と含みを持たせているのは、今年大統領選だからだと思います。
港湾整備関連が紛糾するような問題かどうかは全く分かりませんが、もし紛糾するような話でないのなら、8月のバカンス前にはある程度着地するのではないかと思います。
会社側が発表できるのは結局9月後半という事になるとは思いますが。
中国製港湾クレーンは何が危険なのか?
現在世界はより混沌とした情勢に突入しつつあります。
ウクライナ・ロシア戦争、台湾有事、イスラエル・パレスチナ紛争など、進行中のものや発生が懸念されているものなど様々なリスクが顕在化してきています。
その中で、日本は防衛費増強の流れが起き、防衛増税も実行されるなど、確実に軍備増強に向かっています。これはNATO各国も同様の流れになる可能性があると考えています。
こうなった場合、港は結局軍艦が出撃する際の重要拠点になるわけで、荷物積み込みの際のクレーンがハッキングされてフリーズしてしまうリスクはもちろん、どんな船にどれくらいの重さのコンテナや荷物を積み込んでいるかなどの情報が常にモニタリングできる状況などは、あってはならない事です。
なので「港湾整備はもはや国防と」私の過去記事でも書いていますが、港湾整備そのものが今後重要な国防策のワンステップになっていくものと思います。
そこに来て、トランプ氏が大統領再選となれば各国での軍備増強をより強く求める流れになるでしょうし、アメリカもその流れになると思います。
なので、トランプ再選で三井E&Sの話がどうなるかわからないというのは、ちょっとあり得ないのではないかなと思っているわけです。
もちろん、アメリカ政府の支出をアメリカ国内で還流させたいという考えはトランプ再選で明確に強まる可能性があるため、港湾整備資金もアメリカ国内企業に流れることにはなるでしょう。しかし、三井E&Sの場合そもそもパセコ社がアメリカ子会社としてあり、そこを窓口に今回の案件が進むことは既に明確になっています。また、ZPMCのようなクレーンのコントロールOSを備えている港湾システムは三井E&Sが強いところでもあり、この部分を完全にアメリカ製で支配するためにゼロベースで他の企業が開発するなんていうことにはならないと思います。そもそも今回の港湾設備強化は時間が無い中での施策でもありますしね。
どうして時間がないのかというと、台湾有事の発生可能性時期が問題になります。
中国は「中国製造2025」を進めており、このプロジェクトの根幹は半導体完全国産化です。これが来年中に完了すれば、理屈では2026年には半導体を外国から輸入する必要が無くなり、武器製造も完全国産化できることになり、台湾有事はいつでも開始OKとなります。
つまり、台湾有事が発生する最速シナリオは2026年。あと1年半です。
この状況で、前述のような港湾設備国産化をアメリカが推し進めるとは私は到底思えません。
などなど、このあたりを自分なりに色々と考えると、結局三井E&Sがアメリカ港湾クレーンの話から最終的に脱落する可能性があるとは思えないのですがどうなんでしょう・・・。
その他の可能性
その他、6月の株主総会での社長発言では、配当性向を30%程度にしたいという話も出たそうです。
EPSが400円になって、配当性向30%なら、配当金は120円。今現在の12円と比較すると10倍です。
また、その他にも水素燃料によるクレーンの動作試験を行っているとか、水素関連のニュースも散見されるようになってきています。
さて、祖業である造船を捨て、また過去最大の損失を生み出した三井海洋開発を株式売却で仲間から外し、三井E&Sは事業構造をドンドン変えていっている状況にあります。
そして今期予想EPSは約350円で上方修正の可能性大。
この状況でも株価が上がらないのはひとえに需給のせいです。
他にもトランプ再選確実で防衛関連上昇・・・ここに三井E&Sが入った、とか、ブラックロックが買い始めた、とか色々な噂レベルの話はあります。
いずれこういった様々なシナリオの中で、本物だけは顕在化してくると思います。
いずれにせよ依然期待値は高いのかなと思いますが・・・。
他に三井E&S以上に魅力的なシナリオを見つけられていないだけと言うこともありますけどね・・・。
というわけで、私は毎日吐きながら、結局まだまだ三井E&Sの株を持ち続けていこうと思います。
★この記事は個人の株取引のメモであり、登場する銘柄は売買を推奨するものではありません。