セガサミーホールディングス(6460)の今後の業績展望、リスク、そして株価に影響を与え得る要因についてお伝えします。
業績展望
2025年3月期の通期業績予想は、売上高4,450億円、営業利益450億円、経常利益480億円、親会社株主に帰属する当期純利益390億円とされています。
セガサミーエンタテインメントコンテンツ事業では、コンシューマ分野や映像分野が好調に推移しており、遊技機事業でも新作タイトルの販売が堅調です。これらの要因により、全体として期初の想定を上回る業績が期待されています。
リスク要因
一方で、以下のリスクが考えられます:
- 市場競争の激化:ゲーム業界や遊技機業界における競争が激化しており、新規タイトルの成功が保証されない可能性があります。
- 規制の変動:各国の規制変更や新たな法令の制定が、事業運営に影響を与える可能性があります。
- 為替変動:海外市場での売上が多いため、為替レートの変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。
カタリスト(株価変動要因)
以下の要因が株価に影響を与える可能性があります:
構造改革の成果:欧州スタジオの構造改革など、コスト削減や効率化の取り組みが実を結べば、利益率の改善が期待されます。
新作タイトルの成功:特に人気IPを活用した新作ゲームや遊技機のヒットは、業績向上と株価上昇につながる可能性があります。
海外展開の進捗:海外市場での成功や新規市場への参入は、収益拡大のカタリストとなり得ます。
IR(統合型リゾート)への取組の可能性について
セガサミーホールディングスは、これまで統合型リゾート(IR)事業への参入を目指してさまざまな取り組みを行ってきました。しかし、近年の動向を見ると、国内IR事業への参入計画は見直されているようです。
過去の取り組み
- フェニックス・シーガイア・リゾートの買収:2012年に宮崎県の「フェニックス・シーガイア・リゾート」を買収し、IRへの転換を目指していましたが、この構想は実現しませんでした。
- 横浜市のIR誘致計画への参加:横浜市が実施するIR事業者の公募に応募し、最大約1,200億円の投資を予定していましたが、2021年に横浜市が計画を撤回したため、参入は実現しませんでした。
最近の動向
- フェニックス・シーガイア・リゾートの売却:2024年5月、同リゾートを米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループ関連会社に売却すると発表しました。
- 新・中期計画での方針転換:2025年3月期からの新・中期計画において、国内IR事業への参入の見直しやフェニックスリゾートの売却を決定し、事業ポートフォリオの再構築を進めています。
これらの状況から、現時点でセガサミーホールディングスが国内IR事業への新規参入を進める可能性はなんとも言えないと考えられます。
ただし、韓国でのIR施設「パラダイスシティ」の運営など、海外でのIR事業には引き続き関与していくため、大阪IRは無かったとしても、その他都市でのIRが進む状況なれば、何らかの形で関わってくる可能性があると考えます。
セガサミーホールディングス適正株価について
アナリストの目標株価
複数の証券会社がセガサミーホールディングスに対する目標株価を設定しています。以下は主な目標株価の一覧です。
証券会社 | 目標株価(円) | レーティング | 発表日 |
---|---|---|---|
大和証券 | 4,200 | 強気 | 2024年12月24日 |
みずほ証券 | 3,400 | 買い継続 | 2024年12月18日 |
SBI証券 | 3,590 | 買い継続 | 2024年12月11日 |
岡三証券 | 3,200 | 強気継続 | 2024年11月15日 |
東海東京証券 | 3,970 | OP継続 | 2024年10月15日 |
これらの目標株価の平均は約3,672円となり、現在の株価3,076円と比較すると、約19.4%の上昇余地があると考えられます。
今後IRに関わるかどうかでこの会社の適正株価は大きく変化してくると思います。
トランプ政権による日本政府への干渉など、色々な要因が相まって、来年以降日本のIRを取り巻く状況は大きく変わる可能性があり、その中でセガサミーがどのような存在感を放ってくるかは、現時点では未定です。
★この記事は個人の株取引のメモであり、登場する銘柄は売買を推奨するものではありません。