銘柄研究:2025/1/2(木)フェムテックについて

近年フェムテック(Femtech)という言葉を聞くことが増えてきました。

女性に関するビジネスだということは何となく知っているのですが、その領域や歴史などはわかりません。

そこで、この記事では「フェムテック」について現時点での事業領域や歴史など、まとめてみました。

目次

フェムテックとは?

フェムテックは、「Female(女性)」と「Technology(技術)」を組み合わせた造語で、主に女性特有の健康やライフステージに関連する課題を解決するために設計された技術や製品、サービスを指します。これには、月経、不妊治療、妊娠、出産、更年期障害、骨盤底筋ケアなど、幅広い分野が含まれます。

フェムテック市場は、女性の健康に焦点を当てた革新的な技術と製品を開発することで、これまで社会的に軽視されてきた課題に取り組む新しい産業分野として注目を集めています。


フェムテック市場の特徴

  • 女性特有の課題に焦点:月経管理、不妊治療、妊娠・出産、更年期障害など。
  • テクノロジーの活用:アプリ、ウェアラブルデバイス、AI、IoTなどを活用。
  • 社会的インパクト:女性の健康への投資を促進し、ジェンダーギャップの是正に貢献。
  • 成長性:2021年時点でフェムテック市場は約50億ドルとされ、2027年には最大650億ドル規模に達すると予測されています。

フェムテックの歴史

1. 初期段階(2010年代初頭)

フェムテックという言葉が初めて使われたのは、2016年にドイツの起業家 イダ・ティン(Ida Tin) が月経管理アプリ「Clue」を発表した際です。それ以前は、女性の健康関連市場は「女性専用ヘルスケア」や「リプロダクティブヘルス(生殖健康)」として扱われていました。

2. 成長期(2016~2020年)

  • フェムテックという用語が広がり始め、スタートアップ企業が続々と登場。
  • 代表例
    • 「Clue」:月経管理アプリ(ドイツ)。
    • 「Elvie」:スマート搾乳器や骨盤底筋トレーナー(イギリス)。
    • 「Modern Fertility」:不妊治療のための検査キット(アメリカ)。

この時期に女性の健康に特化した投資や企業が増え、VC(ベンチャーキャピタル)の資金調達が活発化しました。

3. 世界的な認知拡大(2020年代以降)

  • 新型コロナウイルスの影響でデジタルヘルス市場が拡大し、遠隔医療やオンライン相談サービスの導入が進展。
  • 大手企業や公的機関もフェムテック市場に参入し始め、業界全体の成熟度が向上。
  • 日本では2020年に「フェムテック」が注目ワードとして取り上げられ、多くの企業が新規参入しました。

主な進展と背景

  1. 女性の社会進出
    • 女性のキャリア形成や社会参加の増加に伴い、健康課題をテクノロジーで解決するニーズが高まった。
  2. 社会的タブーの解消
    • 月経や更年期障害といった「タブー」とされてきたテーマに対する意識が変化し、議論がオープン化。
  3. 技術の進化
    • AIやIoT技術の進歩により、個別化された健康管理やリモートケアが可能に。

フェムテック市場は、女性の健康にフォーカスした新しいヘルスケアの未来を切り開く分野として、今後も急成長が期待される産業です。市場の成熟とともに、より多様なサービスが登場し、女性の生活の質(QOL)向上に寄与することが期待されています。

日本の主なフェムテック企業

日本国内では、女性の健康課題をテクノロジーで解決するフェムテック(Femtech)分野に、多くの企業が取り組んでいます。

以下に、主な企業とそのサービスを紹介します。

エムティーアイ(MTI)
月経管理アプリ「ルナルナ」を提供し、女性の健康管理をサポートしています。

ファミワン(Famione)
妊活や不妊治療に関するオンライン相談サービスを展開し、専門家によるサポートを提供しています。

メデリ(mederi)
オンラインでピルの処方を受けられるサービス「メデリピル」を運営し、女性のリプロダクティブヘルスを支援しています。

fermata(フェルマータ)
国内外のフェムテック製品を取り扱うオンラインストアを運営し、女性の多様なニーズに応える製品を提供しています。

ネクイノ(Next Innovation)
オンライン診療アプリ「スマルナ」を通じて、婦人科系の相談やピルの処方を提供しています。

ファーストリテイリング(証券コード:9983)
「GU」ブランドで吸水ショーツやナイトブラなどのフェムテック商品を展開しています。

花王(証券コード:4452)
化粧品ブランド「TWANY(トワニー)」でフェムテック領域に参入し、女性の美と健康を支援しています。

丸紅(証券コード:8002)
女性社員によるフェムテックプロジェクトチームを立ち上げ、関連ビジネスの創出を目指しています。

Ubicomホールディングス(証券コード:3937)
イスラエルのフェムテック企業「illumigyn」へ出資し、医療DXを推進しています。

これらの企業は、フェムテック分野での製品開発やサービス提供、投資などを通じて、月経管理、妊活サポート、オンライン診療、フェムテック製品の販売など、多岐にわたるサービスを展開し、女性の健康と生活の質向上に寄与しています。





★この記事は個人の株取引のメモであり、登場する銘柄は売買を推奨するものではありません。

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