2024年は為替に影響を受けた株式市場となりました。円安に振れ、一時ドル円が160円にまで行ったことで、輸出型企業が多い日本の株式市場には恩恵がある一方、物価高が鮮明となり、庶民の暮らしに打撃があったと報道されています。
2025年はどのような為替動向になるのでしょうか?正直どちらに振れるのか誰も分からないところではありますが、証券各社等から為替動向に関するレポートが出ています。
そのレポートですら円高か円安か割れているところもありますので、両者の可能性とその理由を一旦以下にまとめておきます。
目次
円高予想とその理由
1. 日米金利差の縮小
- 理由
- 米国の利上げがピークを迎え、今後は利下げの可能性が指摘されているため、米国の金利上昇幅が縮小すると予想されています。
- 一方で、日本は長期にわたり低金利政策を維持してきましたが、日銀が金融緩和政策を徐々に修正し、金利を引き上げる動きが見込まれています。
- 日米間の金利差が縮小することで、ドル売り・円買いの動きが強まると予測されます。
2. 日本経済の回復
- 理由
- 日本の経済回復基調が続く中、輸出増加や内需拡大が期待されています。
- また、観光業の復活や円安による競争力強化が、外貨流入を促進し、円高要因になる可能性があります。
3. 米ドルの弱含み
- 理由:
- 米国の景気減速やリセッション懸念が強まることで、ドルに対する投資家の信頼感が揺らぎ、ドル安に繋がる可能性があります。
- また、世界的な地政学リスクの軽減により、リスクオフ時に買われやすい円が強含むと予想されています。
4. 地政学的リスクの後退
- 理由:
- グローバルな地政学リスクが後退した場合、リスクオフの流れで円が買われる可能性があります。
- 特に、国際紛争やエネルギー危機の緩和が進めば、円の安全資産としての価値が注目されるでしょう。
5. 投資家のポジション調整
- 理由:
- 2023年~2024年にかけて進んだ急激な円安の反動から、過度なドルロング(ドル買い)のポジションを巻き戻す動きが強まると見られています。
- この動きが円買い圧力となり、円高を促進する可能性があります。
具体的な予測
大和アセットマネジメントや一部アナリストは、2025年末までに1ドル=130円台後半~140円を目標とする円高の進行を見込んでいます。
円安予想とその理由
円安予想の背景には、以下のような要因が挙げられます。これらは主に、日本と海外(特に米国)の経済状況や金融政策の差に基づいています。
1. 日米金利差の拡大
- 理由:
- 米国はインフレ抑制のため高金利政策を維持する可能性が高いと見られています。一方で、日本は長期間にわたり低金利政策を続けており、大幅な利上げは難しい状況です。
- 日米金利差が拡大すれば、より利回りの高いドル資産への投資が促進され、円安圧力が強まります。
2. 日銀の金融政策の継続
- 理由:
- 日本銀行は物価目標(2%)の安定的な達成を重視し、金融緩和政策の継続を示唆しています。このため、他国の中央銀行と比べて緩和的な政策が続き、円安に繋がると予想されています。
- 長期金利の上昇を抑制するための政策(イールドカーブ・コントロール)の維持が、円安を支える要因となります。
3. 日本の経済成長の低迷
- 理由:
- 日本の低成長率や生産性の低下が投資家の魅力を低減させ、円の需要が減少する可能性があります。
- また、少子高齢化や人口減少といった長期的な構造的問題も、円安の要因として挙げられます。
4. 米ドルの強さ
- 理由
- 米国経済が相対的に強い成長を続けている場合、米ドルが主要通貨としての優位性を維持します。
- 特に、世界的な経済不安が続く中で、安全資産としての米ドル需要が高まり、円安ドル高が進む可能性があります。
5. 原油価格の上昇と貿易赤字の拡大
- 理由
- 日本はエネルギー資源の多くを輸入に依存しているため、原油価格が上昇すると輸入額が増加し、貿易赤字が拡大します。
- 貿易赤字が続くと、日本円の価値が下がりやすくなり、円安圧力が高まります。
6. グローバルなリスクオンの流れ
- 理由
- 投資家がリスクオン(リスクを取って高リターンを狙う)姿勢を強めた場合、新興国通貨やドル資産が選好され、円が売られやすくなります。
- 特に、世界的な景気回復の加速が進めば、円安が進行する可能性があります。
具体的な予測
- 三井住友DSアセットマネジメント: 2025年末のドル円相場を153円と予測しています。
- ブルーモ証券: ドル円相場を133円~159円の範囲と見込んでおり、円安の可能性を強調しています。
結局どちらにも触れる可能性があるわけですが、その振れ幅や流れ次第では株式市場に大きな影響を与えるのが為替です。2024年は円安に振れれば日本株は基本リスクオンでしたが、それも2025年はどそのような評価になるかどうかわかりません。
ただいずれにせよ、為替動向は株式市場に影響を与えるんだということだけは理解して、2025年相場も乗り切っていきたいところです。
★この記事は個人の株取引のメモであり、登場する銘柄は売買を推奨するものではありません。