株式会社エフ・コード（証券コード: 9211）は、顧客獲得・育成支援サービスをSaaS形式で提供する企業として、近年著しい成長を遂げています。本記事では、同社の直近の業績、今後の業績の展望、株価上昇のカタリストとなり得る要因、そして適正株価について考察します。
直近の業績
2023年12月期のエフ・コードの連結決算によれば、売上高は24億8,203万円、当期純利益は4億7,970万円を記録しました。これは前期比で売上高が約2.3倍、当期純利益が約5.9倍と、大幅な増収増益を達成しています。
また、営業利益率は26.27%と、前年の12.23%から大幅に改善されており、収益性の向上が顕著です。自己資本比率も29%と、前年の21.3%から改善され、財務基盤の強化が進んでいます。
今後の業績の展望
エフ・コードは、2024年12月期の業績予想として、売上高46億3,300万円、営業利益13億5,000万円、当期純利益7億7,500万円を見込んでいます。これは前期比で売上高が約86.66%、営業利益が約107.07%、当期純利益が約61.56%の増加を予想しており、引き続き高い成長が期待されています。
同社は、上場以降、顧客数が10倍に増加するなど、事業基盤の拡大が進んでいます。この顧客基盤の拡大とともに、提供するSaaSサービスの多様化や機能強化が進められており、これらが業績拡大の原動力となるでしょう。
同社の主力サービスは、Web接客ツール「CODE Marketing Cloud」です。このツールは、サイト解析やマーケティングオートメーション（MA）データと連携し、ランディングページ（LP）のコンバージョン率（CVR）改善や離脱防止施策など、UI/UXの最適化を支援します。
また、エントリーフォーム最適化ツール「f-tra EFO」も提供しており、これらのサービスを通じて、企業のデジタルトランスフォーメーション（DX）を推進しています。
主力サービスである「CODE Marketing Cloud」の具体的な顧客数や売上高の内訳は公開されていませんが、顧客数が2021年12月の上場時点で顧客数が271社から、2023年12月期には2,616社と約10倍に増加していることから、かなり速いペースで成長しえていると予想できます。
株価上昇のカタリストとなり得る要因
エフ・コードの株価上昇を促す要因として、以下が挙げられます。
- 新規サービスの展開: 同社が新たなSaaSプロダクトや機能をリリースすることで、顧客層の拡大や既存顧客のアップセルが期待できます。
- 市場シェアの拡大: デジタルマーケティング分野でのプレゼンスを強化し、市場シェアを拡大することで、収益基盤の安定化と成長が見込まれます。
- 戦略的パートナーシップの構築: 他企業との提携や協業により、サービスの付加価値を高め、競争優位性を確立することが可能です。
適正株価について
同社の理論株価は1,147円と算出されており、現状の株価はやや割高と評価されています。また、別の分析では、2025年1月19日時点での理論株価は1,674円とされており、現在の株価は割安と評価されています。
同社の適正株価を推定するために、最新の予想EPS（1株当たり利益）と同業他社の平均PER（株価収益率）を参考に計算してみましょう。
1. 最新の予想EPS
エフ・コードの2024年12月期の予想EPSは63.68円です。
2. 同業他社の平均PER
同業他社の平均PERは18.5倍と推測できます。
3. 適正株価の推定
適正株価は、予想EPSに同業他社の平均PERを掛け合わせて算出できます。
計算式：63.68円（予想EPS） × 18.5（同業他社平均PER） = 約1,178円
したがって、エフ・コードの適正株価は約1,178円と推定されます。
4. 現在の株価との比較
2025年1月10日時点のエフ・コードの株価は1,298円でした。
この結果、現在の株価は適正株価の推定値を上回っていることがわかります。
5. 考察
現在の株価が適正株価を上回っている要因として、以下の点が考えられます。
①市場の評価：同業他社と比較して、エフ・コードの事業モデルや将来性が市場から高く評価されている可能性があります。
②成長期待：エフ・コードは近年、売上高や利益の大幅な増加を達成しており、今後も高い成長が期待されています。
まとめ
エフ・コードは、直近の業績で大幅な増収増益を達成し、今後も高い成長が期待されています。新規サービスの展開や市場シェアの拡大、戦略的パートナーシップの構築などが株価上昇のカタリストとなり得ます。適正株価については評価が分かれるものの、同社の成長性を考慮すると、現在の株価は魅力的な水準であると考えられます。
★この記事は個人の株取引のメモであり、登場する銘柄は売買を推奨するものではありません。
