昨日あげた記事「【四季報夏号・個人的注目株】「マーケットエンタープライズ」まとめ」についての続報記事をまとめました。
※前回記事

昨日IRで6月の月次が出ました。


これで2024年度期の通年進捗が出たことになるのですが、平均値は前期比130.8%の結果という事になり、最終着衣の売上や営業利益、EPSなどをまとめてみました。
2025年6月期 業績試算(前期比130.8%成長を前提)
| 項目 | 試算結果 |
|---|---|
| 年間売上高(2025年6月期) | 約24,863百万円 |
| 営業利益(営業利益率3%想定) | 約746百万円 |
| 当期純利益(税率30%想定) | 約522百万円 |
| EPS(1株当たり利益) | 約97.6円(現状会社発表予想は67.3円・・・約1.5倍) |
試算の前提と妥当性の検討:
最新の月次速報によれば、2025年6月期通期の売上高は前期比約130.8%と大幅な増収となりました。前期(2024年6月期)の売上高19,008百万円にこの成長率を適用すると、2025年6月期の売上高は約24,863百万円と推定されます。会社計画における営業利益率がおおむね3%(例: 売上高23,000百万円に対し営業利益700百万円の計画)であることを踏まえ、同程度の利益率を適用すると営業利益は約746百万円となります。税引後利益は税率30%で概算して約522百万円、発行済株式数(最新約5,351,800株)で割るとEPSは約97.6円となります。
本試算結果は概ね妥当と考えられます。2024年6月期には減損損失やデリバティブ評価損の計上で最終赤字となりましたが、2025年6月期は第3四半期まで特別損失の計上が軽微であり、業績は順調に回復しています。
また直近期には、約96百万円のデリバティブ解約益が発生し通期業績に営業外収益として加算される見込みです。この解約益は5月時点の会社業績予想に織り込まれておらず、当社は通期決算に与える影響を精査中と発表しています。
さらに6月単月の売上高が前年同月比+25.6%と高い伸びを示すなど、通期を通じて増収基調が続きました。以上の状況から、特別損益による大きな下振れリスクは現時点で見当たらず、むしろ売上好調と営業外収益の上振れ要因により、試算した利益水準は十分達成可能であると考えられます。なお、最終的な実績値は今後の決算発表(2025年8月14日予定)にて確定するため、当試算はあくまで現時点で得られた情報に基づく概算である点に留意が必要です。
マーケットエンタープライズ(3135) 2025年6月期EPS基準の株価レンジ試算
マーケットエンタープライズ(3135) 2025年6月期EPS基準の株価レンジ試算
マーケットエンタープライズ(3135) 2025年6月期EPS基準の株価レンジ試算
2025年6月期の着地見込みEPSを約97.6円とし、この値を基準に株価レンジを試算します。また株価算出にあたり、過去の当社株の評価水準や類似企業の予想PERを参考に15倍~25倍のPERレンジを想定しました。参考までに、同業他社ではシュッピンやブックオフグループHDの予想PERが現在おおむね11倍台、トレジャー・ファクトリーも約14倍となっており、これらより高めのレンジを設定しています。
EPS×PERによる株価レンジ試算
EPS97.6円に対し、想定PERごとの理論株価を以下の表にまとめます(株価目安 = EPS97.6円 × 想定PER)。
| 想定PER(倍) | 株価目安 (円) |
|---|---|
| 15 | 約1,460 |
| 20 | 約1,950 |
| 25 | 約2,440 |
※上記はEPSに対する単純計算による株価の目安値です。
各PER水準の目安と現在株価との比較
- PER15倍(約1,460円): 同業他社並みかそれ以上の慎重な評価水準です。15倍は業界平均並みであり、現在の株価(約1,600円)と比べるとこの水準での理論株価をやや上回っています。したがって、仮にマーケットエンタープライズが同業並みのPER15倍程度で評価される場合、現在株価は若干割高とも言えます。
- PER20倍(約1,950円): 成長企業に対する適切な中間的評価水準です。マーケットエンタープライズは第3四半期まで売上高前年比+34%、営業利益+344%と急成長を遂げており、一定のプレミアム評価が妥当と考えれば20倍前後も視野に入ります。20倍換算の理論株価は現在株価を約20%以上上回るため、現状はこの水準から見ると割安と言えます。
- PER25倍(約2,440円): 極めて強気な評価水準です。市場が将来の大幅成長を織り込む場合や、株式需給によってはPER25倍程度まで買われる可能性も考えられます。実際、今年1月末には株価1,566円で会社予想EPS61.84円に基づく予想PER約25倍に達した局面もありました。25倍水準の理論株価は現在値を大きく上回り、現状は大幅に割安との見方になります。ただし25倍は同業水準を大きく超えるため、持続的な高成長期待が必要な水準です。
妥当な株価レンジと株価水準の評価
以上より、マーケットエンタープライズの適正株価レンジは概ね1,460円~2,440円(EPS97.6円×PER15~25倍)と試算されます。このレンジ内で、現在の株価約1,600円はPER換算で16倍前後となり想定レンジの下限寄りです。したがって、成長期待を加味すれば割安水準とも言えますが、一方で同業平均と比べればやや高い水準でもあります。最終的には今後の業績成長に対する市場の評価次第であり、20倍前後(約1,950円)の水準が一つの目安として、現株価が割安か割高かを判断する材料になるでしょう。現状では中間的な20倍水準と比較して適度に割安であるため、今後も業績が計画通り拡大すれば株価には上昇余地があると考えられます。一方、仮に成長が鈍化し市場からの評価が業界平均並みに留まれば、現在株価はやや割高との見方もでき、慎重な監視が必要です。各PER水準の妥当性を踏まえ、現在の株価水準は総合的には適正~やや割安な水準にあると評価できると考えます。
従って今期成績だけでPER25倍の株価2440円は個人的にはそれほど高い数値ではないという事と、来期進捗次第では2023年発表の中期経営計画の売上300億円が現実化する可能性も出てくるため、その場合のEPS220円~260円なら、ターゲットプライス6,000円という株価もあながち非現実的ではない状況になると考えています。
★この記事は個人の株取引のメモであり、登場する銘柄は売買を推奨するものではありません。




