銘柄研究:2025/7/10(木)【個人的注目IPO】エータイについてのまとめ

足下はIPO相場ではないのですが、個人的に以前から気になっていた「エータイ」という銘柄があります。

お墓ビジネスなので、激しいスケールは無いと思うのですが、それでも当面続く高齢化社会では、絶対的なニーズがあるのは自明です。

あんまりにも気になるし、なんなら少し買っているので、出来る範囲で調べてみました。

今年6月に東証グロース市場へ新規上場した株式会社エータイ(369A)は、寺院向けコンサルティング事業を展開するユニークな企業です。上場初日の初値は公募価格1,510円を約68.6%上回る2,547円を記録し、好調なスタートを切りました。少子高齢化による墓継承者不足という社会課題を背景に、「永代供養墓」を中心とした寺院支援ビジネスが注目を集めています。本記事では、エータイの事業モデル財務・業績動向株主構造株価バリュエーション、そして将来展望について、上場資料や業績予想を踏まえて考えてみました。

目次

事業モデル分析:寺院コンサルティングと永代供養ビジネス

エータイは寺院に対し、永代供養墓の企画・建立・運営・販売代行を含む包括的なコンサルティングサービスを提供しています。永代供養墓とは、利用者に後継者がいなくても寺院が永続的に供養・管理を行うお墓のことで、従来の家墓とは異なり継承者不要・年間管理費不要の新しい供養形態です。エータイは全国80以上の寺院と提携し、永代供養墓や樹木葬の造成から集客・契約・納骨・アフターサービスまで一貫支援しており、累計3万件超の契約実績を持つ業界のパイオニアといえます。

同社の特徴は、寺院側の初期負担ゼロでサービス導入できる点です。永代供養墓の企画・建設費用や広告宣伝、運営管理に伴うコストの大半をエータイが自社で負担し、その代わりに利用者からの契約金額の約80%を手数料収入として受け取るビジネスモデルを採用しています。具体的には、利用者が支払う永代供養墓の契約額から、寺院側が行う宗教的儀式の対価(志納料)を除いた残額をエータイの「募集代行手数料」として計上する仕組みです。このモデルにより寺院は初期投資なしで墓所を新設でき財務基盤を強化できる一方、エータイは高い手数料率を設定することで高収益を実現しています。

さらに、エータイは利用者視点のサービスにも注力しています。宗派を問わず受け入れる柔軟な体制や、永代管理費不要の価格設計といったプランを用意し、契約後も法要や納骨に至るまで継続サポートすることで、利用者に従来の単なる仲介では得られない安心感を提供しています。寺院にとっても、檀家(寺院檀徒)の減少で経営が苦しい中、エータイのサービスは新たな収入源となり得ます。事実、エータイ提携寺院は年々増加しており、2024年8月期時点で開苑寺院(サービス導入寺院)数は80ヶ寺、1寺院あたり平均売上約2,970万円を計上しています。

財務・業績の現状と今期予想

エータイの業績は安定した成長基調にあります。過去3期の実績を見ると、売上高は2022年8月期の17.8億円から2024年8月期には23.8億円へと増加し、年平均成長率は約15%に達しました。特に直近の2024年8月期は前期比+23.2%の増収(23.76億円)、営業利益は5.06億円で前年から+24.3%増と順調な拡大を見せています。営業利益率も21%強と高水準で安定しており、少子高齢化という構造的追い風を背景に着実な成長を遂げてきたことが読み取れます。

2025年8月期の会社計画も力強いものです。上場目論見書に記載された業績予想によれば、売上高28.55億円(前期比+20.2%)、営業利益7.28億円(同+43.9%)を見込んでいます。営業利益の伸びが売上以上に大きいのは、固定費の逓減効果や高採算のビジネスモデルによる収益性向上を示唆しています。実際、予想ベースの営業利益率は約25.5%へ上昇見通しです。この結果、今期(2025年8月期)のEPS(1株当たり利益)は約105~108円程度になる見込みです。前期実績EPSが74.3円でしたから、一株利益も4割前後の増加となりそうです。

なお、エータイは株主還元にも積極的で、配当方針は配当性向40%目安と公表されています。2024年8月期に初配当として1株当たり30円を支払い(配当性向40.4%)、2025年8月期は38.05円の配当を予定しています。この配当予想が実現すれば、予想利益に対する配当性向は約40%となり、上場後も方針通りの還元が続く見込みです。安定成長企業でありながら配当利回りも現在約1.3%(7月10日時点株価ベース)あり、成長と所得収益のバランスを兼ね備えています。

株主構造とロックアップ:経営陣主体のオーナーシップ

エータイの株主構成は、創業オーナー一族と関連会社が大半を占める典型的オーナー企業です。上位株主10名を見ると、筆頭株主は樺山伸一氏(血族)で58.37%の株式を保有し、次いで株式会社エージーアイ(役員等が議決権過半数を所有する会社)が29.19%、そして代表取締役社長の樺山玄基氏が9.73%を保有しています。これら主要株主3者で約97%を占め、残りは監査役や従業員の持株がわずかに散らばる構成です。エージーアイ社は樺山一族の資産管理会社と推察され、実質的に創業家が会社支配権を握る体制となっています。

上場にあたっては、筆頭株主の樺山伸一氏が自己保有株の一部(108万株)を売出し、社長の玄基氏も12万株を売出しました。その結果、公開直後の流通株式数(公募・売出株合計)は約161万株(発行済株式総数の38.4%)となり、残る創業家保有株約60%強には180日間のロックアップが設定されています。ロックアップ解除日は2025年12月22日で、主要株主の保有株については株価条件等の特別な解除条項は付されていません。したがって、上場から半年間は需給面で大きな変動要因は限定的と言えます。むしろ創業家主体の安定株主に支えられたガバナンス体制は、経営の一貫性や長期志向を担保する点で投資家に安心感を与えるでしょう。一方で、ロックアップ明けには創業家の追加売却リスクもゼロではなく、中長期的には大型株主の動向に注意が必要です。

株価バリュエーション:適正水準の検討

現在の株価水準を業績と比較すると、エータイの株価バリュエーションはおおむね業績成長に見合った水準と考えられます。7月10日終値ベース(約2,900円)での予想PER(株価収益率)は約28倍となり、来期予想ベース(アナリスト予想EPS:約123円)では約24倍です。同社は高い営業利益率と安定成長を両立していますが、成長率自体は急激ではなく中程度(年20%前後)である点を踏まえると、このPER水準はやや割高~適正圏内のレンジと評価できます。上場時の仮条件上限1,510円に基づくPERは14倍、PBR(株価純資産倍率)は2.37倍と割安に設定されていましたが、初値形成後の市場評価によって現在はPBR約4.5倍まで上昇しています。これは、投資家が同社の高収益モデルや成長余地にプレミアムを織り込んでいることを示唆します。

比較対象となる上場企業は限られますが、たとえば同じ葬送ビジネス関連のプラットフォーム企業である鎌倉新書(6184)のPERがおおむね30倍台で推移している点を鑑みれば、市場はエータイを「緩やかな成長と高利益率を持つ優良サービス業」と位置付け、20~30倍程度の利益倍率を許容していると考えられます。配当利回りについては現在1%台前半と高くはないものの、グロース市場上場企業で安定配当を出す銘柄は少なく、配当付き成長株として一定の評価材料となっています。

もっとも留意すべき点は流動株式の少なさIPOロックアップ解除後の需給変動です。浮動株比率約38%とはいえ、主要株主のロックアップ解除が年末に控えており、一時的な需給悪化の可能性は否めません。また、市場全体のボラティリティ次第では、PER水準の調整(株価下落)も起こり得ます。現時点の株価は、投資家が同社の独自性や成長シナリオにある程度の信頼を置いている水準といえますが、今期予想の達成可否や中長期の成長持続性によっては適正株価レンジも変動するでしょう。

将来予測:中期成長シナリオと2027年業績展望

エータイの将来展望を考える上で鍵となるのは、提携寺院数の拡大1寺院あたり収益の向上です。現在80ヶ寺の提携数は、首都圏を中心にまだ伸びしろを多分に残しています。同社はドミナント戦略(特定地域への集中的展開)を採用し、既存寺院の近隣に新規提携を広げる方針です。AIを活用したデータ分析により、各地域で年間成約額4,000万円規模が見込める有望寺院を抽出しアプローチしているとのことで、当面は関東圏(東京・埼玉・千葉・神奈川)を深耕するとしています。これら4都県だけでも潜在ターゲット寺院は約6,300ヶ寺にのぼり、現状の提携数から考えれば市場拡大余地は非常に大きいと言えます。仮に年10~15ヶ寺ペースで提携を増やせば、2027年には提携寺院数が120~140ヶ寺規模に達する可能性もあり、単純計算で売上規模も現状比で5~7割増が期待できる計算です。

2027年度(2027年8月期)の業績推計としては、年率15%前後の売上成長を前提に、売上高は35億円規模、営業利益は9~10億円規模に達するシナリオが考えられます(2024年実績23.8億円→2027年約35億円)。証券アナリストの予測でも2026年頃に売上30億円台前半が示唆されており、営業利益率も25%超を維持できればEPSは120~130円台後半まで成長する可能性があります。エータイは高齢化社会のニーズに根差した事業モデルであり、急激な成長こそ見込みにくいものの、堅実な市場拡大と高収益体質により中期的にも年率10~20%の増収増益が継続すると期待できます。

もっとも、中長期の課題としては競合の存在事業領域の拡張が挙げられます。現在、永代供養墓ビジネスにおいてエータイは4年連続契約数トップの座を守っています。しかし、寺院経営支援の分野には船井総合研究所など他業界からの参入もみられ、また非営利組織「お寺の未来」のように異なるアプローチで寺院活性化を図る動きもあります。エータイとしては、自社の強みである法規制対応力寺院ネットワークの信頼関係を武器に、高い参入障壁を維持する戦略が重要です。さらに将来的には、寺院M&Aや他の終活サービスとの連携といった新領域への挑戦も考えられます。実際、地方では後継者不在の寺院が増えており、企業が寺院運営に関与するモデルの可能性も議論されています。エータイが単なる墓地仲介に留まらず、「供養インフラ企業」として寺院そのものの再生や、葬儀社・石材店との提携による包括サービスを展開できれば、新たな成長ドライバーとなるでしょう。

まとめ

エータイは永代供養墓コンサルティングのリーディングカンパニーとして、高齢化社会のニーズに応える独自ビジネスモデルを確立しています。そのモデルは寺院・利用者双方にメリットをもたらし、高い手数料収入による安定した高収益体制を築いています。財務面でも売上・利益ともに堅調に拡大し、2025年8月期は大幅増益予想と株主還元を両立させています。株価は上場後に大きく上昇し、現在は予想PER約28倍と成長期待を織り込んだ水準にありますが、それでも同業他社や市場平均と比して過度な割高感はない範囲です。むしろ高い参入障壁に支えられた持続的な成長ストーリーが評価されていると言えます。

投資家にとっては、今後の注目ポイントとして業績予想の達成状況新規提携寺院の開拓ペースが挙げられます。予想通りの成長を遂げられれば中期的なEPS拡大により株価の妥当性は維持されるでしょう。一方で、ロックアップ解除後の株式供給動向や、市場全体の変動によるバリュエーション調整には注意が必要です。

ここまで調べてみて思うのは、AIとかデータセンターとは全く違うジャンルでありながら、ニッチトップの久しぶりの上場で、将来性や成長性も高いことから、もしかしたらかつてのアレントやInforichのような大きな株価上昇が期待できるのではないという事。またそのカギは今回のIPOで調達した資金の使い道によるのかなと・・・具体的には寺院数拡大のためのPRコストに充てるなどすれば、マーケットの拡大は垂直的に上がっていく可能性があるのではないかと考えています。上場したという実績は特に地方では大きな信頼性の高まりに貢献するはずですし、後継者不在寺院なども今後ドンドン増えていくだろうから、そのあたりの社会問題解決にもエータイは貢献出来るポテンシャルがあるわけで・・・。

などなど、この先2~3か月で株価3倍程度の上昇を密かに期待していたりします。






★この記事は個人の株取引のメモであり、登場する銘柄は売買を推奨するものではありません。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
目次