名村造船所(証券コード: 7014)は、2024年12月現在、堅調な業績を維持しています。2024年11月9日には、2024年3月期の通期連結業績予想を上方修正し、経常利益が前期比32%増の150億円に達する見通しを発表しました。
この増益は、円安の進行やグループ全体での原価削減活動の成果によるものとされています。
今後の業績展望
名村造船所は、新造船事業において世界的な需要拡大を見込んでいます。特に、海運ブーム期に大量発注された船舶の代替需要や、次世代燃料船の建造需要が重なることで、新造船の需要が急速に拡大すると予測しています。これに対応するため、グループ全体で生産量の拡大を図る方針を示しています。
リスク要因
一方で、以下のリスク要因が指摘されています:
- 政治・経済情勢: 世界経済の悪化や地政学的リスクの高まりにより、海運市況が低迷した場合、新造船需要が後退し、受注の確保が難しくなる可能性があります。
- 事業環境・競争環境: 世界的なインフレなどの不安要素があり、引き続き緊張感を持った事業経営が求められます。また、受注から竣工引渡しまで通常2~3年の期間を要するため、為替レートの変動や原材料価格の上昇が収益に影響を与える可能性があります。
カタリストとなり得る要因
名村造船所は、以下の取り組みにより成長を加速させる可能性があります:
- 人材確保とDX推進: 生産量拡大に向けて、人材確保とデジタルトランスフォーメーション(DX)への投資を強化しています。AIやIoTを活用したスマートファクトリー化を進めることで、生産性の向上と競争力の強化を図っています。
- 環境規制対応: 環境規制に適合した次世代燃料船の建造需要が高まる中、これらの需要に対応することで、新たな受注機会を創出することが期待されます。
これらの要因を総合すると、名村造船所は堅調な業績を維持しつつ、将来的な成長機会を捉えるための戦略を展開していると言えます。ただし、外部環境の変化や市場リスクに対する注意も必要です。
適正株価について
2024年12月20日時点での株価は1,671円でした。
一方、投資家向け情報サイト「みんかぶ」では、目標株価を982円と設定しており、現在の株価と比較すると割高と評価されています。
また、個人投資家の中には中期的な目標株価を2,525円と予想する意見もあります。
さらに、IRバンクの価値算定によれば、2025年3月期の1株価値を4,099円と予想しており、現在の株価と比較して割安と評価されています。
これらの情報から、名村造船所の適正株価に関する評価は分かれていることがわかります。
そもそも造船は今年3月初旬にピークを付け、その後下落し続けています。これは半導体も同じ状況です。高値期日である3月頃に信用買いした玉も、6か月形状経過した現在では恐らくロスカットされて需給面では改善されている状況だと推測します。
一方で造船業界は2030年~2050年にかけて大きな発展が約束されている業界でもあります。
従って、このままの株価でセクターがシュリンクしていくのはちょっと考え辛い。
また同様に投資家の多くが見守っている半導体は、トランプリスクとチャイナリスクでまだ買えない・・・となった場合に造船は資金を入れやすい環境にあると考えます。
名村造船のザラ場を連日見ていますが、12月中旬から明らかに強い展開になっており、年始から造船セクターが熱い相場になるのではないかと期待しています。
さてどうなるか・・・。
なお、投資判断を行う際には、これらの情報を参考にしつつ、最新の業績や市場動向なども総合的に考慮することをおすすめします。
★この記事は個人の株取引のメモであり、登場する銘柄は売買を推奨するものではありません。