2024年後半でディズニーのIPを取得したことで話題になったスマホゲーム開発会社、ドリコム。株価は乱高下をしながらも、11月以降は底堅く上昇しているようなチャートを描いています。
さて、ディズニーステップの正式ロンチは2025年春。それ以降、どのような業績インパクトを与えることになるのか?
基本的な情報の振返りと共に、以下にまとめてみました。
ドリコムの業績展望について
1. 業績の現状と課題
2025年3月期第2四半期のドリコムの業績は以下の通りです。
- 売上高:40.18億円(前年同期比21.1%減少)
- 営業損失:3.15億円(前年同期は営業利益4.63億円)
- 特別損失:6.01億円(新作タイトルの減損処理による)
業績悪化の要因
- 一部既存タイトルのイベントが想定を下回る。
- 新作タイトルでの減損処理。
- モバイルゲーム市場の成熟化による競争激化。
2. 今後の業績展望
ドリコムは現在、既存タイトルの強化と新作タイトルの展開を通じて、収益改善を目指しています。特に、IP(知的財産)活用による新作開発と、ゲーム以外の分野(広告やデジタル領域)の収益柱の多角化を進めています。
以下が注目すべき点です。
- ディズニーライセンスを取得した位置情報ゲーム『Disney STEP』
- 配信予定:2025年春
- 概要:位置情報機能を活用したリアル体験型ゲームで、ディズニーキャラクターと宝探しを楽しむ。
- 期待の理由:
- ディズニーのブランド力により幅広いユーザー層を獲得可能。
- 位置情報ゲーム市場は競合が少なく、ポテンシャルが大きい。
- βテストで好意的な反応を得ており、期待値が高い。
- マーケットへの影響:ポケモンGOなどの成功例を参考にすると、位置情報ゲームのヒットは市場に大きな影響を与える可能性があります。
- 既存ゲームの改善
- 『ダービースタリオン マスターズ』など既存のゲームタイトルの運営効率化やイベント改善による収益向上。
- コスト構造の見直し
- 減損処理の影響を抑えるため、開発リソースの効率化を図ると予測されます。
3. 業績リスク
ドリコムの成長を阻害する可能性のあるリスクは以下の通りです。
- モバイルゲーム市場の成熟化
- ユーザーの要求水準が高まり、新規タイトルでの差別化が難しい状況。
- 競争激化
- グローバル市場での他社IPゲームとの競合。
- ゲーム開発コストの上昇
- 開発リソースの逼迫や広告費の高騰により収益性が低下するリスク。
- ディズニーIPのプレッシャー
- 高い期待がある一方で、失敗した場合のブランドイメージへの影響や投資リスク。
4. カタリスト(株価上昇の要因)
① Disney STEP のヒット
- 『Disney STEP』が市場で成功を収めれば、以下の要因で株価が押し上げられる可能性があります。
- ゲーム収益の増加。
- ドリコムの市場シェア拡大。
- 新たなIPタイトルの展開への道筋。
② 既存ゲームの成長
- 長期運営タイトルの収益性向上が、業績の安定化につながる。
③ 外部提携の強化
- 新たなIP取得や他社との協業が、今後の収益拡大をサポート。
④ その他の新規事業
- ゲーム以外の分野での収益拡大が、リスク分散と業績の底上げにつながる。
ドリコムの適正株価は?
5. 適正株価の試算
適正株価を試算するには、以下の条件が必要です。
- 成長予測モデル
- 『Disney STEP』が年間売上100億円規模を達成すると仮定。
- 既存タイトルの売上維持、もしくは微増。
- コストの効率化により営業利益率が10%程度回復。
- PER(株価収益率)モデル
- 同業他社の平均PERを参考に、15倍~20倍を想定。
例:株価試算 仮に、2025年の営業利益が15億円と想定し、PERを15倍で計算すると、
- 株価=営業利益 × PER ÷ 発行株式数
- =15億円 × 15 ÷ (約1,300万株)
- → 約1,730円(現状株価の上昇余地があるといえます)
ただし、この試算は『Disney STEP』の成功と収益貢献を前提としており、リスク要因を十分に考慮する必要があります。
ディズニーステップがドリコムにもたらす収益予想
『Disney STEP』の期待収益について具体的な予測をするには、市場規模、同種のゲームの成功事例、ユーザー層の特性など、複数の要因を考慮する必要があります。以下に詳細な予測シナリオを提示します。
1. 位置情報ゲーム市場の参考事例
位置情報ゲームの収益は、プレイヤー数、課金率、ARPPU(1ユーザーあたりの平均収益)に大きく依存します。
代表的な事例
- 『ポケモンGO』
- 初年度収益:約1,200億円
- 2022年の年間収益:約1,000億円
- 月間アクティブユーザー(MAU):約8,000万人
- ARPPU:約1,000円/月
- 『ドラゴンクエストウォーク』
- 初年度収益:約300億円
- MAU:200万人~300万人規模(推定)
- ARPPU:1,500円~2,000円/月
『Disney STEP』はディズニーの強力なIPを活用しつつ、位置情報ゲームという特徴を持つため、これらの中間的な収益モデルを目指すと考えられます。
2. 『Disney STEP』の収益予測
仮に、以下の条件で予測を行います。
ユーザー数(MAU)
- シナリオ1(保守的予測)
- 初年度MAU:100万人
- 成熟期MAU:150万人
- シナリオ2(楽観的予測)
- 初年度MAU:300万人
- 成熟期MAU:500万人
課金率
- 位置情報ゲームの課金率は一般的に3~5%程度とされますが、ディズニーIPを活用することで5~8%まで向上する可能性があります。
- 保守的予測:5%
- 楽観的予測:8%
ARPPU
- ディズニーIPを活用したことで、収益単価(ARPPU)が高まる可能性があります。
- 保守的予測:1,000円/月
- 楽観的予測:1,500円/月
3. 年間収益の試算
以下の式で年間収益を算出します
年間収益=MAU×課金率×ARPPU×12 (月数)
シナリオ1(保守的予測)
年間収益=150万人×5%×1,000円×12=9億円
シナリオ2(楽観的予測)
年間収益=500万人×8%×1,500円×12=72億円
4. マーケットポテンシャルとその他収益
広告収益
- 無課金ユーザーからの広告収益も期待できます。広告収益を1ユーザーあたり月100円と仮定した場合、MAU150万人で年間1.8億円、MAU500万人で年間6億円程度の追加収益が見込まれます。
コラボイベントやグッズ販売
- ディズニーキャラクターの新作映画やテーマパークとのコラボイベントで、さらに収益を拡大できる可能性があります。
5. 全体の収益目標
- 保守的予測:年間10億円程度(課金9億円+広告1億円)
- 楽観的予測:年間80億円程度(課金72億円+広告6億円+その他2億円)
6. 業績への影響
ドリコムの2025年3月期売上高予測が約80億円前後と想定される中、『Disney STEP』が成功すれば、年間売上の10~100%近くを占める可能性があります。つまり売上が倍増、、、いやそれ以上のインパクトをもたらす可能性すらあると思います。もしかしたら、ポケゴーからのユーザー移動すら起こる可能性もあるのでは?
いずれにせよ決算に反映されるのは8月の発表時点からになると思いますので、今後の株価動向がどうなるのか注目です。
追記 > 私は個人的にこの銘柄は2025年とんでもないボラの乱高下をする展開を予想しています。BOIの時のことを思い出してください。DSリリースで出尽くし下げの可能性はもちろん、IRが何かしら出るたびに激しい動きをすることは必至です。一時期持っていましたが既に利確して今は事態を静観しています。少なくともかつてのGのPDのような相場にはならないと思っているので、全ての決断は早めにすることをおススメします。
★この記事は個人の株取引のメモであり、登場する銘柄は売買を推奨するものではありません。