銘柄研究:2025/1/5(日)fonfunについて

株式会社fonfun(証券コード:2323)は、主に情報・通信業界で活動しており、PCメールを携帯で利用できる「リモートメール」やSMS販促ツールなどを提供しています。

2023年にこの会社の社長に就任した水口翼氏という人物を調べていくと、この人物が魅力的過ぎて「この会社マジで化けるんじゃないか」と思っています。

目次

業績の現状と今後の展望

2024年8月13日に発表された2025年3月期第1四半期(4-6月)の経常利益は、前年同期比5.0倍の4,000万円と大幅な増益を達成しました。これを受けて、通期の経常利益予想も従来の8,000万円から1億6,300万円へと上方修正され、77.2%の増益見通しとなっています.。

さらに、2023年9月25日に発表された中期経営計画では、2026年3月期の数値目標として、売上高20億円、EBITDA4億円、時価総額100億円を掲げています。これは、2024年3月期の売上高8.2億円、営業利益0.9億円と比較して、かなり高い目標設定となっており、今後の成長戦略に注目が集まります。

プロジェクトフェニックス

同社は、2023年9月に新中期経営計画「プロジェクトフェニックス」を発表しました。この計画では、2026年3月期までに以下の目標を掲げています。

数値目標

  • 売上高: 20億円
  • EBITDA: 4億円
  • 時価総額: 100億円

主な戦略

  1. M&Aによる事業拡大: 既存事業の強化と新規事業の創出を目的に、積極的なM&Aを推進しています。これにより、エンジニア数の増加やサービスラインナップの拡充を図っています。
  2. エンジニアの採用強化: テクノロジー企業としての基盤を強化するため、エンジニアの採用を積極的に進め、2026年度末までにエンジニア数100名を目指しています。
  3. 新規中核事業の創出: DXソリューション事業やクラウドソリューション事業を中心に、新たな中核事業の創出を目指しています。

M&A実績

同社の主なM&A実績は以下のとおりです。

  1. 株式会社クロノスのSMS送信事業の譲受(2024年1月1日)
    • SMS配信サービスの強化を目的として、株式会社クロノスのSMS送信事業を譲受しました。
  2. 株式会社ゼロワンのノーコード業務アプリ開発SaaS事業の譲受(2024年3月28日)
    • プログラミング不要で業務アプリを開発できるSaaS事業を譲受し、DXソリューション事業の強化を図りました。
  3. 合同会社selfreeの完全子会社化(2024年6月19日)
    • 企業向けクラウド電話システム「CallConnect」の開発・運営を行うselfreeを完全子会社化し、クラウドソリューション事業の拡充を目指しました。
  4. 株式会社イー・クラウドサービスの完全子会社化(2024年7月30日)
    • 飲食店向け日次決算プラットフォーム「れすだく」を提供するイー・クラウドサービスを買収し、クラウドソリューション事業の多角化を推進しました。
  5. グルーコードコミュニケーションズ株式会社の完全子会社化(2024年7月30日)
    • エンジニア派遣やDX・AI支援を行うグルーコード社を買収し、DXソリューション事業の人材基盤を強化しました。

水口翼という人物について

同社社長、水口翼(みずぐち つばさ)氏は、かなり変わった経歴の持ち主です。「変わった」というのは、昨今の起業家に多い”大企業スピンアウト型””投資ファンド独立型”では全くないという点です。

そして、まだ42歳(2025年1月時点)という若さで、「サイブリッジグループ」という企業グループを率いています。

この会社を調べるときに忘れてはならないのは、fonfunという単体を見ることではなく、「サイブリッジグループ」という水口氏が20年前に起業して成長し続けている企業群の中の「ワンオブゼムのfonfun」という視点です。

彼の主な実績は以下のとおりです。

学生起業とサイブリッジの設立

  • 2000年初頭: 青山学院大学在学中に学生結婚を機に、ウェブデザイナーとして個人事業を開始。
  • 2004年: 資本金10万円で株式会社シンクマーク(後に株式会社サイブリッジに改称)を設立し、代表取締役に就任。外部からの資本調達を行わず、自己資金で事業を成長させました。

多岐にわたる事業展開

  • サイブリッジでは、ウェブ制作、メディア運営、ソフトウェア開発、自社オフショア拠点の構築など、ITを中心とした幅広い事業を展開。
  • IT以外にも、広告代理、ウェブマーケティング、アフィリエイトASP、出版、幼児教育、物流IoT、農業など、多様な分野での事業経験を積んでいます。

投資家としての活動

  • 2019年11月: JASDAQ上場企業であるSHINWA WISE HOLDINGSの自己株式処分に伴う第三者割当を引き受け、同社の大株主となりました。
  • 2021年4月: 東証二部上場企業の光陽社に対し、経営陣によるMBOの公開買付価格が資産に対して割安であるとして、価格見直しを要請。結果として、買付価格の引き上げに成功し、物言う個人投資家(アクティビスト)として注目されました。

fonfunでの取り組み

  • 2023年6月: 社外取締役として在籍していた株式会社fonfunに対し、自己資金でTOB(株式公開買付)を実施し、筆頭株主兼代表取締役社長に就任。
  • 就任後、新中期経営計画「プロジェクトフェニックス」を策定し、M&Aを主軸とした成長戦略を推進。1年半で5件のM&Aを実行し、事業ポートフォリオの拡充とエンジニア組織の強化に努めています。

経営理念と個人の信条

  • 「成長追求」を信念とし、会社や個人が新しい経験や仕事を通じて成長し、提供できる付加価値を増やすことを重視。
  • 生産性の向上を追求し、効率的な業務遂行やタスクの迅速な完了を心掛けています。
  • プライベートでは8人の子供を持つ父親であり、家族とともに47都道府県の県庁所在地訪問や日本全国の鉄道路線全線制覇など、数値目標を設定して達成することを楽しんでいます。



fonfunの買収を通じて水口社長は裏口上場(全然悪い意味ではない)を果たしたわけで、その真の理由はfonfunの成長云々ではなく、上記経歴を見ればわかるように「サイブリッジグループ」全体の成長が目標ということは簡単に推測できます。

具体的には、fonfun買収を通じてグループ全体の資金調達の引き出しをひとつ確保し、かつ、サイブリッジグループの社会的ステイタスも一気に大きく上昇させたわけです。こういう視点でこの会社を見ていけば、個人的には期待しかないわけです。

あとは水口社長が考える具体的な未来像を表明したタイミングが恐らく大きなカタリストの初手になると思っていて、私はその日が来ることを期待して見守っている状況です。

過去にも同社の記事をまとめたことがあるのですが、今回改めてまとめてみてやっぱり、ホントに楽しみにしています。学生結婚した奥さまやお子さん8人のためにも、同グループ増々の発展を願ってやみません。っていうかお仕事一緒にしてみたいです。

最後にサイブリッジグループについてわかる範囲で調べた内容を以下に列記します。

サイブリッジグループについて

サイブリッジグループ株式会社(英文表記: CYBRiDGE GROUP CORPORATION)は、インターネット技術を基盤に多岐にわたる事業を展開する企業グループです。以下に、同社の詳細情報を数値を交えてご紹介します。

基本情報

  • 設立: 2004年5月25日(創立2003年2月)
  • 代表者: 代表取締役 水口 翼
  • 資本金: 5,280万円(グループ全体で3億5,000万円)
  • 所在地:
    • [東京本社] 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5 リンクスクエア新宿14F
    • [広島オフィス] 〒730-0051 広島県広島市中区大手町1丁目1-26 大手町一番ビル7F
    • [ベトナムオフィス] 133 Duong Ba Trac, Ward 1, District 8, HCMC.

従業員数

  • 単体: 約51名
  • グループ全体: 約140名

事業内容

サイブリッジグループは、以下の主要な事業領域で活動しています。

  1. インターネットメディア・インターネット広告:
    • ポイントサイト「げん玉」や塾関連求人サイト「塾講師ナビ」、教育関連情報ポータル「eduon!」など、自社メディアの運営。
    • インターネット広告領域では、クリエイティブ制作やメディアプランニング、リスティング運用などのサービスを提供。
  2. ウェブインテグレーション:
    • キャンペーンサイト、ECサイト、IRサイトなどのWebサイト構築を戦略立案から実施。
    • システム開発では、ユーザー認証、検索システム、アクセス解析、予約管理、CMS、マッチングサイト、検索エンジン開発などを手掛ける。
    • サーバー運用・保守・ネットワーク構築、SaaS・ソフトウェアパッケージ事業も展開。
  3. その他事業:
    • 託児所併設型コワーキングスペースや幼児教育・個別指導教育のリアル店舗の運営。
    • 投資育成事業として、サイブリッジベンチャーズを通じて国内スタートアップへの投資や、国内上場企業への投資を行い、複数の企業で筆頭株主となっている。

グループ企業

サイブリッジグループは、国内外に17社のグループ企業を有し、各社が連携して事業を展開しています。

沿革

  • 2004年5月: 株式会社シンクマークとして設立。
  • 2005年12月: 株式会社サイブリッジに社名変更。
  • 2016年1月: 株式会社サイブリッジがサイブリッジグループ株式会社に商号変更し、子会社の株式会社デジタライズが株式会社サイブリッジに商号変更。
  • 2016年4月: 協和コンサルタンツの発行済株式5.29%を取得し、株式大量保有報告書を提出。
  • 2016年6月: 協和コンサルタンツの株式保有比率を7.61%に引き上げ、筆頭株主となる。
  • 2016年12月: 協和コンサルタンツの株式保有比率を10.18%に増加。
  • 2018年3月: 協和コンサルタンツの株式保有比率を19.38%に引き上げ。
         ※現在(2025年1月時点は株式未保有)

関連会社

  • 株式会社サイブリッジ: ウェブサイト制作やシステム開発を担当。
  • 株式会社ギガトレンド: メディア運営や広告事業を展開。
  • CYBRiDGE ASIA(ベトナム): オフショア開発拠点として機能。
  • ERY&CO.OÜ(エストニア): 海外事業展開の拠点。

サイブリッジグループは、「インターネットと人の架け橋」をメッセージに掲げ、メディア事業やウェブインテグレーション事業、モバイル事業、ネット広告代理事業、ASPサービスの提供など、多岐にわたるインターネットビジネスを展開しています。

★この記事は個人の株取引のメモであり、登場する銘柄は売買を推奨するものではありません。

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