銘柄研究:2025/1/8(水)メタプラネットについて

メタプラネット(証券コード: 3350)は、ビットコインの大量保有を戦略とする企業であり、その株価はビットコイン価格の動向に大きく影響されています。

目次

会社業績の展望

2024年12月期の連結業績予想では、売上高8.9億円、営業利益2.7億円の黒字転換が見込まれています。

の業績回復の主因は、ビットコイン関連事業の好調によるものです。同社は約1,142枚のビットコインを保有し、その評価益は約74億円に達しています。さらに、ビットコインのプットオプション売取引から5.2億円の収益を見込んでいます。

リスク要因

  1. ビットコイン価格の変動リスク: 同社の業績はビットコイン価格に大きく依存しており、価格下落時には評価損が発生する可能性があります。特に、ビットコイン価格が大幅に下落すると、債務超過や上場廃止のリスクが高まります。
  2. 実業の赤字: ホテル事業などの実業では毎年数億円の赤字を計上しており、これが財務状況に影響を与える可能性があります。
  3. 新株予約権の発行による株式価値の希薄化: 同社は新株予約権を発行しており、これにより発行済株式数が増加し、1株あたりの価値が希薄化するリスクがあります。

カタリスト(株価変動要因)

  1. ビットコイン価格の上昇: ビットコイン価格の上昇は、同社の評価益増加につながり、株価上昇の要因となります。
  2. ビットコイン関連事業の拡大: 同社はビットコイン保有量をさらに拡大する方針を示しており、これが業績向上につながる可能性があります。
  3. 新規事業や投資の成功: Web3分野のコンサルティングや不動産開発、事業投資などの新規事業が成功すれば、収益源の多様化と業績向上が期待できます。

メタプラネットのビットコイン戦略について

メタプラネット(証券コード: 3350)は、2024年4月に財務戦略をビットコイン(BTC)中心に転換し、以降、積極的なビットコイン投資を展開しています。

1)ビットコイン投資の背景と目的

日本円の価値下落や経済環境の変化に対応するため、メタプラネットはビットコインを主要な財務資産として採用しました。これにより、通貨価値の低下に対する保護や、資本市場での投機的裁定取引の機会を活用し、長期的な株主価値の向上を目指しています。

2)具体的な投資活動

  • 資金調達とビットコイン購入: 2024年11月28日、最大95億円の新株予約権を発行し、主にビットコインの購入に充当する計画を発表しました。これにより、保有量の増加を図っています。
  • 保有量の拡大: 2024年12月時点で1,142BTCを保有しており、2025年には10,000BTC超の保有を目指すとしています。

3)ビットコイン関連事業の展開

  • ビットコイン教育とメディア: 『ビットコイン・マガジン・ジャパン』の独占運営権を取得し、ビットコインの普及と教育を推進しています。
  • ホテル事業の再構築: 東京・五反田の「ホテルロイヤルオーク五反田」を「The Bitcoin Hotel」として再開発し、ビットコイン教育やコミュニティ構築の拠点とする計画を進めています。

4)財務状況への影響

ビットコイン戦略の採用により、2024年12月期には7年ぶりの営業黒字(営業利益2.7億円)を見込んでいます。これは、ビットコインのプットオプション売取引からの収益や、ホテル事業の改善によるものです。

5)今後の展望

メタプラネットは、ビットコイン保有量をさらに拡大し、世界のビットコイン保有企業トップ10入り(10,000BTC以上の保有)を目指しています。また、ビットコイン関連事業の多角化を進め、企業価値の向上を図る方針です。

このように、メタプラネットはビットコインを中心とした財務戦略と事業展開を進め、長期的な成長と株主価値の最大化を目指しています。

メタプラネットのホテル事業の沿革と現状

タプラネット(旧称:レッド・プラネット・ジャパン)は、2013年にホテル事業に参入し、以降、日本国内で複数のホテルを展開してきました。

1)沿革

  • 2013年8月: 沖縄県那覇市に「チューン那覇沖縄」(現「レッドプラネット 那覇 沖縄」)を開業し、ホテル事業を開始しました。
  • 2014年7月: 東京・五反田の「ホテルロイヤルオーク五反田」を取得し、事業拡大を図りました。
  • 2017年10月: 愛知県名古屋市に「レッドプラネット名古屋錦」を新規開業し、地域展開を進めました。
  • 2018年6月: 北海道札幌市に「レッドプラネット札幌すすきの南」を新規開業し、さらに事業を拡大しました。
  • 2019年9月: 「レッドプラネット札幌すすきの中央」を新規開業し、札幌でのプレゼンスを強化しました。
  • 2020年8月: 「レッドプラネット広島」を新規開業し、西日本への展開を進めました。

しかし、2022年以降、海外子会社の売却や匿名組合の持分譲渡により、事業の再編を行っています。

2)現状

現在、メタプラネットは東京・五反田の「ホテルロイヤルオーク五反田」を中心にホテル事業を展開しています。

2024年第3四半期の決算では、同ホテルの客室改装や新たな集客施策により、事業改善が進み、本業での赤字縮小が確認されました。今後、ビットコイン関連設備投資やホテル事業の付加価値向上を通じて、収益基盤としての成長が期待されています。

一方で、従業員数は13名と少数であり、前年から8名の退職者が出ていることから、組織運営や人材確保に課題があると指摘されています。

メタプラネットは、ビットコイン保有戦略を強化しつつ、ホテル事業の再構築を進めています。特に、「ホテルロイヤルオーク五反田」を「The Bitcoin Hotel」として再開発し、ビットコイン教育やコミュニティ構築の拠点とする計画を発表しています。

これらの取り組みが成功すれば、ホテル事業の収益性向上と新たな顧客層の獲得が期待されますが、同時に新規事業への投資リスクや市場の反応など、慎重な経営判断が求められる状況です。

★この記事は個人の株取引のメモであり、登場する銘柄は売買を推奨するものではありません。

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