アライドアーキテクツ株式会社(証券コード:6081)は、SNSを活用したマーケティング支援や自社開発のSaaSツールの提供を主な事業としています。現在、世界中のSNS活用の拡大に合わせ、自社サービスの拡大を図っています。
業績の展望
2024年の第3四半期までの連結経常損益は約4億200万円の赤字となりました。また、通期の業績予想も経常損益で4億7,000万円の赤字に下方修正されています。しかしながら、2022年に比べ、2023年には海外SaaS事業の成長が進み、シンガポールを中心にARR(年間経常収益)は前年同期比で約2.2倍の成長を達成しました。
リスク要因
SNSプラットフォーム依存のリスク
アライドアーキテクツのサービスは、主にSNSプラットフォームに依存しているため、その方針変更や新規SNSの登場により大きな影響を受ける可能性があります。
人材確保と育成の課題
デジタルマーケティング分野では、専門知識とスキルを持つ人材の確保が重要ですが、この分野では人材競争が強まっています。これが業績に影響を与える可能性があります。
海外市場での競争
海外市場における一部の市場特性や競合状況により、希望通りの成果を与えられないことも考えられます。
カタリストとなり得る要因
新規サービスの展開
アライドアーキテクツは自社開発のサービスを提供しており、これらの成長が期待されます。
- Letro(レトロ):Instagramなどのユーザー生成コンテンツ(UGC)をウェブサイトや広告に活用し、コンバージョン率(CVR)を最大20%以上向上させるサービス。
- LetroStudio(レトロスタジオ):動画制作を効率化し、制作コストを30%削減しながら、広告やプロモーション用の高品質な動画を容易に作成できるツール。
- モニプラ ファンブログ:ブログやSNSユーザーを活用した口コミプロモーションを支援し、ユーザーエンゲージメント率を15%向上。
- echoes(エコーズ):Twitterキャンペーンやハッシュタグ投稿を活用したプロモーション施策を簡易化し、キャンペーン参加率を10%増加させるツール。
アジア市場への展開
同社は、以下のような取り組みによりアジア市場での存在感を高めています:
- シンガポール拠点の設立:東南アジア地域の事業統括拠点として2014年に設立。Facebookマーケティング支援サービスの管理を強化。
- ベトナムでのオフショア開発:2016年にハノイ市に子会社を設立し、システム開発の効率化とコスト削減を実現。現地では年間50以上のプロジェクトを開発。
- 台湾・香港での日本人KOL広告サービス:2023年より、日本人インフルエンサーを活用したプロモーションを展開し、現地のキャンペーン収益を15%増加。
SaaS事業の成長
特にシンガポールを拠点とする子会社「Creadits」を中心に、広告クリエイティブを提供するSaaS事業が成長しています。2022年には年間経常収益(ARR)が前年同期比で約2.2倍となり、2024年末にはARR40億円を目指しています。
今後の展望
アライドアーキテクツは引き続き新規市場への進出を図り、特に中国を含むアジア全域での越境プロモーション支援を強化する予定です。また、デジタル人材の育成やパートナーシップの拡充を通じて、業績の回復とさらなる成長を目指しています。
★この記事は個人の株取引のメモであり、登場する銘柄は売買を推奨するものではありません。