銘柄研究:2025/1/26(日)名村造船所の前回決算短信(2025年2Q)サマリー

株式会社名村造船所の次回決算発表が近づいてきました(2025年2月13日)。

そこで、2025年3月期第2四半期(中間期)連結決算短信を改めてサマってみました。

前回決算短信では、大枠としては、売上高、営業利益、経常利益、純利益が前年同期比で大幅に増加しており、特に新造船事業が好調だったことが報告されています。円安と船価改善、原価削減効果が業績向上に大きく貢献したと分析されています。 また、通期業績予想の修正と配当に関する情報も含まれています。 各事業セグメントの状況や、財政状態、キャッシュフローに関する詳細なデータも提示されています。

そのあたりの内容を、以下に項目別にまとめてみました。

目次

名村造船所の事業セグメント別業績推移をどのように評価するか

名村造船所の事業セグメント別業績推移について、以下のような内容で記載されています。

全体的な業績
2025年3月期第2四半期(中間期)において、売上高は78,281百万円営業利益は15,087百万円と、前年同期比で大幅な増収増益を達成しています。特に、営業利益は前年同期比129.7%増と大幅に増加しており、各事業セグメントが順調に進捗したことが要因として挙げられます。

新造船事業
売上高は62,279百万円(前年同期比35.9%増)、営業利益は14,429百万円(前年同期比100.7%増)と、大幅な増収増益を達成しています。円安に加え、鋼材費率の低いハンディ型ばら積み運搬船の連続建造による原価削減効果、操業量の拡大、国際調達網の活用などが要因として挙げられます。また、環境に配慮したLPG燃料対応大型LPG・アンモニア運搬船(VLGC)1隻およびハンディ型ばら積み運搬船14隻を完工し、VLGC2隻およびハンディ型・大型ばら積み運搬船11隻を受注しており、受注残高も増加しています。

修繕船事業
売上高は10,294百万円(前年同期比20.1%増)、営業利益は1,602百万円(前年同期比147.4%増)と、こちらも大幅な増収増益を達成しています。国内艦艇や巡視船の工事が順調に進捗し、技術難易度の高い民間商船の工事にも積極的に取り組んだことが要因です。受注残高も前年同期比7.2%増と増加しています。新造船事業と修繕船事業が業績を大きく牽引しており、特に新造船事業は、円安を追い風に、原価削減や操業量拡大により、大幅な増収増益を達成しています。

鉄構・機械事業
売上高は2,481百万円(前年同期比22.9%減)と減少していますが、営業利益は11百万円(前年同期は316百万円の営業損失)と黒字に転換しています。鉄構橋梁部門では橋桁落下事故の復旧を優先したため操業量が減少しましたが、舶用機械部門においては事業環境の改善、材料調達先の多様化、生産効率の改善、設備の近代化、技術力向上により黒字転換を達成しています。鉄構・機械事業は、売上高は減少しているものの、黒字に転換しており、事業環境の改善が見られます。

その他事業
売上高は3,227百万円(前年同期比7.2%増)、営業利益は263百万円(前年同期比19.1%増)と、比較的順調に推移しています。

全体として、名村造船所の各事業セグメントは、2025年3月期第2四半期において好調な業績を上げており、特に新造船事業の収益性が大幅に向上していることが評価できます。

注意点
為替レートの影響として、第1四半期末に未予約ドル建て売上高を計上したものの、第2四半期に契約資産の回収時に為替差損1,029百万円が発生しています。

まとめ

円安のメリットとコスト削減努力により、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する中間純利益のいずれも、前年同期比で大幅な増加を達成しました。

さて、次回決算発表は2/13。1月決算時は決算発表前日まで株価は上昇し、その後好決算だったにもかかわらず大きく売り込まれました。その時点での下落の要因として考えられるのは、年末年始の日銀による利上げリスク、トランプ就任による関税リスクなどが上げられると思います。そのリスクを背景に恐らく気kン投資家によるショート積み上げが株価下落になったと個人的には考えています。

利上げによる円安メリット剥落が今後見込まれる中、今回の決算発表で同社株価はどのように動くのでしょうか?

造船セクターの今後を占うという意味でも大変重要な決算発表になると考えています。

★この記事は個人の株取引のメモであり、登場する銘柄は売買を推奨するものではありません。

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