銘柄研究:2025/1/28(火)ドリコム2Q決算短信及び決算資料のサマリー

ドリコムの3Q発表を1/30に控え、前回の2Qの短信と決算資料を遅ればせながらサマリーしてみました。

目次

業績悪化の主要因

ドリコムの業績が悪化した背景には、以下の要因が挙げられます。

1. 新規タイトルの不振

2025年3月期第1四半期にリリースされた新規モバイルゲーム『悪魔王子と操り人形』が売上目標を達成できず、特別損失6億188万円を計上しました。この結果、第2四半期の純損失が大幅に拡大しました。

2. ゲーム事業の減収

既存の運用タイトルの売上低迷や、受託開発案件の終了が影響し、ゲーム事業全体の売上が減少しました。前期に不採算タイトル2本を終了したことで一定の改善効果は見られたものの、新規タイトルの運用費用が増加したため、利益を押し下げました。

3. コンテンツ事業への先行投資

出版事業では「DREノベルス」や「DREコミックス」の刊行が売上増加に寄与しましたが、出版・映像やWeb3関連の新規事業への投資が先行し、損失が拡大しました。

新規タイトルの影響とリスク

成功事例: 『Wizardry Variants Daphne』

2024年10月にリリースされた新作『Wizardry Variants Daphne』は、リリース後12日間で累計課金高約7億円を達成するなど、好調なスタートを切りました。しかし、こうした好調さが中長期的に続くかどうかは不透明です。

不振事例: 『悪魔王子と操り人形』

一方、第1四半期にリリースされたタイトルは運用が厳しく、業績に負の影響を与えました。これにより、ドリコムが新規タイトルの成否に大きく依存している現状が浮き彫りになりました。

事業セグメント別の成長戦略とリスク

ゲーム事業

成長戦略:

  • 新規タイトルのリリースを通じた収益源の多様化。
  • 既存タイトルの安定運用による収益維持。
  • 自社IPを活用したオリジナルタイトルの開発。

リスク:

  • 新規タイトルの売上が想定を下回るリスク。
  • 競争激化に伴う市場シェア低下。
  • 既存タイトルの収益力低下。

コンテンツ事業

成長戦略:

  • 出版・映像事業でのIP収益化。
  • Web3領域での新規事業開発。
  • SNSを活用したファンマーケティング支援サービスの展開。

リスク:

  • 新規事業の収益化が不確実。
  • 先行投資が損失を拡大させる可能性。
  • コンテンツ制作の成否に伴うリスク。

中期的な成長戦略と展望

ドリコムは「IP×テクノロジー」を軸に、ゲーム事業とコンテンツ事業を強化し、総合エンターテインメント企業を目指しています。新技術(生成AI、Web3)を活用した新規事業の開発や、人気IPの収益化を推進することで、長期的な成長を図っています。

課題

  • 業績が新規タイトルの成否に依存しており、収益の安定性に課題がある。
  • 投資先行により短期的な収益確保が困難。
  • 市場の競争激化に対する差別化が必要。

期待される成果

  • 『Wizardry Variants Daphne』のような成功タイトルの継続的な収益貢献。
  • 出版・映像事業でのIP拡大による多角化。
  • 新規事業による収益基盤の強化。

まとめ

ドリコムは、新規タイトルの成功やコンテンツ事業の多角化を通じて成長を目指していますが、業績が新規タイトルの成否に大きく依存するなど、課題も多く残されています。今後は、既存タイトルの収益改善や新規事業の収益化を含めたリスク管理が重要となるでしょう。エンターテインメント市場が拡大する中で、ドリコムの動向は引き続き注目されます。

★この記事は個人の株取引のメモであり、登場する銘柄は売買を推奨するものではありません。

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